2015/09/04
ヴィヴァルディの名曲を現代風にリメイクした『25%のヴィヴァルディ Recomposed By マックス・リヒター』で話題を呼んだドイツのポスト・クラシカル・アーティスト:マックス・リヒターが、美しき音と眠りのコラボレーションを演出する『SLEEP』と『from SLEEP』をリリースした。
『SLEEP』は音楽配信のみのリリースとなるのだが、なんと8時間にも及ぶ大作なのだ。単一の楽曲としてはレコーディング史上最長となり、リスナーは眠りながら体験する音楽に。最初から最後まで耳を傾けて聞く、体感することを前提に、曲頭で覚醒していたリスナーが終曲で眠りに落ちるよう意図された作品になっているという。
一方、CD、LP、デジタルでリリースされる『from SLEEP』は、同じく眠りをコンセプトにしつつ、リスナーが美しき音響空間を体験できるよう編まれた1時間バージョンの作品だ。通常のレコードのように覚醒中に楽しめるが、本人は「2つの作品の目的はそれぞれ異なる。1時間のCDのほうは“耳を傾けて聴く”作品で、8時間の長いほうは睡眠中に“自然に聴こえてくる”作品と言えるかもしれない」とそれぞれを評している。
また両作ともリヒターが規範としてきた枠組みを継承しており、これまでの作品同様にピアノ、ストリングス、キーボード、エレクトロニクス、ボイスを中心に様々な音楽ジャンルの境界線をクロスオーバー。クラシック音楽の語法はいかにあるべきかを問いかけを続けた作品となっている。
「夜中に聴いてもらうために書いた曲なので、実際に聞きながら眠りに落ちてもらえることを望んでいる」というこの2作品。秋の夜長を迎えるこれからの季節のお供にどうだろうか。
◎アルバム『from SLEEP』
[Digipack]
2015/09/01 RELEASE
479-5259
[Black LP]
2015/09/04 RELEASE
479-5259
[Transparent LP]
2015/09/04 RELEASE
479-5296
◎iTunes『Sleep (8時間ヴァージョン)』
https://itunes.apple.com/jp/album/sleep/id1017067859
◎マックス・リヒター 最新作『SLEEP』を聴くうえで押さえておきたい5つのポイント
1.単一の楽曲としてはレコーディング史上最長の音楽を演奏!
リスナーが眠りに落ちる間も聞こえてくる、体感できる、音楽を生み出している。リヒター曰く「これは激動の世界に捧げるパーソナルなララバイだ。いわば、スローライフ宣言なんだ。」
2.これまで、リヒターが規範としてきた枠組みを継承。これまでの作品同様、ピアノ、ストリングス、キーボード、エレクトロニクス、ヴォイスが中心となり、さまざまな音楽ジャンルの境界線をまたぎ、クラシック音楽の語法はいかにあるべきか、問いかけを続けた作品となっている。
3.催眠効果をもたらす音楽、と聞くと、即座に癒される音楽を想像するが、8時間に及ぶ『スリープ』は、最初から最後まで耳を傾けて聞く、体感する、ことを前提とした作品となっていて、曲頭で覚醒していたリスナーは終曲で眠りに落ちるよう、意図されている。
4.さらにもうひとつ、通常のレコードのように覚醒中に楽しめる『フロム・スリープ』という1時間の作品も存在。リヒター曰く、「2つの作品の目的はそれぞれ異なる。1時間のCDのほうは“耳を傾けて聴く”作品で、8時間の長いほうは睡眠中に“自然に聴こえてくる”作品と言えるかもしれない。夜中に聴いてもらうために書いた曲なので、実際に聞きながら眠りに落ちてもらえることを望んでいるよ」とのこと。
5.作曲にあたり、著名なアメリカ人神経科学者デイヴィッド・イーグルマンから睡眠中の意識について助言を得たリヒターは、この作品を睡眠プロセスに関する“調査”と説明。
「私たちが、さまざまな状態の意識の中でどのように音楽を体験するのか明らかにし、もし可能ならば、覚醒と睡眠の中間状態でどのように音楽を体験するのか明らかにしようという実験なんだ。この作品を流しながら眠る時、本当に音楽を耳にしているのか、それとも別な風にそれを体感しているのか、非常に興味があるね。僕が抱いている一連の疑問のひとつは、人が眠っている時、音楽を聴くという現象が果たして起こっているのかどうか、という点だ」。
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