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2025/08/13 18:00

<ライブレポート>muque、全国10か所を巡るツアー【MUQUE TOUR 2025 “RIDE ON !”】完遂「僕たちまだまだ進化します」

 muqueが、7月31日にZepp Shinjuku (TOKYO)で【MUQUE TOUR 2025 “RIDE ON !”】の東京公演を開催した。

 福岡出身の4人組バンドmuque。2025年は1月23日に開催された【muque 1st Oneman Tour "Dungeon" ~Bonus Stage~】の恵比寿LIQUIDROOM公演をソールド・アウトさせ、大成功を収めた。さらにAoooとの対バンライブで注目を集めた【MIX SPICE #3】をはじめ、様々なイベントやフェスに多数出演。6月にはmuqueの“ヤバさ”が凝縮したEP『DOPE!』をリリースしたばかりだ。そして本公演は、全国10か所を巡るツアーの一環として開催されたものである。

 muqueの魅力は、メンバーそれぞれが異なる音楽的ルーツを持ち、それらが溶け合い唯一無二のサウンドを生み出している点にある。その魅力に惹かれたオーディエンスは多数いる。実際に『バズリズム02』の年始恒例企画「今年コレがバズるぞ!2025」で1位に選ばれたことも記憶に新しい。まさに今、音楽業界で階段を全速力で駆け上がっている彼らの足跡をここに記したい。

 開演時間を迎えると、会場にはエレクトロニックなSEが鳴り響き、フロアが揺れ始める。後のMCで明かされたが、このトラックはtakachi(Track make&Dr.)が新幹線で制作したという。4人が颯爽と登場すると、自然な流れで「Ghost」でライブの幕を開ける。Asakura(Vo.)がリズミカルに身体を揺らしながらオーディエンスを煽り、muqueの世界観へと一気に引き込む。その勢いのまま、Kenichi(Gt.)のダイナミックなギターから始める「456」へ。オーディエンスが生み出すクラップの波に乗りながら、takachiが叩き出す、芯のあるハイハットの1音1音が鮮明に聴こえてくる。途中、楽器隊3人が向かい合って演奏する熱いセッションも展開された。

 「宜しくお願いします! 福岡のmuqueです!」とAsakuraが開幕宣言をすると、大胆なギターソロをバックに緩やかな合唱が生まれた「tape」、Lenon(Ba.)が旋律的なベースを刻み、Kenichiの色鮮やかなギターリフで会場を興奮させた「my crush」、そしてサビで一気に開放感が生まれる「TIME」など、ステージを熱く盛り上げるセットリストが序盤から炸裂する。

 最初のMCでは、自身初となるZeppでのライブがソールド・アウトしたことに感謝を伝えるKenichi。「約2か月間で色々と回って、今日一つその形を見せていけたらいいな。かつ、それを全員で楽しんでいけたらなと思っています」と語り、青白いライトに照らされながらチルなサウンドが心地良く響く「ブルーライト」へ。パワーフルなギターカッティング、ゴリゴリに歪んだベース、重圧なドラムサウンドが響く「cheers」では、Asakuraの表現力豊かな歌声が実に素晴らしい一曲となっている。「中盤戦入っちゃいましたが、調子はいかがですか! もっとテンション上げていきたいよね!?」と呼びかけると、大きな歓声が沸き起こる。そこから、裏拍が気持ちよく感じられ、自然と踊りたくなる「feelin'」、muqueの名を広めるきっかけとなった「nevermind」を投下していく。

 中盤MCでは、今回のツアーで印象に残った場面について語られ、「後半戦、ぎゅっとぶち上げセトリ持ってきてるんで!」というセリフと共に、「"Later" (Rock ver.)」へ。シンプルなルート弾き中心のベースと8ビートのドラムで構成されつつも、Kenichiの独走するようなギターフレーズが印象的で、後半戦を爆発させた着火材のような存在だった。

 続く「Bite you」の前には、Lenonのスラップソロ、Kenichiの情熱的なギターソロ、takachiの気持ちいい高速フィルなど、楽器隊による激しいアンサンブルが繰り広げられた。熱が高まる中でAsakuraが「ぶっ飛ばそうぜ!」と叫び、ラストサビへ繋げていく。その余韻を纏ったまま、TVアニメ『ONE PIECE』エッグヘッド編のエンディング主題歌である「The 1」へと走り出すmuque。メロディアスなサビでオーディエンスを圧倒させたのち、「カーニバル」では大量の銀テープが噴射し、大歓声が巻き起こる。ラストはAsakuraがギターを抱えてゆっくりと歌いだす「DAYS」。Kenichiのタッピングが生み出す幻想的な空間から、一転してAsakuraのアカペラへと移行し、そこから再びバンドサウンドがどんどん膨らんでいく構成が印象的で、muqueの表現力のヤバさを感じられるエンディングだった。

 大きなアンコールに応えて再び登場したmuque。「(ツアーで)歩んできた軌跡をこの場で見せる、集大成というものを、今日皆さんと迎えられて嬉しく思います」とKenichiが語る。ここでは、メンバーそれぞれが改めてライブの感想を口にした。「演奏しながらテンション上がっている時に後ろの映像が目に入って感動して、また演奏して、を繰り返しながら、情緒不安定でした(笑)。楽しかったです!」(takachi)、「色々な方々に支えられ、何より自分たちのことを応援してくれている皆さんのおかげなので。今日は本当に楽しかったです」(Lenon)、「とてつもなくお客さんが増えていっているのを実感しながら、レスポンスが増えていっているのを感じながら、幸せな気持ちをかみ締めてライブをしておりました」(Asakura)、「次回見たときに前回よりmuqueここ変わっているな、みたいに、みんなと大きくなっていきたいなと思っているのでーー僕たちまだまだ進化します!」(Kenichi)。そして、Kenichi が語ったような、muqueの熱い想いが込められた新曲「Level up」が8月13日にリリースすることも発表された。そんな彼らはAsakuraの気持ちを投影した叙情的な「pas seul」で、フィナーレを迎えた。

 今冬には、4度目となる自主企画の対バンライブ【muque presents "PLAYPARK 4"】の開催も決定した。全国4か所で開催される予定で、チケットはFC抽選先行が実施中。まだまだmuqueの旅は始まったばかりだ。

Text by Tatsuya Tanami
Photo by ヨシハラミズホ


◎公演情報
【MUQUE TOUR 2025 “RIDE ON !”】
2025年7月31日(木)
東京・Zepp Shinjuku (TOKYO)
<セットリスト>
M01 Ghost
M02 456
M03 tape
M04 my crush
M05 TIME
M06 ブルーライト
M07 Teardrop In The Sea
M08 cheers
M09 feelin'
M10 nevermind
M11 "Later" (Rock ver.)
M12 Dear,my friends
M13 Bite you
M14 The 1
M15 カーニバル
M16 DAYS
EN1 pas seul

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