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2014/04/30

巨匠ホドロフスキーが100人のファンとの坐禅会で説く 「金は物を持つためではなく、自らの魂をより豊かにするもの」

 最新作リアリティのダンス』のプロモーションの為、25年ぶりの来日を果たしたアレハンドロ・ホドロフスキー監督が、東京・世田谷区の龍雲寺にて4月26日に100人のファンを募り坐禅会を行った。
 
 「私は師ではないので、今恐怖を感じ、ドキドキしています。」とゆっくり穏やかな口調で話はじめた監督。この日の説法のテーマとなったのは、「金と欲望」。まずは、自身がメキシコで5年間師事した日本人の禅僧・高田慧穣と彼が成し遂げた偉業について語り、これまでに出会った「誠実な人間5人の内の1人」であり、その存在が自身の監督作『エル・トポ』へ大きな影響を与えたことを明かした。さらに彼の「自然の小鳥の歌声が説法」という教えを引合いにだし、今自分は自分が歌える方法で歌っており、「言葉にはすべてがこめられているが、自分の思考に言葉が浮かばない時に、精神が歌っている。否定的な感情がない時には、心が歌っている。」と話した。
 
 続き、最新作『リアリティのダンス』の冒頭にも登場する“金”にまつわる教えを披露。現代社会では、お金が“神”で不可欠だが、「稼いだお金は物を持つためではなく、自らの魂をより豊かにするもの。必要なだけ稼げばいい。それで十分だ。」と話し、それによって今持っていないものを欲する期待、持っているものを失くす恐れから解放されることを強調。お金は分かち合うもので、自身の人生のゴールは人生そのものであると語り、「自分の中に閉じこもっているのは、生きているとは言えない。もしみんなが同じように殻に閉じこもってしまえば、それは地球を破壊する。」と続けた。
 
 そして達磨大師に弟子入りする為に腕を落とし、片手で坐禅を組み、悟りを開いた慧可について、「私も常に両腕両足を落としたら、どうなるか考え続けている。そして頭を落としたとき、その頭は笑いながら落ちるでしょう。私にとって禅とはそういうものです。」と語り、説法を終えた。その後、静寂の中10分間にわたり監督とともに坐禅を組み、監督の妻パスカル・モンタンドン=ホドロフスキー、お寺の住職、参加した100人のファンとの記念写真が行われた。

 ホドロフスキー監督の最新作『リアリティのダンス』は、7月12日より新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ有楽町、 渋谷アップリンクなどで上映がスタートし、全国順次公開される。
 
◎作品情報
『リアリティのダンス』
監督:アレハンドロ・ホドロフスキー
2014年7月12日(土)より新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ有楽町、 渋谷アップリンクほか、全国順次公開
(c)“LE SOLEIL FILMS” CHILE ・ “CAMERA ONE” FRANCE 2013
 
『ホドロフスキーのDUNE』
監督:フランク・パヴィッチ
出演:アレハンドロ・ホドロフスキー、ミシェル・セドゥ、H.R.ギーガー、クリス・フォス、ニコラス・ウィンディング・レフン
2014年6月14日(土)より新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ有楽町、
渋谷アップリンクほか全国順次公開!
(c) 2013 CITY FILM LLC, ALL RIGHTS RESERVED

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