2025年10月18日に長年のベーシストだったサム・リヴァースが死去したことを受け、リンプ・ビズキットの音楽カタログが全米で急上昇した。その勢いは、11月1日付の米ビルボード・チャートにも反映されており、1999年の代表曲「Break Stuff」がハードロック・ソング・チャート“Hot Hard Rock Songs”で1位を獲得した。

　ルミネイトによると、10月18日から24日の集計対象週に、「Break Stuff」は全米で370万回の公式ストリーミング再生を記録し、前週比6％増となった。また、同期間におけるバンド全体のオンデマンド公式ストリーミング再生数は17％増加しており、今回のチャートインは広範なカタログの人気上昇の影響によるものとなった。

　「Break Stuff」は、リヴァースの死後、最も多く再生されたリンプ・ビズキットの曲となった。1999年に『シグニフィカント・アザー』の収録曲としてリリースされたこの楽曲は、2000年4月にオルタナティブ・エアプレイ・チャート“Hot Rock & Alternative Songs”で14位を記録していた。

　また、「Break Stuff」はロック＆オルタナティブ・ソング・チャート“Hot Rock & Alternative Songs”でも18位に登場した。過去曲であっても、チャートの上位半分に入り、かつ再浮上に十分な理由がある場合は、複合チャートへの再登場が認められる。さらには、ハードロック・ストリーミング・ソング・チャート“Hard Rock Streaming Songs”で13位となった。

　「Break Stuff」に続いて人気だったのは「Rollin'」で、同期間に250万回再生を記録し、前週比12％増となった。そして「My Way」は190万回で15％の上昇を見せた。いずれも、2000年のアルバム『チョコレート・スターフィッシュ・アンド・ザ・ホットドッグ・フレイヴァード・ウォーター』に収録されており、当時米ビルボード・アルバム・チャート“Billboard 200”で1位を獲得している。今回、同作はハードロック・アルバム・チャート“Top Hard Rock Albums”22位に再登場。換算アルバム・ユニット6,000を記録し、前週比10％増となった。

　一方で、バンドの最新シングル「Making Love to Morgan Wallen」は、Hot Hard Rock Songsで前週12位から11位に上昇。9月に1位デビューを果たして以来、引き続き勢いを維持している。メインストリーム・ロック・エアプレイ・チャート“Mainstream Rock Airplay”では自己最高位の20位をキープし、オルタナティブ・エアプレイ・チャート“Alternative Airplay”では29位から25位へと順位を上げた。

　リヴァースは、10月18日に心停止により48歳で死去した。バンドは追悼声明で、「サム・リヴァースは、我々にとって単なるベーシストではなく、まさに魔法そのものでした」と綴り、「すべての楽曲の鼓動であり、混沌の中の静けさであり、音の中の魂でした。初めて一緒に演奏した瞬間から、サムは替えのきかない光とリズムをもたらしてくれました。彼の才能は自然体で、存在は忘れられないものであり、巨大なハートの持ち主でした」と述べていた。