2015/07/02
「ポン・デ・リプレイ」の衝撃から10年になる。2000年以降、最も商業的に成功した女性シンガーを挙げるなら、間違いなく“リアーナ”の名前がトップにクレジットされるだろう。
今年の夏で、デビュー10周年を迎えるリアーナ。これまで、1年毎コンスタントにリリースされてきたオリジナル・アルバムが、2012年の『アンアポロジェティック』で休止していたが、2年半のブランクを経て、ついに始動した。
それが、今年3月末に行われた、ラジオ界最大規模の音楽授賞式【アイハート・ラジオ・ミュージック・アワード2015】で、グリーンのファーを纏ってヘリコプターから降り立ち、披露した、8thアルバムからの先行シングル「ビッチ・ベター・ハヴ・マイ・マネー(BBHMM)」だ。
アワードでのお披露目前、この曲のアートが彼女のインスタグラム上で公開され、張りつけたような太眉にレザーのジャケット、オールバックの黒髪というクールな出で立ちが、まさにこの曲のイメージそのもので、アート&ミュージックの一体を感じられる作品に仕上がった。
ファッションと共に、音楽シーンでも常に最先端に居続けるリアーナ。「オンリー・ガール」でEDMブームの先駆けとなり、「ウィー・ファウンド・ラヴ」が最高潮に達すると、翌年には雑音に流されず「ダイヤモンズ」で“脱・エレクトロ”を図る。
その延長沿いにある、90年代のフロアを再現したようなサウンドがベースとなり、ヒップホップ全盛期を彷彿するような、ドス黒いグルーヴを生み出した「BBHMM」。アルバムのトータルプロデュースを務めるカニエ・ウェストと、新星デピュティによる共同制作で、3月のリリース後、世界40か国以上のiTunesチャートで首位をマークしている。
そのリリックも“リリ様”らしい、女王っぷり健在で、このタイトル自体が問題作だが、そのハードな内容を忠実に再現したビデオが、日本時間7月2日に公開された。
裏切った夫婦を標的に、妻を拉致して仕返しに徹するという、バイオレンスなストーリー仕立てのミュージック・ビデオは、ドラッグに銃、裸体に殺人と、もはや放送コード寸前(もしくはアウト)のR指定映画のような寸劇で、ずっしり重たいビートが響く「BBHMM」が、見せ場となるシーンのサウンドトラック的・役割を果たしている。賛否両論は当然、あるものの、安全パイに徹しないリアーナは、滑らかになりつつある現代の音楽シーンにおける、希望の星だ。
今年初頭にリリースされた、ポール・マッカートニー&カニエ・ウェストとのコラボ曲「フォー・ファイヴ・セカンズ」、そして「アメリカン・オキシジン」の連続リリースと、プロモーションも佳境を迎えたところで、「ビッチ・ベター・ハヴ・マイ・マネー(BBHMM)」のビデオ公開と共に、間もなくリアーナの8thアルバムがドロップされる。
Text: 本家 一成
◎「ビッチ・ベター・ハヴ・マイ・マネー」MV
https://youtu.be/B3eAMGXFw1o
◎リリース情報
「ビッチ・ベター・ハヴ・マイ・マネー」
リアーナ
デジタル配信
http://apple.co/1KufdlT
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