2011/10/17
2000年を迎えた頃から、ボン・ジョヴィの活動は新たな局面に突入した。
そのシフトの結果、彼らはポピュラー・ミュージックのあらゆるカテゴリーにおいて莫大な成功を収めることとなり、ツアー、ヒット曲や音楽賞の数々、ブランド、複数のNo.1アルバムやDVDなど、驚くほど速いペースで生み出してきた。
しかしそれは彼らにとって、飽くまでも“次の段階”と呼ぶべきものであり、決して“最終段階”ではない。
激しい創作意欲、幅広い視野、そしてロックロール界のカリスマ的存在であるフロントマンのジョン・ボン・ジョヴィの存在を武器に走り続ける彼らは、今なお新たなマーケットを開拓し続け、新たなファンを獲得している。そして80年代に結成されたロック・バンドの多くが解散したり、新たなヒット曲を放つことを夢見ながら過去のヒット曲を演奏し続ける中、ボン・ジョヴィは今なお時代の先端を行くバンドであり続けているのだ。
もしボン・ジョヴィが株式だったら間違いなく“優良株”であり、目利きの投資家たちは強気で買い進めるはずだ。そしてボン・ジョヴィが企業の最高経営責任者だったら、芸術と商売が交わる微妙な部分をうまく切り盛りするに違いない。
先般ジョンは、直近の大規模ツアーから解放されてグラミー賞に輝くソングライター兼プロデューサーのジョン・シャンクスとともにL.A.で次のアルバムの新曲作りに勤しむ中、ホテルの部屋から電話をくれてこんなことを語っていた。
「商売は、飽くまでもアートの副産物だ。僕は金を稼ぐためにギターを弾き始めたわけじゃなく、演奏することに魅了されて習得しようと決めた。
それが結果的に僕のキャリアになったのは、音楽に対する情熱があったからに他ならない。そしてその結果生まれた“副産物”が成功へとつながり、今なお金を稼ぐことができている。多くのアーティストが自分の夢を達成できない中、僕らはラッキーだと思う」。
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