2014/12/15
今から2年前『だからさ ~acoustic version~』で鮮烈なアーティストデビューを果たした新山詩織。デビュー日である12月12日 代官山UNITにて【新山詩織 アーティストデビュー2周年記念ライブ「しおりごと~acoustic version~」】を開催した。
<「皆さんと一緒に過ごせる。本当に幸せです」>
「代弁するとか、あからさまに背中を押すとかじゃなくて……ただ隣にいるだけ」そういう音楽を届けたいと、弱い自分と対峙しながらも音楽シーンで戦っていく人生を選んだ彼女の歌は剥き出し。その印象を決定付けた0thシングルナンバー「だからさ」で2周年記念ライブの幕は開いた。自らの声とギター、ギタリストとキーボーディストのアコースティック編成で披露されたそれは、2年前の衝撃を生々しく思い出させる。それでも ずっと 隣にいて 笑っていて そうしたい―――。純度の高い音楽と時間。「アーティストデビュー2周年。記念の日にいつも応援して下さってる皆さんと一緒に過ごせる。本当に幸せです」本当に嬉しそうだ。
<この2年間「頭掻き毟りたくなっても、目を閉じたくなっても」>
しかしこの幸せな時間に到達するまでの彼女の音楽人生は決して順風満帆ではなかった。苦悩と希望を乗せた楽曲群を弾き語りつつ、彼女はこう語る。「この2年間は凄い壁にぶち当たることもあれば、その壁を突き破って一歩一歩前へ踏み出していく。その繰り返しでした。…………どんなに歌詞を書いてて言葉が出なくても、頭掻き毟りたくなっても、目を閉じたくなっても、それでも前に進めたのは皆さんからの本当に数え切れないメッセージやお手紙、その素直なひとつひとつの言葉が自分の背中をポンと押してくれて、本当にそのおかげで今もこうしてどんどん進めていけてると思っています。ありがとうございます」
<学生生活「たくさん笑わせてくれたし、たくさん泣かしてくれた」>
そして「今年の3月に学生生活から抜け出しました。今となっては学生生活時代に嫌なことだったりとか、苦手なことだったりとか、今となっては小さい思い出に変わってしまい…………でもみんなで食べたお弁当とか、他愛のない話で大笑いしたりとか、ちょっかい出し合ったりとか、なんか気まずい雰囲気になったりとか、そういうのが“もう味わうことないんだなぁ”と思うと、スカっとした気持ちもあれば、ちょっと愛しくもなります。学生生活はたくさん笑わせてくれたし、たくさん泣かしてくれた」と、学生生活の中で生まれた想いをぎゅっと込めた楽曲たちも披露。ちょっとほろ苦くて、誰もが通ってきた道の歌に会場は支配される。
<Cocco「Raining」を歌った際の衝撃>
また、後半では、キャロル・キングやタイマーズ、SUPER BUTTER DOG等の名曲カバーもお届けしたのが、Cocco「Raining」を歌った際の衝撃。多くの女性アーティストがライブカバーしてきたナンバーだが、新山詩織ほど相性の良さを感じさせるものは聴いたことがなかった。声質も世界観も生き様も、ちゃんとこの歌に選ばれる理由を物語っている。ぜひ本人に聴いてみてほしい、聴いて驚いてほしいレベルのカバーだった。そんな本当の意味でのサプライズを経て、本編は最新シングル曲「絶対」で終了。学生生活を抜け出しても、そこにはまた新たな戦いが待っていて、どうしたってひたすら足掻きながら生きていくしかない。そのことを痛感した新山詩織による“意思表明の歌”に鼓舞させられる。
<新山詩織なりの光の歌>
そしてアンコールはサポートメンバーによる「White Christmas」でスタート。そのハートフルなムードに包まれたままみんなとハンドクラップしながら「「大丈夫」だって」を歌い出す。そして最後はメジャーデビューシングル曲「ゆれるユレル」をエモーショナルに叩き付けた。周りの目を もう気にしないで 踏み出せばいい――― 新山詩織なりの光の歌。ぜひこれから先も何度も何度も響かせてほしい。「ありがとうございました! またライブでお会いしましょう!」
取材&テキスト:平賀哲雄
◎ライブ【新山詩織 アーティストデビュー2周年記念ライブ「しおりごと~acoustic version~」】
12月12日(金)代官山UNIT セットリスト:
01.だからさ
02.Looking to the sky
03.ひとりごと
04.今 ここにいる
05.午後3時
06.きらきら
07.分かってるよ
08.ピアノ
09.たんぽぽ
10.I Feel The Earth Move
11.デイドリーム・ビリーバー
12.Raining
13.サヨナラCOLOR
14.Don't Cry
15.絶対
En1.「大丈夫」だって
En2.ゆれるユレル
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