マイリー・サイラスの『バンガーズ』時代は忘れがたいものだった。ポップ・スターのマイリーは、ディズニー・チャンネルの『シークレット・アイドル ハンナ・モンタナ』での清純なイメージが定着していた当時、過激な衣装や挑発的なパフォーマンスで世界中を驚かせ続けたからだ。

　32歳の彼女は、現地時間2025年6月10日に公開されたモニカ・ルインスキーのポッドキャスト『Reclaiming』での率直なインタビューで、2013年頃に起きた一連の出来事が、自身と家族との関係にどれほど大きな影響を与えたかを明らかにした。当時自身が受けた批判について彼女は、「あれは本当に大きなショックを受けて、とても恥ずかしい思いをした時期でしたね」と語った。

　そして、「弟と妹が、私と血が繋がっていることを恥じて学校に行きたくないとさえ言った時期もありました。きょうだいや両親がどれほど辛い思いをしたか、そしてどれほど恥ずかしかっただろうか、私は大きな罪悪感を抱いていました」と続けた。

　マイリーには、異父姉のブランディ、異父兄のトレイスと異母兄のクリストファー、弟のブレイズン、妹のノアを含む5人のきょうだいがいる。【グラミー賞】受賞者である彼女は、そのきょうだいたちの生活に影響を与えただけでなく、アルバム『バンガーズ』のリリース近辺の数年間は、父ビリー・レイ・サイラスとの関係も緊張していたと語っている。「家に帰って父と顔を合わせ、彼の目を見て、とても恥ずかしい思いをせざるを得なくて本当に辛かった」と彼女は述べている。祖母についても同様だったそうだ。

　彼女はまた、その時期に残った恥の感情をセラピーで克服してきたと述べたが、その過激なキャラクターのせいで“すべてを失った”と率直に語った。「あのような服装や行動を続けていたら（恋愛）関係が崩壊したんです。誰も私とデートしたがりませんでした。自分の性的な表現という部分を彼らのためではなく、世界と共有するような女とは一緒にいたくなかったからです」と彼女は述べている。

　「当時、私は婚約していました」と彼女は元夫リアム・ヘムズワースに言及し、「（彼との関係は）うまくいきませんでした。自分だけのためにとっておいてほしいと男性が思うような部分を私が共有していたからです」と振り返った。

　そんな2013年の一連の出来事の中で最も人々の記憶に残るものは、その年の【MTV VMAs】でロビン・シックと共演した、世の親たちを驚かせた半裸のパフォーマンスだろう。『バンガーズ』からは「Wrecking Ball」が自身初の米ビルボード・ソング・チャート“Hot 100”入りを果たしたが、それ以来長い道のりを歩んできたマイリーはここ数年で自身の記録を塗り替えている。「Flowers」が8週連続で首位を獲得し、2024年の【グラミー賞】で自身初の受賞を果たした。今年5月30日にリリースしたニュー・アルバム『サムシング・ビューティフル』は、同アルバム・チャート“Billboard 200”に今週4位で初登場した。

　10年以上前に受けた批判は当時傷ついたものの、今ではその批判がなぜそれほど極端だったのかを理解できるようになったとマイリーは言う。「私がしたことが衝撃的だったのではなく、それが私だったから衝撃的だったのです」と、子ども向けのキャラクターである“ハンナ・モンタナ”を演じていた過去が、多くの人々にとって彼女の転身をさらに不快なものにしたと彼女は指摘している。

　その例としてマイリーは、2021年にカーディ・Bとミーガン・ザ・スタリオンが発表した「WAP」については、ほとんど誰も気にしなかったことを指摘した。「でもカーディ・Bは子ども向けではありません。彼女は子役スターではない。私としては、“なぜリアーナは問題にならないの？”と思うと辛かったですね」と彼女は語っている。