2015/02/20
2015年2月から3月にかけて、錦織健プロデュース・オペラ Vol.6 モーツァルト作曲『後宮からの逃走』が全国で8公演にわたって開かれる。歌の部分は原語であるドイツ語上演だが、芝居の部分は日本語で進められる。プロデューサーの錦織健が「誰もが楽しめるオペラを」「少しでも多くの人にオペラを身近に感じて欲しい」との願いから始まった企画ならではの工夫が、舞台の随所に施されている。公演を間近に控え、出演者が全員揃っての通し稽古などが連日行われている。
トルコを舞台にした異国情緒たっぷりのドタバタ劇。海賊の手に落ち、トルコの大守の後宮(ハーレム)捕らわれてしまった婚約者コンスタンツェを救おうと、スペイン貴族のベルモンテが後宮に忍び込み、ドタバタ救出劇を繰り広げる。軽妙なやりとりに思わず笑ってしまったり、重苦しい心情に同情したり、意外な展開に驚いたり。客席のお客さんとダイレクトにやりとりしたい、というプロデューサーの思いから、台詞部分は日本語上演となっている。心情一杯に歌い上げるアリアのドイツ語が、より一層胸に迫ってくることだろう。
ベルモンテ役にはプロデューサーでもあるスター、錦織健。コロラトゥーラソプラノの超絶技巧を要求されるコンスタンツェ役には佐藤美枝子。ブロンデ役には美貌と繊細な表現とを兼ね備えた市原愛、ベルモンテやオスミンと丁々発止のやりとりを繰り広げる高柳圭、モーツァルトが一番低い音を使ったとされ美しく深みのある表現を求められるオスミン役には志村文彦、そしてなんと歌わない太守役には日本のオペラ界を牽引してきたバリトン池田直樹が重厚に響く低声で参加するなど、豪華なメンバーが揃った。
本公演は2月22日の越谷公演を皮切りに、静岡、栃木、神奈川、東京、大阪、福岡と全国ツアーを行う。モーツァルトがまだ20代のうちに書いた、勢いと溌剌さに溢れる名曲揃いのオペラ。ヨーロッパでは人気の演目だが、超絶技巧や難曲揃いとあって上演はたいへん難しい。豪華メンバーで堪能できるこの機会を見逃さないよう、是非近くの会場に足を運んで欲しい。text:yokano
◎公演情報
モーツァルト 歌劇『後宮からの逃走』
原語上演(語り:日本語)/日本語
日時:
2015年02月22日(日) 14時開演 サンシティホール
2015年03月13日(金) 18時30分開演 東京文化会館
2015年03月15日(日) 14時開演 東京文化会館
他、全国ツアー
more info:http://goo.gl/gSwc2f
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