2015/05/30
avex初のアイドル専門レーベル iDOL Streetの第1弾グループにしてトップランカーであるSUPER☆GiRLS。全メンバーの個別インタビュー連載も8回目といよいよ佳境に突入する中、今回ピックアップするのはズバ抜けたビジュアルとクールな佇まいで一線を画する荒井玲良だ。
かつて【第12回全日本国民的美少女コンテスト】でファイナリストまで残り、元 雑誌『JJ』レギュラーモデル、an×a-nationキャンペーンCM出演、そして今春の東京ガールズコレクション公式ランニングチームへの参加などなど。各方面で活躍するメンバーが多いスパガの中でも、彼女は一際輝かしい経歴を誇っている。
座右の銘にオードリー・ヘップバーンの名言を掲げ、洋楽や洋画、海外ドラマなどを愛する年頃の女の子。現状のシーンを省みれば「アイドルらしからぬ」と言われてもおかしくない彼女が、アイドルとしてどう生き抜き、何を目指しているのか。
有体な型に収まることを拒み、時に“塩対応”と揶揄されながらも、「ファンの方と近い所がなければ活動している意味がない」と断言する異色派。己を冷静に分析し、明瞭な言葉で表現できる才女が、将来夢見る場所とは?
<最低限のマナーやルールを意識しつつ、戦えるフィールドを作る>
--最近はアイドルも厳しい時代に突入してきましたね。
荒井玲良:私は元々海外やファッションが好きで、アイドルに詳しかったわけではなかったんです。ほとんどゼロの状態からスパガの活動を通して知った人間なのですが、やっぱりアイドルはアーティストともちょっと違うし、ライブもファンの方とのあり方も独特の世界観がありますよね。
たとえば浅川(梨奈)はアイドルがずっと好きで現場にも行っている。その観点とも全然違いますし、メンバー11人それぞれの世界観、観点をどう集約して、SUPER☆GiRLSとして活かせる場を作るのか。今は“アイドルはこうあるべき”みたいな感覚では生き残れない、流れてしまうって5年間やってきた中で痛感しました。
--荒井さんはいわゆるアイドルファンが求めるかわいらしさよりも、女性らしい美しさを提示していく存在だと思います。そうしたアプローチは周囲から勘違いされてしまうことも多いのではないでしょうか。
荒井玲良:始まった当初、15歳の頃とかはそれを受け入れることが難しくて、「アイドルだからこうしろ」とか言われたくなかったですし、求められているものがわからなくて。アイドルという固められたイメージが強いと感じていたから、余計に反発しちゃいました(笑)。
もちろんあみた(=前島亜美)のように、That'sアイドルっていう子がいるのは大事だと思います。でも、だからといって私が妹系アイドルを目指したとしても敵わない。アイドルとして活動している以上、最低限のマナーやルールを意識しつつ、その中で戦えるフィールドを作っていくのが大事だなって。
そう気づいてからは、周囲の意見を飲み込んだ上で自分ができるアプローチをディスカッションできるようなって、意識が変わりましたね。肩の荷が下りたというか、全体的に丸くなったというか(笑)。
<塩対応には裏がある?「基準は人それぞれ」>
--大人になった?
荒井玲良:丸くなって人間味が出たなって(笑)。私はガクッと落ちた時もあって、上と下を体験したと思っているんですよ。その中で見つけたものもあるし、色んなことが今に繋がっていると思います。ファンの方々、スタッフさん、メンバーと周りの人たちに教育していただいた5年間だったなって、今なら思えますね。
--一番下だった時期っていつくらいですか?
荒井玲良:アルバム『Celebration』から『空色のキセキ』くらいまで……。
マネージャー:長っ! 1年じゃん(笑)。でも、確かにずっと悩んでいる印象はあって、「がんばらなきゃ……、でも……」みたいな状態が激しかったよね。
荒井玲良:苦しかったですね。アイドルとして活動している自分、スパガでいる自分はグループに何を残せているんだろうと振り返った時に、何も思い浮かばなかったんです。そんな自分にイライラしていたし、高校を卒業して環境も変わる中で上手く対応できず人間不信になったりとか。仲が良いスパガでもぶつかる時はやっぱりあって、その中で気力を失ったり、落ちたり……。
そういうものが続いた時期だったので、やっている意味がわからなくなって、すごくきつかったです。それでもアイドルである以上「ステージでニコニコしてなきゃ!」って……、不健康だったと今にして思いますね。
<荒井玲良の夢「いつかは前に出られなくなっても良い」>
--荒井さんは勘違いされやすい所もありますが、先日のアイスト検定で高得点を獲得したりと、チームやグループへの愛を感じさせる一面も少なくありません。
荒井玲良:案外そうなんですよ(笑)。私は「適当」「興味がない」「アイドルとして真剣に活動してない」と言われることが多いんですけど、それには裏があることに気づいてもらえると嬉しいです。
たとえば(渡邉)ひかるちゃんやみやり(=宮崎理奈)はiDOL Streetのメンバーに詳しいですし、みんな確かにファミリーですけど、私はそこまで干渉できない。そうやって広く把握できているのは個性だと思うし尊重しますが、私は何も考えず興味がなくて覚えていないわけじゃないんです。それぞれ自分のキャラクターや持っているものを一番活かせる方法を実践すべきだと思っているので、それをわかってもらえると嬉しいですね。
--干渉しない=興味ないではないですからね。
荒井玲良:私はよく塩対応とか言われるんですけど(笑)、別に自分からそうしているわけではないんですよ。もちろんアイドルという観点からすれば足りていないんだろうし、私が改善すべき点のひとつではあるんですけど、それがスタイルになることもありますよね。AKB48のぱるる(=島崎遥香)さんとか。基準は人それぞれだから、自分をそこまで発信できるパワーを持った人にならなければいけないと思っています。
--なれると思いますか?
荒井玲良:ならなければいけないんです。もっとクリエイティブに考えていきたいし、セルフプロデュースできるようになりたい。それくらいできないと叶えられない夢があるので、もう一歩先まで考えていける人にならなければいけないなって思います。
--その夢とは?
荒井玲良:……どこまで話そうか迷いますね(笑)。元々スパガに入ったのは「芸能界に入りたい」「モデルや女優もやりたい」と思っていた時に、「モデルや女優もやれる子を集めている」というオーディションを見つけたのがきっかけだったんですけど、かといってそこに確固たる信念があったわけではなかったんですよ。
ただ、光栄なことに演技やモデル、バラエティなどに挑戦させていただく機会を与えられて、経験する中で思ったんです、プロデュースをしてみたいって。人を幸せにできて、その上で自分の表現したいものができる。そんな願望を実現させることを将来的な軸として活動したいと思っているので、いつかは前に出られなくなっても良いと思ってます。もっと自分のことを深く知って、世の中に発信する力をつけていきたいと思っています。
<アイドルはクリエイティブな力、周囲を魅了する力がある存在>
--では、そんな荒井さんが理想とするアイドルというのは?
荒井玲良:それを話すには、まず何をもってアイドルというのか。たとえば海外でアイドルと呼ばれる存在は、日本のアイドルと違いますよね。光栄にもモデルや演技をやらせてもらえて、その上でライブもとエンターテインメントの基をすべて網羅できるのが日本のアイドルだと思うんですよ。
それって凄いことだし良い所取りですけど、だからこそ言われたことをやっているだけのアイドルと、自分たちでやりたいことを発信して生み出していくアイドルとでは、魅力に差が出ると思います。スパガは後者にいなければいけないですし、私が思うアイドルはクリエイティブな力、周囲を魅了する力がある存在です。
--そういった理想を掲げる荒井さんから見て、今のSUPER☆GiRLSに足りないものは?
荒井玲良:ファンの方から求められているスパガを大切にしつつ、それぞれが生み出したものを取り入れて新たに巻き込んでいく。この2つのエネルギーが足りないと思います。スパガって守られてきているようなイメージが世の中にはあると思うんですけど、あんまりお固いイメージは必要ないんじゃないかなって。
ブランディングしていく上では必要なのかもしれないですけど、そこでファンの方との距離を遠ざけるのは違いますよね。アイドルである以上、ファンの方と近い所がなければ活動している意味がないですから、そこを大切にしつつ生み出すエネルギーをつけていかなければいけないと思います。
--荒井さんはクリエイティビティを重視する人なんですね。
荒井玲良:最近はライブ構成から衣装、グッズなどもスタッフさんと一緒にメンバーと揉み合って考えているから、ステージに立つモチベーションも高まっていますし、そういう気持ちを大切にしていくグループでありたいと思います。スパガとしてもっとエネルギーを発する方法を身につけた方がいいのかなって、メンバーと話していても思いますしね。
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