2014/10/18
2011年にチャイコフスキー・コンクールで優勝し2013年にはカーネギーホールデビューを果たすなど、今最も注目のピアニストの1人、ダニール・トリフォノフが来日し、10月21日に都内にてリサイタルを開催する。
今回の来日ツアーでは7公演のリサイタルに加えて、ワレリー・ゲルギエフ指揮マリインスキー歌劇場管弦楽団とのチャイコフスキー「ピアノ協奏曲 第1番」にもソリストとして出演している。10月16日に協奏曲の公演を終えたばかりのトリフォノフは「日本のホールは、どこも音響が素晴らしい。昨夜の愛知県芸術劇場も同様で、非常に満足しています。」と答えた。
ゲルギエフについては「マエストロは、演奏する度に様々なアイディアを僕にくれます。マエストロとマリインスキー管とはヨーロッパなどで何度も共演していますが、どんな時も僕の演奏をカバーし、サポートしてくれる。非常に強い信頼を感じながら演奏することができます。」と述べた。また協奏曲での演奏とリサイタルの意識の違いについて質問すると「リサイタルでは、登場人物が自分しかいません。演奏中は作品と向き合い、心がどんどん内向的になっていくように感じます。一方、協奏曲はオーケストラと対話をしながら演奏しています。ソリストとオーケストラの掛け合いで音楽が進んでいくチャイコフスキーの時は特にそうですね。」と答えた。
10月21日のリサイタルでは3作品が取り上げられる。1曲目は、オルガン曲として非常に有名なバッハ「幻想曲とフーガ ト短調 BMW.542」をリストが編曲したもの。演奏会では、なかなか聴く機会が少ない作品の1つだ。2曲目に演奏されるベートーヴェン「ピアノ・ソナタ第32番」は、ベートーヴェンが最後に手掛けたソナタ。本作についてトリフォノフは「この世ではなく、あの世に行ってから書いたのではないかと思うくらい、芸術的にも創作という意味でも頂点を極めた作品。」と紹介した。
また最後に演奏されるリスト「超絶技巧練習曲」は、6番と7番をカットし、さらに曲順も変えて演奏される。「何度か全曲通して弾いたことがありますが、より音楽的な論理性を高める為に曲順を変えました。」と述べ、「リストに関わらずチクルスの中には、ある曲が入っている為に作品全体の流れを遮っていると感じることがあります。より一貫性を持たせるために、今シーズンはこの曲順で演奏しています。」と説明した。
「日本は どのコンサートホールも素晴らしく、演奏した後に大きな満足感を得ることができる。お客様も、熱心で温かい拍手をしてくださる方ばかり。」というトリフォノフ。日本食も大好きで、特にお気に入りの食べ物はお寿司だ。ツアー中は集中力を保つためにマッサージを受けたり、散歩をしたりとリラックスするよう心がけているという。「岡山では、とても美しい日本庭園を散歩しました。」
若き俊英ダニール・トリフォノフ来日ツアーの最終公演は、10月21日東京オペラシティ コンサートホールにて開催される。
◎公演情報『ダニール・トリフォノフ ピアノ・リサイタル』
日時:10月21日(火)19:00開演
会場:東京オペラシティ コンサートホール
More info:http://goo.gl/edIoGu
photo by Dario Acosta
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