2013/12/02
米公民権運動の支持者だったことで有名なボブ・ディランだが、クロアチアの団体から“人種差別”であると訴えられた。
ビジネス・インサイダーの報道によると、フランスを拠点とするクロアチア人コミュニティ団体が、ローリング・ストーン誌の特集記事内でディランがコメントした内容に対し告訴したという。
昨年出版された同誌のインタビューにて、1860年代と現代のアメリカとの類似点を尋ねられたディランは、「アメリカは肌の色を台なしにしたんだ。人々は色が違うと言って激しく争う。どんな国でもまさに狂気の真っただ中さ。黒人たちは、一部の白人たちが奴隷制度を止めたくなかったことを知っており、彼らが未だに隷属的であることは否定できない。もし、君に奴隷の雇い主もしくはクー・クラックス・クラン(白人至上主義団体)の血が流れていたら、黒人はそれに気づくだろう」と返答。さらに、「こういった状況は現在もなお続いている」とし、「ユダヤ人がナチの血を、セルビア人がクロアチア人の血をそれぞれ感知できるようなものだ」と加えていた。
フランスのクロアチア人協議会は、この最後の発言に不快感を示し、ディランと同誌のフランス版を訴えることを決意したという。
インターナショナル・ビジネス・タイムズによると、同組織の事務局長Vlatko Maricは、「それは憎悪を誘因する。クロアチア人の犯罪者と全てのクロアチア人を比べることはできない」としており、「しかし、我々はローリング・ストーン誌やシンガーとしてのボブ・ディランに何の反感も持っていない」と述べている。
クロアチア人とセルビア人は長い間対立しており、特にクロアチアが旧ユーゴスラビアから分離独立した際の、1991年から1995年までの4年戦争では最も激しい争いとなった。
フランスは米国よりも言論の自由について厳しい法律があり、もしディランのコメントに誤りが認められた場合は罰金を科される可能性がある。
先月、フランスの軍事や社会に功績のあった人に与えられる最高勲章、レジオンドヌール勲位を受章したボブ・ディラン。受章に際しては、彼の大麻使用や反戦感情などに抗議した多数のフランス人グループにて論議が巻き起こっていた。
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