2014/07/09
結成から約3年半にわたり音楽シーンの常識を覆し続け、近年最もセンセーショナルな異端児アイドルグループとして活躍してきたBiS。7月8日 横浜アリーナにて解散ライブ【BiSなりの武道館】を開催した。
<元メンバーも再集結 ミッチェル「急な仕事入ったんで帰ります!」>
解散1週間前に「チケット残り10000枚」と公言していた彼女たちだが、この日の会場には研究員(BiSファンの通称)をはじめ、様々なアイドルやアーティストのファンも集結し、なんと約8000人を動員。自転車で日本横断ツアーを敢行してきた蜜矢(http://bit.ly/VWBv9C)の90分以上にわたるオープニングアクトが終わると、約30分ほど押してBiSのライブは開幕した。まずはサキ様(ハンサム担当)デザインの衣装に身を包んだメンバー6人と、二度と同じステージに立つことはないと思われていた元メンバーたち(ユケ(特攻隊長)、りなはむ(アイドル担当)、ミッチェル(キモイ担当))の夢の共演で「nerve」を披露。ステージ袖まで来ておきながら「急な仕事入ったんで帰ります!」とミッチェル(現在OL)が逃げ出そうとする場面もあったが、いざステージに立てば各々がそれぞれの個性を爆発させながら感涙必至の光景を生み出してみせた。
<全49曲約3時間半の集大成ライブ 走馬灯のようなセットリスト>
その後、結成時はメンバーより少ない観客相手にライブしていたBiSをここまで持ち上げてきた功労者、マネージャーの渡辺淳之介とサウンドプロデューサーの松隈ケンタが登場し、何故かクイーンの「ウィ・ウィル・ロック・ユー」でもって会場をさらに温める。そして本気で世界を変えようとしたプー・ルイ(リーダー)を筆頭に6人のメンバーが再登場すると、いきなりラストシングル「FiNAL DANCE」で8000人をFiNALモードへと追い込み、一度3分ほどの休憩時間を挟んだものの、現在からデビュー時へと遡っていく走馬灯のようなセットリスト(全49曲)を約3時間半かけて駆け抜けていった。
渡辺淳之介が思わずステージ袖で涙したTHE YELLOW MONKEYカバー「プライマル。」、巨大スクリーンに6人の勇ましい姿を6分割で映し出し、エモーションを極限までに引き出した「ODD FUTURE」、歴代メンバーNo.1の怪物として暴れてきたサキ様が、モッシュの群れに突進して研究員の頭上で大狂乱した「IDOL」、会場がひとつになって歌い叫んだCHAGE and ASKAカバー「YAH YAH YAH」、プー・ルイとコショージ(味つけ担当)が騎乗位攻防戦を繰り広げた「パプリカ」、会場中の涙を誘った「サウザンボルト」「YELL」「太陽のじゅもん」「ONE DAY」「BiS」の流れ、全メンバーが横浜アリーナ中を疾走し、フレーミング・リップスばりのバルーン演出の中でサークルモッシュを巻き起こした「レリビ」、そしてプー・ルイが渡辺淳之介をステージへ引っ張り込み、この日最も美しい光景を創造した最後の「nerve」等、あらゆるライブ超人たちを相手に負け知らずのライブを繰り広げてきた、BiSの集大成と言えるパフォーマンスを存分に堪能させてくれた。
<各所に散らばるBiSメンバーに渡辺淳之介が見せる“夢の続き”>
終演後、スクリーンに歴代メンバーの名前と写真、そしてBiSに関わってきた人々に加え、世界を変えられちゃった研究員という言葉がエンドロールとして流れると、メンバーが袖から見守る中、渡辺淳之介が各メンバーの今後を報告。プー・ルイは引き続きLUI◇FRONTiC◆松隈JAPANで活動し、のぞしゃんとウイぽん(太鼓持ち担当)はNIGOと渡辺が手掛けるBILLIE IDLE(ビリー・アイドル)、サキ様はいずこねこのミズタマリとプラニメを結成。テンテン(殺し屋担当)はフリー、コショージはいずこねこプロデューサー サクライケンタによる新プロジェクト book house girl(仮)のメンバーになる。
この日も「死ね!」コールが巻き起こる等、嫌われ者を演じてきた渡辺淳之介だが、最後の最後に皆の転職先を決めたり、報告したりするあたり、彼ほどBiSを愛していた人もいなかったのかもしれない。ただ、解散ライブの翌日に下北沢シェルターで【元BiSなりのワンマンライブ】を開催すると緊急告知しちゃうあたり、彼が今後も悪徳マネージャーとして活躍していくことを確信させた。BiSの夢は終わったが、各所に散らばるBiSメンバーに渡辺淳之介、BiSに関わってきた人々がこれから見せてくれるであろう“夢の続き”。大いに期待してもらいたい。
◎BiS解散直後のメッセージ「解散した気分はどうだい?」
テンテン:いぇーい! みんなおめでとう! みんな本当に本当にがんばったよ。メンバーもみんなみんなおめでとう。がんばったね。
ウイぽん:やっとこさか、遂にか、とうとうか。いやぁー、よかったー。観てる人はいろいろ思うことはあっただろうけど、私たちの中ではやりきったし、金返せってさんざ言われたけど、私たちのこの状況でやれることはやりました。まぁでももうないんで。おつかれさまでした。冒険は終わってしまいました。だからここで死に切れなかった人は新たな死に場所を見つけてください。なんで、明日のライブは幽霊という形で。シェルターに怨念がおんねん(笑)
サキ様:うんあ!
コショージ:やだ。だってひとりでいるの嫌なんですもん。嫌だ。
のぞしゃん:実感ない。これからもずっとBiSで活動していく気がする、勝手に。そのうち寂しくなるのかな? ぼちぼち頑張ります。
プー・ルイ:解散してないと思う。全然実感ないもん、だって。普通に楽しくて、普通に気持ちよくて、そのまま終わった。スパパパンって終わったから解散の実感がない。まぁでも……かいさーん!!
取材&テキスト:平賀哲雄
撮影:粂井健太/河合太陽/内山直也
◎BiS解散ライブ【BiSなりの武道館】
07月08日(火)横浜アリーナ SET LIST:
00.nerve(feat.ユケ/りなはむ/ミッチェル)
01.FiNAL DANCE
02.プライマル。
03.nasty face
04.MMGK
05.error
06.マグマト
07.no regret
08.STUPiG
09.ODD FUTURE
10.Fly
11.Hi
12.DiE
13.MURA-MURA
14.BiSimulation
15.Hide out cut
16.あの頃
17.GET YOU
18.デモサヨナラ
19.IDOL is DEAD
20.ASH
21.BLEW
22.urge over kill of love
23.hitoribochi
24.I wish I was special
25.CHELSEA
26.PPCC
27.歩行者天国の雑踏で叫んでみたかったんだ
28.surival dAnce ~no no cry more~
29.IDOL
30.豆腐
31.primal.
32.ウサギプラネット
33.YAH YAH YAH
34.eat it
35.gugigi
36.animal
37.スピリットブレインシンドローム
38.マグノリア
39.My Ixxx
40.パプリカ
41.Give me your love 全部
42.サウザンボルト
43.YELL
44.太陽のじゅもん
45.ONE DAY
46.BiS
47.レリビ
48.nerve
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