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2014/11/25

バスティアン・ベイカー 曲、歌、ルックス三拍子が揃った単独公演に目も耳も釘づけ

   9月に彗星のごとく登場し、瞬く間に日本の洋楽ファンのハートをつかんだスイスが誇る超大型新人、バスティアン・ベイカーの日本ツアーのファイナルが11月19日、渋谷duo MUSIC EXCHANGEにて行われた。

 モデル、女優としても活躍しているIZUMIがオープニングアクトで暖めた会場を見渡すと、やはり彼の甘いルックスと歌声に惹かれた女性ファンが多い。黄色い歓声に迎えられたバスティアン・ベイカーは革ジャンにジーンズのいで立ちで登場、9月にリリースしたアルバム『トゥー・オールド・トゥー・ダイ・ヤング』の人気曲「ユア・ザ・ワン」から「フォロー・ザ・ウィンド」を立て続けに披露してライブがスタートした。東京公演の前には名古屋、大阪と回った疲れも感じさせずハツラツと動き周り、伸びやかな歌声でオーディエンスを一気にくぎ付けにすると、着ていた革ジャンを早くも脱ぎTシャツ姿に。10代の頃はプロのアイスホッケー選手だったというだけあって、ガッチリとした分厚い胸板、丸太のような腕にざわつきが起こるとともに、ファンの視線はさらに熱くなった。

 ライブ中盤には「ギブ・ミー・ユア・ハート」やアルバム未収録の「Hallelujah」を弾き語りで披露。繊細なアルペジオと力強くも優しい、語りかけるような歌声は、強靭な体で優しく抱きしめられているような心地よさを覚える。見た目と歌のギャップにオーディエンスもまた恍惚としてステージのバスティアンを見つめ、聴き入っていた。

 MCでは「サイコ―」、「アリガトウゴザイマス」といった来日アーティストが使うありきたりなフレーズだけでなく、「ミズ、クダサイ」、「キミはカワイイ」、「カノジョイナイ」など覚えたて(?)の日本語を披露し、9月のプロモ来日時のインタビューで語っていたとおり、積極的にオーディエンスとコミュニケーションを図り会場の空気を作っていく。決してクールを決め込むことのないその姿勢と、バンドメンバーも交えたユーモアあふれるトークでハートウォーミングな雰囲気に包みながら、新曲「Leaving Tomorrow」も披露してくれた。

 ライブ終盤に差し掛かるとバンドもオーディエンスもボルテージを上げ、「プライム」ではバスティアンがステージを降りて1階席から2階席までを駆け巡るパフォーマンスでオーディエンスとさらに距離を縮め、バンドメンバーはステージ上を動き回ってアグレッシブなパフォーマンスを魅せつけた。ラストは「アーユーレディーフォー・ロックンロール?」と雄叫びを上げアルバムのリード曲「79 クリントン・ストリート」から「ダーティー・サーティー」を叩きんだ。アンコールでは日本盤ボーナストラックの「レット・ミー・ブリーズ」を披露し、大きな歓声と温かい拍手に包まれライブは幕を閉じた。

 軽快なフォーク・ロックから、穏やかなバラードまでを表情豊かに歌いあげるバスティアンの歌声はもちろん、写真も沢山アップしているのでぜひ目を通していただきたいが、真剣に歌う姿もMCで冗談を言って笑う姿もイケメン。まさに非の打ちどころのないシンガー・ソングライター、バスティアン・ベイカーが、歌、曲、ルックス、さらに「ニホン ダイスキー!」と叫ぶほどの日本への親しみとサービス精神、彼の持つすべてを惜しげもなく全力で見せつけた全18曲、100分に及んだライブは、目と耳に大きな癒しを与えてくれたのと同時に、彼とスイスのポップシーンの飛躍に大きな期待を抱かせてくれた。

【BASTIAN BAKER Japan Tour 2014】
名古屋 11月17日 名古屋Electric Lady Land
大阪 11月18日 大阪umeda AKASO
東京 11月19日 渋谷duo MUSIC EXCHANGE

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