2014/02/12
昨年12月よりホテル代も食事代も支給されない、真冬の車中泊ツアー【BiS after all】を敢行していた異端児アイドルグループ BiS。2月11日 相次ぐアクシデントに苦闘しながらもツアーファイナル公演を迎えた。
<インフルエンザで戦線離脱、観客にブチキレるメンバーも続出>
今回のツアーは、今のままでは目標である武道館レベルのワンマン公演を成功させることも、伝説を刻むことも難しいと判断した運営が企画。敢えてメンバーを厳しく突き放すことで成長を期待する。そうした狙いも透けて見えるものであったが、極寒の東北を廻る後半戦ではインフルエンザで戦線離脱するメンバーもおり、状況は悪化。観客に「黙って見てろよ!!」「……ぶっ殺す」とブチキレる公演もあった。それでも満員の客席へ次々と飛び込んだり、糸を引くほどのディープキスをメンバー同士で交わしたり、BiSらしいアクトを繰り広げていく。
<丹羽監督「今日のライブで全裸でダイブしてほしい」>
しかし、2月9日 岩手公演終演後、事態は急変。BiSのMVを手掛け続け、同ツアーも撮影し続けている丹羽貴幸監督の希望により、渡辺淳之介マネージャーら運営との緊急会議が催され、これをきっかけにメンバーは“大人離れ”を決意。大人の指示で動くのではなく、自らの意思とアイデアで最終公演に臨む。言うならば、アイドル=偶像の定義を覆す戦いへと立ち向かうことになった訳だが、その直前に事件は起きてしまった。
仙台JUNKBOXでの最終公演当日、メンバーの指示により、一部を除いてスタッフや関係者(=大人)はバックステージ立入禁止。ライブの構成にも手出しできない状況となっていた。これに運営も“今日は見守る”と決断していたのだが、丹羽監督は運営の「NG」を無視して「君たちは中身がない」「お願いが1つある、今日のライブで全裸でダイブしてほしい」と、神経を逆撫でる言動でメンバーを激怒させてしまう。
その状況は、プー・ルイ(リーダー)による「いろんなことをたくさんやってきたけど、ここに来るためにやってたんだとしたらもうなんか滑稽だなぁ。みんなこんな悲しいならBiSってなんのためにあるのだろうか」等のツイート(https://twitter.com/pour_lui)によって、リアルタイムで外部にも伝わっていった。
<再び一枚岩になって最終目標の実現へ>
そんなガチンコのアクシデントに振り回されながらも、メンバーはステージに登場。インフルエンザで急遽出演できなくなったテンテンの分も、現体制では最もエモーショナルなアクトを展開。「アイドルを殺したのは誰?」と問い掛け、怒りのシャウトを連呼し、涙腺崩壊ナンバーを畳み掛け、運営に無許可で「primal.2」生披露を解禁し、MCも休憩も一切なしで歌い踊り続けた。
終演後、運営は一連のアクシデントについての詳細をメンバーに説明しつつ、お互いの本音をぶつけ合い、再び一枚岩になって最終目標の実現へ向かっていくことを決意。まずは2月12日 新宿ステーションスクエアでのフリーライブ【伝えたいことがあるんだ】を敢行し、ラストアルバムのリリースやファイナルツアー(http://bit.ly/Maw6Xd)の開催へと突き進んでいく。
取材&テキスト:平賀哲雄
撮影:真田礼(Studio-Novel)
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