2015/05/15
ケニー・Gや故ホイットニー・ヒューストンなどの初期を支えた音楽プロデューサー、チャールズ・ハギンズ(69歳)に5月13日、西アフリカのダイアモンド鉱山とつながりがあると偽り投資家から大金をだまし取った罪で懲役10年の判決が下された。
マンハッタン連邦裁判所の検事は、出資者から800万ドル(約9億5,000万円)以上をだまし取ったハギンズに20年以上の懲役を求刑。彼を冷酷な詐欺師と表現していた。
裁判書類によれば、ハギンズは出資者の金を自分のレコードレーベルのひとつに流用したほか、マンハッタンのマンションの7,200ドル(約86万円)の家賃やメルセデス・ベンツの維持費、レストラン、高級ブティックなどの支払いに使ったという。
連邦検事補は“単なる金銭欲と、他人が苦労して手に入れた金を自分のために使うという欲望から起こした行為”だと言明。一方の被告側は、損害は230万ドル(約2億7,000万円)であり、ハギンズには6年以下の懲役が相当だと主張していた。
連邦地裁判事は、ハギンズが真面目な出資者たちにいかに重大な害を及ぼしてきたかは2014年の公判から明らかだと認めたものの、22年から27年という求刑は重すぎるとして懲役10年を科した。
裁判では前妻でソウルシンガーのメルバ・ムーアから彼を弁護するビデオの提出もあった。判決当日、何か言いたいことはと求められたハギンズは、ただ一言「今はなにもありません」と答えたという。
ハギンズはかつてニューヨークでHush ProductionsとOrpheus Inc.を経営し、当時新人だったヒューストンやケニー・Gと仕事をした。ところが事業がうまく行かなくなると、全米の投資家数十人に対し、貯蓄を西アフリカ産の金やダイアモンドに換えて利益を上げるウソの投資話を持ちかけたのだ。
裁判では、豪華なマンションを見たり、ホテルでの打ち合わせ時には個人的に付き合いのあるリベリア大統領のものだとするダイアモンドを見せられ、家族で160万ドル(約1億9,000万円)を投資したと話す証言者もいた。また、元NFLのフットボール選手、ケン・ハームリンも被害者として証言台に立った。
なお裁判書類には、受け取った金は自身のぜいたくな暮らしに使う一方、他の出資者への支払いに充てていたとする典型的な出資金詐欺の手口が記されている。
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