2014/11/28
世界屈指のバレエ団、ボリショイ・バレエが来日中だ。名古屋で行われた公演『ドン・キホーテ』より、最新の公演の様子が届いた。東京では12月6日から2日間、3公演が予定されている。
舞台はスペイン、バルセロナ。騎士道物語の読み過ぎで妄想に陥ってしまったドン・キホーテと、おつきの“太鼓腹”サンチョ・パンサが狂言回しとなり、チャーミングな町娘キトリと、その恋人バジルの婚礼をクライマックスに、物語は進行していく。
出演する民衆の一人一人が全て「生きたキャラクター」として描かれるようになったのは、まさにこのボリショイ・バレエに於いて、振付家アレクサンドル・ゴールスキーがリアリズム演劇を取り入れ、大胆に振り付けを改訂したことによるものだ。『ドン・キ』は世界中に沢山の版があるものの、ほとんどのものはこのゴールスキー版に基づいていると言っても良い。今回は更に1999年、ファジェーチェフによって改訂された版での上演となる。
今回の来日では、劇場付きの管弦楽団も伴っての、完全引っ越し公演だ。世界一わかり合っているパートナー同士で紡ぎ合う、音楽と踊りのアンサンブル。古典を知り尽くした信頼関係によって結ばれたパフォーマンスからは、確立され安定した美と同時に、常に発見され付加される新鮮さが、新しい感動を呼び覚ましてくれるだろう。
既に披露された古典中の古典『白鳥の湖』公演は、連日満席の観客による万雷の拍手にて幕を閉じた。この後続いての公演は、古代インドを舞台に舞姫と戦士の恋を描く、エキゾチックな舞台が魅力の『ラ・バヤデール』、そして今回紹介した“十八番”『ドン・キホーテ』の2演目だ。どちらも、舞台の一人一人が真に生きた人物たちであることを実感させてくれる、ボリショイ・バレエの多彩な魅力を実感出来る舞台となるだろう。text:yokano
◎ボリショイ・バレエ 公演概要
『ラ・バヤデール』
2014年12月3日(水) 18:30 【売切れ】
2014年12月4日(木) 12:00開演&18:30開演
音楽:ルードヴィヒ・ミンクス
原振付:マリウス・プティパ
改訂振付:ユーリー・グリゴローヴィチ(2013年版)
http://www.japanarts.co.jp/bolshoi2014/bayadere.html
『ドン・キホーテ』
2014年12月6日(土) 12:30開演&18:30開演
2014年12月7日(日) 14:00
http://www.japanarts.co.jp/bolshoi2014/dq.html
撮影:瀬戸秀美
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