2015/03/28
2015年1月期クールの連続ドラマも、そのほとんどがフィナーレを迎え、テレビ朝日『相棒season13』、日本テレビ『○○妻』は、衝撃の結末で視聴者を驚かせてくれたが、“テレビ離れ”が叫ばれる事にも慣れてきてしまった。テレビドラマも視聴率は低迷を続けているが、起用されてきたドラマの主題歌たちはドラマのタイアップ効果はあったのか? なかったのか? ビルボードジャパンの総合楽曲チャート「Billboard JAPAN Hot100」でどのようなチャートアクションを見せていたのか、切り取ってみたい。
<月曜日>
TBS『警部補・杉山真太郎~吉祥寺署事件ファイル』
主題歌:GENERATIONS from EXILE TRIBE「Sing it Loud」(最高5位)
フジテレビ『デート~恋とはどんなものかしら~』
主題歌:chay「あなたに恋をしてみました」(最高6位)
※OP曲: ザ・ピーナッツ「ふりむかないで」
テレビ東京『太鼓持ちの達人~正しい××のほめ方~』
主題歌:GLIM SPANKY「褒めろよ」(最高20位)
日本テレビ『マジすか学園4』
主題歌:AKB48「マジすかFight」(チャートイン記録無)
※OP曲:AKB48「ヤンキーロック」(チャートイン記録無)
フジテレビ『イタズラなKiss2~Love in TOKYO』
主題歌:Cyntia「Kiss Kiss Kiss」(最高49位)
まずは月曜日。その中でも“月9”と根強いブランド力を持つ、この枠では昨年の朝ドラ『ごちそうさん』に出演し、高視聴率を記録した杏を主演に据えたラブコメディ『デート~恋とはどんなものかしら~』が放送。主題歌は初の“月9”と沸いたchay 「あなたに恋をしてみました」が起用された。杏とchayは同所属しており、大人の事情も見え隠れしてしまうが、ラブリーな楽曲はドラマの雰囲気にきっちりマッチ。リリース週に8位、最終回放送週には6位まで上昇する結果となり、昨年リリースした「I am」の17位から記録を大きく伸ばした。YouTubeで公開したミュージックビデオもショートバージョンながら記事執筆時点で400万回に迫る再生回数を記録している。
また、新人が起用されたパターンでは昨年デビューしたばかりのGLIM SPANKYが、テレビ東京『太鼓持ちの達人~正しい××のほめ方~』の主題歌「褒めろよ」で最高20位をマーク。様々なアーティストから称賛を受ける彼らだが、デビュー作はチャートインすることが出来なかった為、これで大きく踏み出すチャンスを掴むこととなっただろう。そして、新シーズンでテレビ東京から日本テレビへと放送局を変え、AKBファン以外にも驚きを与えた『マジすか学園4』。主題歌となる「マジすかFight」と「ヤンキーロック」だったが、最新シングル「Green Flash」のカップリング曲となってしまい、チャートイン記録は無し。両楽曲共に、ちょっと地味だった「Green Flash」よりキャッチーな楽曲で、人気が出そうだっただけに残念。
TBS『警部補・杉山真太郎~吉祥寺署事件ファイル』は、59年続いたTBS月曜20時ドラマ枠のラスト作品で、谷原章介が本作で意外にも民放連続ドラマ初主演と話題も多かったが、視聴率は全話1ケタに。主題歌はGENERATIONS from EXILE TRIBEの「Sing it Loud」で最高5位を記録。好成績となったが、「BURNING UP」で3位にチャートインしたこともあるだけに、タイアップ効果は薄かったようだ。
<火曜日>
フジテレビ『ゴーストライター』
主題歌:androp「Ghost」(最高26位)
※OP曲:三浦大知「Unlock」(最高17位)
フジテレビ『銭の戦争』
主題歌: SMAP「華麗なる逆襲」(最高1位)
TBS『まっしろ』
主題歌:miwa「fighting-φ-girls」(最高6位)
NHK総合『全力離婚相談』
主題歌: 安藤裕子「人魚姫」(チャートイン記録無)
※挿入歌:Lonesome Strings and Mari Nakamura「The Cuckoo Bird」(チャートイン記録無)
火曜日分で、トップを記録したのはやはり、フジテレビ『銭の戦争』だ。韓国で高視聴率を記録したドラマを日本版として制作。韓国語が得意な草なぎとあって、ハングルも飛び出すかと思いきや、全編日本語の復讐劇。特筆する話題性は薄かったが、主演の草なぎをはじめ、出演陣の見応えのある演技とストーリーは高評価を受け、最終回で最高視聴率を記録。主題歌はもちろんSMAP。物語とリンクする内容となった「華麗なる逆襲」はきっちり最高1位を獲得。SMAP不敗神話はまだまだ続く。
『銭の戦争』と同時間に放送されていたのが、TBS『まっしろ』は、主演の堀北真希を筆頭に高梨臨、菜々緒、木村多江など美女勢がずらりと並びナースコスチュームで登場と絶妙のキャスティングだったはずが、残念ながら最終回まで視聴率2ケタに届かず。番組プロデューサーの謝罪ツイートも話題に。その主題歌は、現在、向かう所、敵ナシで活躍を続けるmiwaの「fighting-φ-girls」で最高6位にチャートイン。ドラマに合わせてミュージックビデオでナース姿を披露し、ファンを喜ばせてくれた。数々のヒット曲を持つ彼女だけに、最高位の記録更新はならず。
そして、フジテレビ『ゴーストライター』にはandropの「Ghost」が起用。これまでにも日本テレビ『Woman』、TBS『家族狩り』、映画では『鈴木先生』など、どっしりしたタイプの作品に主題歌抜擢が続く人気バンドになったandrop。フジテレビが苦戦する火曜21時枠のドラマ枠とあって、視聴率は初回の2ケタを記録したが、2話以降は1ケタに。主題歌も最高25位と記録更新はならなかったが、まずまずのチャート結果に。因みにフジテレビの火曜21時のドラマ枠は本作で最後となる。
<水曜日>
テレビ朝日『相棒season13』
主題歌:無
フジテレビ『残念な夫。』
主題歌: ユニコーン「はいYES!」(チャートイン記録無)
日本テレビ『○○妻』
主題歌: 椎名林檎「至上の人生」(最高8位)
tvk『びったれ!!!』
主題歌:あゆみくりかまき「鮭鮭鮭」(最高31位)
衝撃のエンディングを迎えたドラマが並ぶ水曜日ドラマ。テレビ朝日『相棒 season13』は3代目の“相棒”であった成宮寛貴演じる甲斐享が、まさかの犯罪者で逮捕されるという結末は、最終回放送後、大炎上。最終回も20%超えを記録したが、主題歌設定は無し。
もうひとつの衝撃エンディングは、日本テレビ『○○妻』。こちらはヒロインである柴咲コウ演じる妻・ひかりが襲われて死亡してしまうというもの。近年では『家政婦のミタ』や『純と愛』といったヒット作を生み出してきた脚本家、遊川和彦によるドラマとあって、想像のナナメ上をいった結末にこちらも大きく話題となった。主題歌はTBS系ドラマ『ATARU』以来、久々のドラマタイアップとなった椎名林檎の「至上の人生」。ドラマの為に書き下ろされた楽曲とあって、エンディングで流れ出した際の相乗効果は抜群。個人的には名越由貴夫のギターが素晴らしいの一言。チャートでは最高8位と最高記録更新はならなかったが、きっちりヒットしている。
音楽面で話題となったドラマが、産後離婚をテーマとしたホームコメディドラマ『残念な夫。』(フジテレビ)だ。ドラマ内で使用される音楽は主題歌から挿入歌まで全てがユニコーン。1話から「ペケペケ」「パパは金持ち」「大迷惑」など懐かしい楽曲が続々と流れた。主題歌となった新曲「はいYES!」はシングルリリースがなく、残念ながらチャートイン記録は無し。しかし、劇中使用曲が収録されたサウンドトラックはアルバムチャートで30位と健闘。ドラマの視聴率は、“ダメな夫”と言われたくない男性陣を味方に出来なかったのか、全話1ケタとなってしまった。
まだまだ話題作の多かった1月期ドラマ。木曜日~その他のドラマについては後編でお届け。最もタイアップ効果があったのはどのアーティストか?
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