2015/07/27
2015年の上半期を過ぎたところ、最も飛躍し、瞬く間にトップ・アーティストへ駆け上がったのは、ザ・ウィークエンドと断言できる。
その予兆は、昨年末に初のTOP10入りを果たした、アリアナ・グランデとのデュエット曲「ラヴ・ミー・ハーダー」からはじまる。アリアナのネーム・バリューもさることながら、この曲のアーバンな世界観を印象付けたのは、ザ・ウィークエンドの滑らかで熱を帯びたヴォーカル・センスといえる。
続いて、今年の春先に公開された映画『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』の挿入歌、「アーンド・イット」が間髪入れず、大ブレイク。その官能的なヴォーカルがストーリーと見事にマッチしたことで、リスナーの耳底に深く染み込み、主要各国でTOP10入り、アメリカではTOP3入りを果たした。
この勢いに乗せ、いよいよ今年の夏、ザ・ウィークエンドの2ndアルバム『ビューティ・ビハインド・ザ・マッドネス』がリリースされる。
2013年にリリースされたデビュー作『キッスランド』以来、およそ2年ぶりとなる自身2作目のアルバムで、タイトルは『ビューティ・ビハインド・ザ・マッドネス』。すでに自身のツイッター上でアートも公開され、ビジュアルからイメージする“ドス黒さ”が期待できそうな新作だ。そのアルバムから、先行シングルとしてリリースされたのが、「キャント・フィール・マイ・フェイス」。登場たった4週でTOP3入りし、12週間のNo.1を死守した、ウィズ・カリファfeat.チャーリー・プースの「シー・ユー・アゲイン」をあっさり追い越し、現段階でチャート2位まで浮上する勢いをみせている。
「ラヴ・ミー・ハーダー」に続いて、この曲のプロデュースを務めたのはマックス・マーティン。これまで定着させた、ネオソウル風味のミッドテンポから一転、マックス氏らしいアップテンポなディスコチューンに仕上がっていて、ポップフィールドからのアプローチも成功させた。
しかし、そのポップなサウンドの中にも、聴き手のイマジネーションを刺激する、ヴァースの低音と、フックの高音を見事に使い分けているエモーショナルなヴォーカルが、この曲の持ち味。ただのヒット・ソングで片づけない、シンガーとしての実力をしっかりと際立たせたのは、さすがのヴォーカルワークだ。
8月1日付米ビルボードR&Bチャートで、ついに首位に立った「キャント・フィール・マイ・フェイス」。さらに、2位には先立ってリリースされた「ザ・ヒルズ」、3位には「アーンド・イット」と並び、TOP3を独占する快挙を成し遂げたザ・ウィークエンド。8月末にリリース予定の『ビューティ・ビハインド・ザ・マッドネス』へのプロモーションは文句ナシといった状況で、この「キャント・フィール・マイ・フェイス」の首位獲得と、アルバムのNo.1デビューに期待が高まる。
Text: 本家 一成
◎「Can’t Feel My Face」(Audio)
https://youtu.be/dqt8Z1k0oWQ
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