2014/05/26
5月24日(土)、24日(日)の2日間にわたって東京・新木場若洲公園にて【TOKYO METROPOLITAN ROCK FESTIVAL 2014】が開催された。豪華出演陣のパフォーマンスに2日計4万人のロックファンが熱狂。
都市型の野外フェスティバルとして昨年スタートした本イベント、都内ながら規模も大きい。もちろんチケットは全ての券種が早々にソールドアウト。全国でフェスやイベントが乱立する中、初日から『METROCK』とプリントされたイベントTシャツを着て楽しむ人々が多数見受けられ、すでに安定したファンを獲得している様子だ。3つのステージを構えるが、頑張ればすべての出演アーティストを楽しめるのも魅力の1つだ。更にそのステージ間の距離が近いのも嬉しい。
巨大な風車が後方にそびえ立つWINDMILL FIELDのトップバッターはMAN WITH A MISSIONが務め、遠慮なしのハイボルテージなステージで幕開け。海沿いのSEASIDE PARKはWHITE ASHが登場し、切れ味鋭いバンドサウンドを鳴らす。これからのシーンを賑わせてくれる新世代なアーティスト勢が多数登場したNEW BEAT SQUAREは惑星アブノーマルでスタートした。
WINDMILL FIELDではきゃりーぱみゅぱみゅがヒット曲連発のファンタジーなステージを展開し、広場は一大テーマパークに変化。現代のポップアイコンとして輝く彼女はもう某ネズミキャラと同等の存在意義を持っているようだ。開演前からNEW BEAT SQUAREを入場規制させてしまうゲスの極み乙女。は今の勢いを表すようなパフォーマンスを披露。SEASIDE PARKではOKAMOTO'Sが直球のロックンロールでオーディエンスを踊り狂わせる。
病から復活した星野 源はWINDMILL FIELDに吹く風に溶け込むような美しいロックアンサンブルで聴く者を心地よく酔わせる。と思いきやカツラとサングラスを装備してホシケル・ジャクソンに扮して新曲「桜の森」を披露。きっちりネタも用意しくるあたりは流石。またしても入場規制のかかるNEW BEAT SQUAREではグッドモーニングアメリカがひたすらハイテンションにオーディエンスと暴れる。斎藤宏介復帰後初のステージとなったUNISON SQUARE GARDENもSEASIDE PARKを清涼感たっぷりなサウンドを鳴らし切った。
続いてWINDMILL FIELDには斉藤和義が現れ、ゆるく挨拶したかと思えば「やさしくなりたい」から「ずっと好きだった」とヒット曲のオンパレード。続々とオーディエンスが集まる中、フェスのテーマ曲にも聞こえる「メトロに乗って」もニクイ選曲だった。この日、NEW BEAT SQUAREの観覧を諦めた人も多かったのではないだろうか?ひたすた入場規制がかかり続け、キュウソネコカミもオーディエンスでびっちり埋め尽くした。SEASIDE PARKではmiwaがキュートで爽やかなナンバーを続々と
投下。タオル回しも炸裂する中、「Faith」ではライトハンド奏法も飛び出した。
18時を過ぎ、少し肌寒くなってきたWINDMILL FIELDにはTHE BAWDIESが登場。おなじみのガレージなR&RとR&Bで一気にヒートアップさせ、ノンストップで会場の温度を上げ続ける。絶賛入場規制中のNEW BEAT SQUAREの初日はアルカラでフィナーレ。SEASIDE PARKでも[Alexandros]がドライブ感たっぷりにバンドサンドを叩きつけ、オーディエンスを跳ねさせる。そして、WINDMILL FIELDには初日の大トリ、9mm Parabellum Bulletが登場。「Living Dying Message」「Black Market Blues」とキラーチューンだらけの怒涛のアクトを展開。広大なフィールドを埋め尽くしたオーディエンスたちは拳を突き上げバンドに応える。「The Revolutionary」の“そーめたーのさー!”大合唱から「新しい光」で1日目を締めくくった。
そして、太陽が雲に隠れて過ごしやすくなった2日目。WINDMILL FIELDは4年半ぶりの復活を果たしたウルフルズでスタート。1曲目から「ガッツだぜ!!」でオーディエンスの心は鷲掴み。最新曲から名曲までライブバンドとお手本のような熱いステージを見せつける。NEW BEAT SQUAREはRX-RECORDSの新星、asobiusが季節感を超越する透き通るようなサウンドを鳴らす。SEASIDE PARKではNICO Touches the Wallsが楽曲名の通り“手をたたけ”な一体感を作り出す。
WINDMILL FIELDではフジファブリックが様々なアニメや映画作品とコラボしてきた人気曲を中心に抜群のステージ展開を繰り広げる。NEW BEAT SQUAREには世界規模で活躍の幅を広げるTarO&JirOが2人のみとは思えないテクニカルでハードなプレイを披露。SEASIDE PARKからはKANA-BOONによる“飛ぶ鳥を落とす勢い”を体現するような熱狂が生み出される。
続くWINDMILL FIELDはthe telephonesによる怒涛の“DISCO”ナンバー(「DISCO」がタイトルに含まれるナンバーは8曲のセット中、なんと5曲!)でフィールドは正にディスコ状態。NEW BEAT SQUAREもTHE ORAL CIGARETTESがエンターテイナーっぷりを発揮し、バンドサウンドが冴えまくる。tacicaはSEASIDE PARKで3人編成とは思えないサウンドを鳴らし、スケールの大きいステージングを突き付けた。
“DISCO”熱が残るWINDMILL FIELDにはPerfumeが登場し、その熱気を更に高めるように「ワンルーム・ディスコ」を投下。「telephonesさんほどじゃないけど…(笑)」と語りながらも再びフィールドはダンスフロアに。「チョコレイト・ディスコ」でフィナーレした所でNEW BEAT SQUAREからも同楽曲が聴こえてくる。ピエール中野(凛として時雨)だ。彼だからこそできる天丼スタイルに会場中から笑いが起き、ハイスタからももクロまでズルいくらいのキラーチューン連続投下に熱狂は続
く。SEASIDE PARKではザ・クロマニヨンズが力強いバキバキのロックンロールを爆音でかき鳴らし、イベントは後半戦へ突入していく。
夕方過ぎ、あたりも暗くなろうかとするWINDMILL FIELDではエレファントカシマシがスタート。大ヒット曲「今宵の月のように」はもちろん、最新曲「Destiny」、にデビュー曲「デーデ」までその一切ブレのない男気あふれるパフォーマンスは圧巻の一言。その流れを汲むようにNEW BEAT SQUAREのトリであるKNOCK OUT MONKEYも熱いロックンロールを見せつける。SEASIDE PARKは先日、代々木第一体育館での単独公演を成功させたandropがトリを務める。カラフルで壮大な音の景色はオーディエンスに共鳴していた。
INDMILL FIELDにはイベント2日間の大トリ、サカナクションが登場。昨年末の紅白歌合戦でも話題となったお馴染みの5人並列になってのパフォーマンスからスタート。この【METROCK】用にアレンジされた「Ame(B)」が響く中、ステージからはレーザーが照射され、夜空を貫く。じりじりと盛り上げたところで「ミュージック」へ突入。ステージは始まったばかりのはずなのにもうフィナーレのようにオーディエンスも沸き立つ。フェスの鉄板とも言える楽曲群に加え、「単独公演か!」とツッコミを入れたくなるほど作り込まれたステージングは、彼らが“旬”を超えた国民的人気バンドへと成長していることを証明していた。「グッドバイ」で心を鷲掴みにした後、アンコールには「ナイトフィッシングイズグッド」が選ばれ、イベントは大団円を迎えた。
乱立するフェスシーンでも時期的なものや、都市部での開催など他イベントとの差別化が見えてきた【TOKYO METROPOLITAN ROCK FESTIVAL 2014】。新世代のグループからベテランバンドまで次々と登場する中、ステージ間の距離とタイムテーブルが絶妙に割り振られており、フェスという文化を初心者から上級者まで新たな楽しみ方や発見の仕方を提案していたように思える。次年度もきっとソールドアウトとなるだろう、本イベント。出演ラインナップも楽しみだが、運営側のステージの見せ方の巧さが一番の魅力かもしれない。
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