2015/07/29 22:00
ラッパー、フューチャーの3rdアルバム『DS2』が、初動14万枚を突破して初のNo.1獲得となった、今週の米ビルボード・アルバム・チャート。
フューチャーはアトランタ出身の31歳。これまで、リル・ウェインの「ラブ・ミー」や、リアーナの「ラヴィー・ソング」などで注目を集め、昨年リリースされた2ndアルバム『オネスト』では、初登場2位、R&B/ラップの両チャートでは、No.1をマークする記録を打ち立てた。本作は、『オネスト』から約1年ぶりとなる新作で、R&B/ラップチャートにとどまらず、総合アルバム・チャート(Billboard200)でも、初の首位をマークする3冠を達成した。
驚くのは、プロモーション形態とアルバムのクレジット。リリース日の告知が発売のたった7日前という、ワンウィーク集中型という異例のプロモーションだったにもかかわらず、初動枚数は14万枚を突破。さらに、ゲストのクレジットはドレイクのみという、ラッパーのアルバムとしてはこちらも異例の形態で、自身のトラックへの自信がうかがえる。
2013年末にリリースされた、ビヨンセの5thアルバム『ビヨンセ』にはじまり、今年の2月に初動50万枚を突破してNo.1をマークした、ドレイクの『イフ・ユーアー・リーディング・ディス・イッツ・トゥー・レイト』、続いて3月には、ケンドリック・ラマーが『トゥ・ピンプ・ア・バタフライ』を1週フライングしてリリースするなど、昨今のブラック・ミュージックシーンでは、“サプライズリリース”による反響を、セールスに繋げるという戦略を試みている。今週、6位に停滞している、ミーク・ミルの『ドリームス・ワース・モア・ザン・マネー』も、同様の手法で2週のNo.1をマークした。
オーストラリア出身のロックバンド、テーム・インパラの3rdアルバム『カレンツ』は4位に初登場。2010年のデビューから、フェスの出演やワールドツアー、【グラミー賞】ノミネートにNMEの年間ベストアルバムNo.1獲得など、メディアからも評価の高い彼らだが、意外にもTOP10入りは初めてで、2012年リリースの前作『ローナイズム』で獲得した、最高位34位から、本作で大きく飛躍した。また、本国オーストラリアやニュージーランドでも初の首位獲得、UKでは3位デビューと、全世界で大ヒットを記録している。
TOP10入り常連となった、カントリーシンガーのアラン・ジャクソン、通算20作目のアルバム『エンジェル・アンド・アルコール』は、5位に初登場。スタジオ・アルバムとしては9枚目のTOP10入り(内3作が首位)で、コンピ盤、ゴスペル・アルバムを含むと12作目、カントリーチャートでは25作目のTOP10入りという、すさまじい記録を更新している。続いて、ジェイソン・イズベルの5thアルバム『サムシング・モア・ザン・フリー』が、自身初のTOP10入り、6位に初登場した。
Text: 本家 一成
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