MTVビデオ・ミュージック・アウォードではKANYE WESTが受賞スピーチを邪魔したのよりもっとおかしなことが起こるときがあるのだ。

たとえば、2008年のVMAでの一幕。ハリウッドのパラマウント・スタジオのレッドカーペットを歩く有名人たちは巨大なトラックのてっぺんに載って
登場したド派手な髪型の4人のティーンエイジャーたちに気を悪くした。トラックの車体に大きな字で書き付けられたバンド名は、アメリカ以外の国ではすでに有名だった。これこそTOKIO HOTELの到来を告げる瞬間だったのだ。

それまでのところ、エレクトロ・ゴス・グラム・エモのボーイ・バンド、TOKIO HOTELはBILLBOARD 200の最高位39位にとどまっており、MTVアウォードにノミネートされたのもファンの投票によるカテゴリーだったためと思われる。しかも他にノミ
ネートされているのがMILEY CYRUS、KATY PERRY、JORDIN SPARKS、TAYLOR SWIFTでは彼らに勝ち目はなさそうだった。

「私たちはMTVアウォードを外の巨大スクリーンで見ていました」とバンドのアメリカのレーベル、チェリーツリー・レコードの社長は言う。「まさか彼らが獲るとは思っていなかったので、受賞の発表に半狂乱になってしまいました」

バンドもほとんどの観客も同様に仰天して口がきけなかった。しかし、シンガーのBILL KAULITZの受賞スピーチを邪魔するものは誰ひとりいなかった。

「正直言って、誰かがステージに上がって来るにはピッタリの瞬間だったはずだよ」とKAULITZはその1年後に振り返って言う。「オレはVMAのステージに上がって、全然口がきけなかったんだから」

実際彼らはひどく酔っぱらっていたとか。「アメリカじゃオレたちは21歳になるまで飲んじゃいけないんだけどね！」