2014/09/04 11:15
今年4月に全米リリースされて以来、The Billboard Hot 100では最高位4位につけて現在もトップ10圏内、UKやカナダなど各国で1位と、今夏全世界的にヒットしているナンバー「Am I Wrong」。日本でも6月に配信リリースされ、好評を博している。この楽曲を手掛けたのは、アフリカ系ノルウェー人のシンガー・ソングライター・デュオであるニコ&ヴィンスだ。
コートジボワール系スウェーデン人のニコ・セルヴァ(ニコ)と、ガーナ系スウェーデン人のヴィンセント・デリー(ヴィンス)の2人は、2013年までエンヴィ(Envy)というユニット名のヒップ・ホップ・デュオとして活動していた。本国スウェーデンで2013年4月にダウンロード・リリースされた「Am I Wrong」も、当初はエンヴィ名義の作品であった。アフリカの大地を舞台に撮影されたMVがワールドワイドな話題を集め、2014年に入るとニコ&ヴィンス名義で更に多くの地域で再リリース。上記のとおり各地で脚光を浴びることになる。
エンヴィ時代(本国では2012年にアルバム『The Magic Soup and The Bittersweet Faces』)から既に、流麗なメロディを配したトラック群はニコ&ヴィンスの持ち味だったが、「Am I Wrong」は静かに沸き上がる情熱がまっすぐに落とし込まれたポップ・ソングとして耳馴染みの良い仕上がりになっている。無駄なく洗練された楽曲でありながら、アフロビートをスタイリッシュに解釈したリズム、アフロ・ブルース風の雄大な情景と哀愁を伝える旋律、そして土着感の強いコーラスがドラマティックに楽曲を盛り上げるなど、極めて濃密なミクスチャー・ポップ作品にもなっているのだ。この、豊富な情報量と洗練のバランスはニコ&ヴィンスの優れたセンスを証明している。
「Am I Wrong」の人気を支えているのは、その気高くしなやかな歌詞による部分も大きいだろう。ワーナー・ミュージック・ジャパンの公式YouTubeアカウントでは日本語訳付きMVもアップされているのでぜひご覧頂きたい。「予言するよ/いつか世界の頂点に立って 最高の気分を味わうつもりだ」「間違ってる、間違ってるのは俺だと 君が言うなら/正しくなんて 俺は正しくなんてなりたくない」という、孤独と隣り合わせのクリエイティヴな冒険に踏み出す姿勢が、強い哀愁を帯びた楽曲と綯い交ぜになって、触れる者の胸を熱くさせるのだ。
ニコ&ヴィンス名義としての初のアルバム『Black Star Elephant』は、日本盤が10月15日にリリース予定。あらためて自分たちの名前を前面に押し出し、ルーツへと立ち返って勇気と誇りを掘り起こした2人が、ヒップ・ホップというそれまでのスタイルに捕われず、新たなポップ・ミュージックの道を歩み始めた姿に、注目して欲しい。
Text:小池宏和
◎「Am I Wrong」MV
http://youtu.be/iPdtuFQ_LBw
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