2015/02/24
舘野泉のコンサート【奇跡の左手】が2月20日、東京オペラシティ コンサートホールにて開催され、終演後ステージ上にて記者懇親会が行われた。
舘野泉は世界各国で3500回以上もの公演を行うフィンランド在住のピアニスト。2002年のリサイタル中に脳出血でステージに崩れ落ち右半身不随となるも、約2年間のリハビリを経て左手のみでのピアノ演奏にて復帰を果たした。
彼の左手一本から紡ぎ出される美しい音色には聴衆のみならず多くの作曲家が魅せられ、委嘱される作品は後を絶たない。そんな作曲家の活動を支援すべく、2006年には「左手の文庫募金」が立ち上げられ、2014年までに36曲の新作が生み出された。また、当日の公演でもエスカンデ、光永浩一郎、cobaらが舘野に捧げた作品が演奏された。
記者懇親会には、舘野の活動を支える作曲家の1人である吉松隆も出席し「現代作曲家の作品が演奏される機会が少ない中、舘野さんとはこのように長い付き合いをさせていただき、(自分の作品を目の前で演奏していただけるのは)ある種理想郷のよう。」と語った。6月3日に開催される【舘野泉 ピアノリサイタル】では吉松による「KENJI…宮沢賢治によせる」の世界初演も予定されており、本作について吉松は「宮沢賢治の初稿の作品から、銀河鉄道の夜まで6~8作の宮沢賢治作品をコラージュする予定」と紹介した。
その他にも舘野は、世界各地の作曲家とともに進行中の作品を紹介し、「こうやって自分で開拓しながら演奏を続けていくという生き方もあるんだなと思っている。」と述べた。今後は国内外での公演の他に、80歳を迎える2016年に池辺晋一郎やラヴェルなどピアノ協奏曲4作品を取り上げた記念コンサートも予定されている。
◎公演情報【舘野泉 ピアノリサイタル】
日時:2015年6月3日(水)19時開演
会場:東京オペラシティ コンサートホール
出演:舘野 泉 (ピアノ)、小山 実稚恵(ピアノ)、二宮 和子(クラリネット) 、多井 智紀 (チェロ)、柴田 暦(ヴォーカル)
more info:http://goo.gl/e0AMwO
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