2015/08/17
日本最大級のロック・フェスティバル【RISING SUN ROCK FESTIVAL 2015 in EZO】が8月14日(金)、15日(土)に北海道石狩湾新港樽川ふ頭横野外特設ステージで開催。安全地帯、聖飢魔II、10-FEETら、豪華アーティストが北の大地で熱演を繰り広げた。
悪天候が予想されたが、嘘のように快晴が広がった石狩の空。最大規模を誇る〈SUN STAGE〉に登場したKANA-BOONは、「ないものねだり」「フルドライブ」など、強烈なダンスロック・ナンバーで数万のオーディエンスを熱狂させ、イベントの開幕を盛大に告げる。
〈RED STAR FIELD〉には、今年いっぱいで解散を発表しているPE’Z、〈RAINBOW SHANGRI-LA〉には、同じく今年末に活動休止するthe telephonesら強い個性をもった2組が唯一無二のサウンドを鳴らし各ステージでも多彩なアクトが進行していく。
北海道出身の5人組女性バンド、Drop's のステージで幕開けた〈def garage〉。中盤に登場した水曜日のカンパネラは場外からド派手に登場し、北海道の地名を羅列する「シャクシャイン」を歌唱するなど、地元からの参加者たちの心もしっかり掴むアクトを展開してくれた。
〈EARTH TENT〉では、BIGMAMA、WHITE ASH、androp、KEYTALKら次世代を担うロック・バンドが出演。その中、今話題沸騰中の細美武士の新バンド、MONOEYESがイベント中盤にオン・ステージ。細美は自身が初めて出演した夏フェスが【RSR】だと語り、思い入れのあるこのイベントに想いを注ぎ込むかのように「My Instant Song」をはじめ、デビューアルバム収録曲を、ほぼフルセットで演奏し、詰めかけたオーディエンスを熱狂の先まで導いてくれた。
そして、1日目の〈SUN STAGE〉を締めくくったASIAN KUNG-FU GENERATIONは珠玉のセットリストを構築。最新アルバムのリード曲「Easter / 復活祭」はもちろん、「ソラニン」、「ループ&ループ」、「リライト」、アンコールでは「遥か彼方」など、真摯に王道ロックを貫き進む彼らのパフォーマンスは、その場にいた全オーディエンスの心を強く撃ったことだろう。
ASIAN KUNG-FU GENERATIONのステージが終わり、23時からは、2日間通し入場券を持った参加者のみ観覧できる夜間の部「for CAMPERS」のステージが開始。KIRINJI、シアターブルック with SOIL & "PIMP" SESSIONS、今年再結成を果たしたREBECCAからNOKKOと土橋安騎夫らが、アダルティックな夜を演出していく。さらに〈RED STAR FIELD〉には、SCOOBIE DOがオリジナルバンドFRIDAY NIGHT FEVERSを従え、一夜限りのスペシャル・セッション“FRIDAY NIGHT SESSION”を開催。SCOOBIE DO&FRIDAY NIGHT FEVERSがバックバンドを務め、ROY(THE BAWDIES)、永積タカシ(ハナレグミ)、福原美穂、池田貴史(レキシ)ら豪華ゲストが入れ替わり立ち代わりでブラックミュージックの名曲をカバー。アンコールではスペシャルゲストのつのだ☆ひろが、代表曲「メリージェーン」を熱唱するなど、大熱狂の中、1日目の全行程が終了した。
2日目、小雨が降ったり止んだりする不安定な気候の中、クリープハイプ、キュウソネコカミら人気絶頂の2組が熱のこもったステージで〈SUN STAGE〉、〈EARTH TENT〉のトップバッターをしっかりと務めてみせれば、クラムボンは、突如降り注いだスコールも演出の一部に感じてしまうほどの趣のあるアクトで〈RED STAR FIELD〉を美しく彩っていく。
そして、今回の【RSR2015】で一際話題を集めた2組が登場。〈EARTH TENT〉には、地球デビュー30周年を期に再復活した聖飢魔IIが降臨。悲鳴にもにた大歓声が響き渡る中、「魔王凱旋」とともに棺の中からデーモン閣下が復活を遂げ“ミサ”がスタート。デーモン閣下は名台詞「お前も蝋人形にしてやろうか」を惜しげもなく言い放ち、「蝋人形の館」、「BRAND NEW SONG」など、5年前に初出場した時の衝撃を、自身らで再び更新する強烈なインパクトを【RSR】に歴史を叩き込んだに違いない。そして、〈SUN STAGE〉には、安全地帯がステージ・イン。オープニングは安全地帯の曲をマッシュアップしたDJプレイから、この日のためのシークレットゲストとして20年ぶりに再結成したC.C.ガールズから、青田典子と藤原理恵がダンサーとしてパフォーマンスを行うサプライズを経て、遂に姿をみせた玉置浩二。そして、彼は会場中を包み込むように「じれったい」、「悲しみにさよなら」を歌い上げてくれた。さらに、ステージを捌けてしまった彼らに、まだまだ物足りないと言わんばかりのオーディエンスの呼び声が届いたのか、一人で再登場した玉置浩二は、ステージ下の策前のお立ち台に場所を移し「田園」、「夏の終わりのハーモニー」を弾き語りで披露。ファン感涙のパフォーマンスを終えて颯爽とステージを後にしていった。
安全地帯のステージを終え、全ステージひと時の休憩時間を挟み、いよいよ2日目も後半戦へ。Perfume、グループ魂、東京スカパラダイスオーケストラらが各ステージを盛り上げる中、会場の最深部に位置する〈BOHEMIAN GARDEN〉では、“MY LIFE IS MY MESSAGE”と題したスペシャルステージがスタート。山口洋(HEATWAVE)をはじめ、山田将司(THE BACK HORN)、和田唱(TRICERATOPS)、仲井戸“CHABO”麗市が出演。各々のソロステージはもちろん、山口と山田、和田と仲井戸が共演したりと、本イベントならではのコラボレーションは優しいハーモニーを生みだし、集ったオーディエンスを最後まで魅了してくれた。
そして、16日の0時を迎え、クライマックスに突入したイベントは、降谷建志、a flood of circle、tricotらが各ステージのラストを飾り、ついに大トリの10-FEETが〈SUN STAGE〉に登場する。
空には雲が掛かり、真夏とはいえ、少し肌寒い北の大地でも、スタートの「JUNGLES」を皮切りに、「super stomper」、「1sec.」とライブ鉄板チューンの応酬で畳み掛けるように展開し、オーディエンスのボルテージは最高潮。そのまま本編ラストの「goes on」まで熱演を繰り広げた彼らは、アンコール1曲目で、まだタイトル未定の新曲を披露するサプライズを。さらに、続く「RIVER」では、先ほどステージを終えたばかりのKjこと降谷建志を呼び込み、アジテーターとして会場を奮起させる場面も描き出し、朝日が垣間見える空にタオルが舞い上がったラストの「CHERRY BLOSSOM」で、2日間ににわたった【RISING SUN ROCK FESTIVAL 2015 in EZO】は大団円の中、幕を閉じたのであった。
Photo:
清水隆利(10-FEET)
古渓一道(KANA-BOON)
久保憲司(キュウソネコカミ)
小川舞(安全地帯)
釘野孝宏(聖飢魔II)
原田直樹(シアターブルック with SOIL & "PIMP" SESSIONS)
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