2025/12/29 10:00
現地時間2025年10月18日、19日に【When We Were Young Festival】(以下 WWWY)が米ラスベガスで開催された。“私たちが若かった頃”と題した今年のフェスのヘッドライナーをブリンク182とパニック!アット・ザ・ディスコが務め、30~40代があの頃を思い返すようなバンドが1日に50組ほど出演した。4月に開催されたオフスプリングの来日ツアーにゲスト出演したシンプル・プランから、チャック・コモー(Dr.)とジェフ・スティンコ(Gt.)の現地インタビューをお届けする。
――今年はオフスプリングと一緒に日本に来てくれてありがとうございました! ひさしぶりの来日でしたが、どんな気持ちでしたか?
ジェフ・スティンコ:以前はもっと頻繁に日本に行っていたけど、これからもまたもっと行きたいね。本当に素晴らしい時間だったよ。ライブも最高だったし、普段よりいろいろな場所を訪れることができて、いい旅だった。
チャック・コモー:確か2023年に、バッド・レリジョンとかと一緒に【PUNKSPRING】に出たよね? 今回はオフスプリングと一緒にやったので、次は自分たちのヘッドラインツアーで戻ってこないといけないね。日本に行くのは本当に大好きだから。実は2回とも、旅行も兼ねて妻と息子を連れてきたんだ。初めて京都にも行ったんだけど、本当に最高だった。バンドとして日本に行けるチャンスがあるなら、メンバー全員が心から行きたいと思ってるよ。ピエール(・ブーヴィエ、Vo.)も今回のツアーで家族を連れてきていたね。僕たちにとって日本は“半分仕事で半分バケーション” みたいな感じなんだよね。本当に最高。またすぐに戻ってくると思う。まだ正式な日程は決まっていないけど、戻りたい気持ちはスケジュールにしっかり書き込んであるよ!
――ドキュメンタリー『シンプル・プラン:群衆の中の子供たち』が7月に世界同時公開されました。観ていて何度も涙が出ました。このドキュメンタリーの企画はどのようにして生まれたのでしょうか?
ジェフ:結成25周年を迎えるところで、いろんな形でその節目を祝いたいと思っていた。もちろんライブや、今やっているさまざまな活動もその一つ。そんな中で、あるドキュメンタリー制作の方が、シンプル・プランの25周年をテーマに何か一緒にやりたいと声をかけてくれた。すごくいいアイデアだし、ちょうどいいタイミングだと思ったんだよ。ドキュメンタリーは、これまで僕たちがやってきたすべてを表現していて、新たな文脈でアーカイブ映像を使っていて、今のバンドの姿を伝えるいい機会になったと思う。今は本当に特別な時期なんだ。おそらくこれまでのキャリアの中で、今が一番いい状態だと思っているよ。だから、それを映像として残し、僕たち自身の証言や過去の記録を通してバンドの物語を伝えられるのは、とても素敵なことだと思っている。
チャック:ジェフが言うように、これは僕たちの25周年記念の“目玉”みたいな存在だね。これまでにもディスコグラフィーをまとめたボックスセットを出したり、全アルバムのアナログ盤を作ったりして、全部いい企画だった。今回はヘッドライナーツアーもして、素晴らしい時間になった。だから、このドキュメンタリーは僕たちの物語を伝える絶好の機会だったんだ。多くのバンドはドキュメンタリーに長時間をかけることが多いけれど、今まさに僕たちを知ってくれる新しい人たちが多いから、そのタイミングで作るのがいいと思ったんだ。TikTokやSpotifyなどを通じて若い世代のリスナーがどんどん僕たちのことを知ってくれているから。僕たちがどこから来たのか、どういう背景があるのかを知らないだろうから、このドキュメンタリーは彼らに僕たちの世界を紹介して、「これが今の姿で、ここが出発点。そしてこの旅の途中にあなたたちがいてくれることが本当にうれしい。でも、僕たちの過去も少し知ってほしい」と伝えている。過去の歩みを見せるいい機会になったと思う。
さらに「ツアーではこんな感じ」「2024年という大きな一年を僕たちと一緒に過ごすとこんな感じ」ということも伝えたかった。この1年は世界中をまわって、本当に素晴らしい経験をした。それを映像に収めて、“今のシンプル・プラン”を見せることができたのはとても貴重だったよ。作品の出来も本当によかったと思うし、ファンからもとても好評だった。これまでSNSでは見えなかった、バンドの新しい一面を感じてもらえたんじゃないかと思うよ。
――【WWWY】の出演は今回で3回目だと思いますが、このフェスを一言で表すとしたらどんな言葉になりますか?
チャック:マッシブ!! 本当に特別。まさに僕たちのシーンの頂点みたいな存在だと思う。たぶんこのシーンで重要なバンドやアーティストはみんな出演したんじゃないかな。すべてが1日に凝縮されているようなイベントで、このシーンの多様性の素晴らしさを改めて実感できる。そして、その一部でいられることを誇りに思うよ。それぞれのバンドのいろんな側面が見られる場所でもあって、懐かしいバンドもいれば、今まさに勢いを増しているバンド、ハードコア寄りのバンド、パンク寄りのバンドなど、本当にいろんなタイプが集まっているよね。すごい最高だよ。
ジェフ:エモファンタジーワールド! エモだけじゃないんだ。このシーンに属するようなバンドや、外から見れば違う感じのバンド、ハードなバンドやポップ寄りのバンドもいる。このジャンル周辺の音楽を楽しむ場として、とても素晴らしいと思う。なんだか【Warped Tour】を思い出させるんだよね。もっと大規模な、1日だけの【Warped Tour】フェスみたいな感じ。
チャック:その通りだと思う。昔、この音楽がなぜ大事だったのか、そして今だからこそ、ますます大事である理由を祝う大きなイベントって感じかな。この音楽はひとつの世代の象徴だからだね。ポップパンクやこのシーン、こうした音楽について考えてみると、本当に特別な存在なんだと思う。今の25歳から35歳くらいの人たちにとって、10代の時の音楽でしょ。その時代に育った音楽は、今でも心に響き、意味を持つ。だから、このフェスはまさにひとつの世代の歌だと思う。
――先ほどの話と被りますが、来年の日本ツアーも期待していいでしょうか? ぜひ次は単独公演を見たいです。
チャック:さっきも言ったように、来年戻れるといいなと思ってる。もしかしたら再来年になるかもしれない。でも、間違いなく自分たちのヘッドラインツアーで日本に戻るつもりだよ。
ジェフ:ファンのみんなは、フルのヘッドラインセットのライブをすごく楽しんでくれることを僕たちは知っている。フェスでみんながよく知っている曲だけをやるんじゃなくて、コアなファンが聴きたい、ちょっとマニアックな曲まで演奏するんだ。それこそファンが本当に喜んでくれることだから、日本のファンにもきちんと届けたいと思っているよ。だから、来年かもし無理でも2027年にはやりたいね!!
――最後に日本のファンにメッセージをお願いします。
チャック:本当にドウモアリガトウゴザイマス! ずっと応援してくれて、本当にありがたい。もう25年になるからね。僕たちはこれまで本当に素晴らしいツアーやライブをたくさん経験してきたけど、バンドの爆発的な人気が出た場所が日本だったんだ。初めて完売ヘッドラインツアーをしたのも日本だった。それからアヴリル・ラヴィーンと一緒に武道館をやったり、【PUNKSPRING】や【フジロック】なども経験したし。【Summer Sonic】には出たことがなかったね……。
ジェフ:ドキュメンタリーのことを思い出して、今笑ってるよ。日本で最初に行ったツアーの映像が入っているんだ。本当にすごいことばかりで、僕たちにとって新しい体験の連続だった。あのころはまだ子どもだったね。そして、何年経ってもずっと素晴らしい思い出が続いてる。日本のファンの皆さん、本当にたくさんのサポートをありがとうございます。世界中をまわっても、僕たちのライブに来てくれる日本のファンは本当に多いです。光栄なことで、とても嬉しいことです。すぐにまた会えることを楽しみにしています。
チャック:そして僕たちは、日本の文化や人々、食べ物を通してこの国に恋をしている。僕たちにとって日本は特別な場所で、心の底から大切に思っている場所だよ。本当にありがとうございます!
Text & photo by RUMI MAEDA
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