avex初のアイドル専門レーベル iDOL Streetに所属する9人組 Cheeky Parade（略称：チキパ）が、2月19日に渋谷 DDD青山クロスシアターにて結成3周年を記念するライブイベントを開催し、2015年に向けての悲愴な覚悟を表明した。

＜ビッグトピック連発の昨年を超え、節目を彩るアニバーサリー＞

　昨年秋にニューヨーク最大の音楽と映画の祭典【The 3rd Annual CBGB Music ＆ Film Festival】（以下、CBGB）へ出演。その後はフジテレビ『SMAP×SMAP』『バイキング』、TBS『はやチャン！』、そして年明けの日本テレビ『行列のできる法律相談所』と地上波への露出も相次いだ。

　2012年の結成以来“ライブが命”をお題目に、隆盛を極めたアイドルシーンで奮闘を続けてきた。そうした活動をファンやスタッフと共に祝うイベントが、この日開催された結成3周年記念ライブ【Cheeky Parade 3周年の集い】だ。

　会場入口には、ファンからプレゼントされた高さ3mを超える巨大なデコレーションフラワースタンドを設置。オフィシャルグッズとして3周年記念アイテムも販売されるなど、会場は祝祭ムード一色だ。イベントは昼すぎと夕方の2回公演となったが、どちらも客席は超満員の観衆で埋まった。

　イベントでは、代表曲を畳みかけるライブアクトに加えて、結成当時を振り返るトークやフリップを使った答え合わせクイズなど、多彩な演出が盛り込まれていた。また、衣装も結成やメジャーデビュー当時の物を久しぶりに使用し、アンコールでは3周年の感謝を伝える「HAPPY DAYS」で感動の幕引きと、アニバーサリーに相応しいステージだった。

＜Cheeky Paradeに立ちはだかる「大きな壁」＞

　ただ、その一方で、今のCheeky Paradeが迎えている苦境が浮かび上がっていたのも事実だ。公演2回目のアンコール時、メンバーが一言ずつ感謝を伝えていくはずシーンでリーダーの関根優那は、「Cheeky Paradeは今、大きな壁にぶち当たっている」と吐露した。

　昨年から大きなトピックが続いていることを思えば、不思議に思う人もいるだろう。しかし、現在のシーンでCheeky Paradeが存在感を示しているかと問われれば、首を横に振るファンは決して少なくない。

　それは鈴木真梨耶の「このままじゃいけない」や、島崎莉乃の「世間から本当に色んな見られ方があると痛感した1年」という言葉からも顕著だ。3周年という華々しい舞台にも関わらず、ステージ上の9人からは現状を憂える言葉が続いたのだ。

＜一番の苦境は2014年。漂う不安に、島崎莉乃が放つ一言＞

　メンバーに話を尋ねてみると、3年間の中で一番辛かった時期は「この1年」と口を揃えた。日本人アーティスト史上初めてCBGBの舞台に立ち、お茶の間まで広めるチャンスの地上派出演が相次いだ、そんな1年間が最も辛かったというのだ。

　こうして挙げた現状を見ると、Cheeky Paradeはだいじょうぶなのかと不安になるかもしれない。しかし、ここで特筆したい一言がある。今後について訊ねた時の島崎莉乃の返答だ。「なんかもう、周りの言うこと聞いててもしょうがないなって思うんですよね」。

＜Cheeky＝小生意気。チキパがチキパである理由とは＞

　自分たちのやりたいことをもっと主張して、周りの意見に流されない強い意志を持つ。今までが良い子すぎたと反省する彼女の言葉は、ともすれば多くのチキパファンが待ち望んでいる覚悟ではないだろうか。

　Cheeky Paradeの“Cheeky”とは、日本語で小生意気の意味を持つ。鈴木友梨耶は今年の抱負として、お笑い芸人 クマムシの名を挙げ、より“あったかいんだからぁ♪”なライブをすると豪語したが、ブレイク中の著名人にやんわり噛み付いていくのもチキパらしさだ。小生意気で攻撃的というキャッチフレーズのもと、ハイレベルな歌、ダンスを武器に暴れ回る。それこそがCheeky Paradeのライブだったはずだ。

　この春には大阪と名古屋にて初のワンマンライブを控えているが、「まだ不完全燃焼」と語る9人の瞳は未来を見据えて熱く燃えている。節目を超えた4年目に、何をどう変えられるのかはまだわからない。それでもやっぱりこれからも注目したい、そう思わせてくれるCheeky Paradeは何とも不思議な存在だ。

◎Cheeky Parade 3周年記念インタビュー
2015年2月19日（木） 【Cheeky Parade 3周年の集い】にて

－－3周年を迎えた今の心境は？

小鷹狩百花：結成がついこの間のようです！ （メジャーデビューシングルで2012年1月に発表した）『BUNBUN NINE9’』のMV撮影の風景が今も頭の中にあるくらい、3年も経ってなさそうに思えるくらい早かったですね！

－－ただ、この3年は順風満帆ではありませんでした。一番辛かった時期は？

鈴木真梨耶：正直、この1年ですね。大きなライブをやらせていただくチャンスをたくさんいただけた1年だったので、集客が足りなかったとかもの凄く焦ったし、チャンスが逃げていってしまいそうで色々考えました。

渡辺亜紗美：何でもやる気じゃなくて数字になるじゃないですか。結果を残さなければいけないっていうプレッシャーがあって、インディーズの時はファンの方と楽しめればいいっていう考えだったんですけど、それだけじゃいけないっていう現実。数の結果は変えられないので、意識するようになったというか。

関根優那：背負う物が増えたというのが大きいですね。チキパの夢は自分たちだけの物ではないんだなって、3年かかって分かったというか。絶対に叶えなければいけないという使命みたいな感じですね。

－－4年目のCheeky Paradeは何を見せてくれるのでしょうか？

山本真凜：今まで全力でがんばってきたんですけど、まだ不完全燃焼というか、自分たちの目指している所まで行けていない。4年目はもっと近づけるように、歌もダンスもスキルアップしていきたいし、チキパの個性をたくさんの人に伝えていきたい。普段来られない人のためにも、色んな所でライブしたいです！

溝呂木世蘭：4年目は違うチキパというか、ライブももちろん、もっと個性を出したことをしたいと思います！

島崎莉乃：なんかもう、周りの言うこと聞いててもしょうがないなって思うんですよね（笑）。チキパはチキパなんだから、自分たちがやりたいことをもっと主張してもいいのかなって。今までが良い子すぎたんじゃないかなって、ちょっと反省してます。

－－いいですね！

島崎莉乃：周りの意見に流されないような強い意志を持っていかないといけないなって、3周年を迎えて思いましたね。周りの環境とかもありますし、もっと自分たちを出していかないとなって。

鈴木友梨耶：今回のライブはセットリストや企画もチキパが考えたんですよ。3周年を迎えて色んなことを知って、やらせてもらえることが増えて。これから衣装とか楽曲とかにも携わっていけたらなって。そうやってチキパを確立します！ クマムシさんの『あったかいんだからぁ♪』に対抗して、Cheeky Paradeはもっとあったかいライブができるぞって書いておいてください！

－－では、最後は日菜さん、まとめてください。

永井日菜：…………We can do it！

撮影：杉岡祐樹

◎Cheeky Paradeイベント情報
【Cheeky Parade SPRING LIVE 2015～CHEEKY UNSTOPPABLE～】
2月28日（土） 大阪BIG CAT
1部 開場 12：30 / 開演 13：00
2部 開場 16：30 / 開演 17：00
3月1日（日） 名古屋Bottom Line
1部 開場 12：30 / 開演 13：00
2部 開場 16：30 / 開演 17：00
【Cheeky Parade Talk＆Live チキパのオキテ Vol.13】
3月15日（日） 東京 文化放送メディアプラスホール
【SHIGA IDOL COLLECTION × J-GIRL POP WAVE supported by 生メール】
3月22日（日） 滋賀 野洲文化ホール大ホール
【日帰りバスツアー「チキパの遠足～BBQ編～」】
3月28日（土） 群馬県某所　※JR新宿駅周辺
【＠JAM THE WORLD 春のジャムまつり！】
3月29日（日） 新宿BLAZE
【iDOL Street Carnival 2015 ～GOLDEN PARADE!!!!!～】
4月29日（水・祝） 東京 NHKホール