2015/06/26
両日合わせて会場だけで5万超、全国の映画館や品川ステラボールなど計118スクリーンでのパブリックビューイングを加えれば実に9万人もの観衆が見守った。そんなももクロ恒例の聖夜2DAYS公演を収めた作品になるが、今年のそれもまあ当然ながら驚嘆の連続だ。
当時から報じられていたが、18~21歳とアイドルとしての成熟へ向かう最中にあった5人を支えたのは、 巨匠 武部聡志をはじめ屈指の奏者が名を連ねたダウンタウンももクロバンドに、13名のブラス隊を加えたビッグバンド。世界の度肝を抜いたダンサー 黄帝心仙人&タイムマシーンや、総勢30名の社交ダンス集団 ソシアルクローバーZ。綿密に構築された特殊効果や映像演出に、数々の名調子でお馴染みの立木文彦からニューヨークヤンキースの田中将大選手、松崎しげる、東京03 飯塚悟志らゲストまで。
仰々しいほど豪華な面々が、シーンのトップランカーとして先進性とポピュラリティを高い次元で両立させたエンターテインメントを提示し続けてきたももクロのステージを彩っていくのだ。
一方、ポップス、ロック、ジャズ、オーケストラ、ヒップホップ、エレクトロなどなど、気鋭のクリエイターが名を連ねた楽曲がめくるめくカラフルなセットリスト。これもサウンドコンセプトが柔軟なももクロにしかなし得ない豊潤さだ。
そして何より、華やかな分だけタフなキャリアに裏付けされた5人のパフォーマーとしてのスキル。高純度なシンクロ性やコンビネーションは、構成人数とメンバーチェンジが少ないアイドルならでは……とはいえ、激務の毎日が想像に難しくない中でこれほどのパフォーマンスを発揮できるのは敬服に値する。
もちろん、クリスマスライブ恒例の「サンタさん」間奏パートでの高城れにと玉井詩織によるマジックショーだってさらなるスケールへ。各日ともに23曲ずつの計46曲、セットリストもしっかり違う2DAYS分、プラス特典映像で計8時間を超える大ボリュームの4枚組(DVDなら6枚!)となっている。
この春公開され称賛を浴びた主演映画『幕が上がる』からもわかる通り、ももクロはいまだ他の追随など到底許さない速度とスケールで挑戦を続けている。「結局アイドル」「所詮はごっこ」などの穿った観点すら超越するには、音楽やステージ、エンターテインメントに対して純度高く、かつ終わりなく探求し続ける強靭な精神力と日々培われた地力が必要なのだと。それだけの意志があるからこそ、掛け値なく“ライブアイドル”と呼べるのだと改めて痛感させられる作品である。
確かな歴史を築いてきたももクロだから具現化できたこのステージを、ハイクオリティな映像で堪能できる幸せは、彼女たちを見てきた時間が長い人ほど感動的だろう。離れた人や否定的な人たちだって、ぐうの音も出ないのではないだろうか。
最新鋭のパフォーマンスや演出に驚き、豊かな演奏に身体を預けながら、大好きなアイドルの歌声やダンスで何万人もと盛況する聖夜。それはなんと日本的で素敵なことなのだろうとしみじみ思える大傑作だ。
◎DVD&Blu-ray『ももいろクリスマス2014 さいたまスーパーアリーナ大会 ~Shining Snow Story~ Day1/Day2 LIVE Blu-ray BOX』
2015/06/24 RELEASE
[初回限定版 Blu-ray BOX]
KIXM-90201~4(4枚組) 11,800円+税
[DVD BOX]
KIBM-90510~5(6枚組) 9,800円+税
テキスト:杉岡祐樹
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