2009/08/01 00:00
トロントに本拠地を置くBEYOND THE PALEのニュー・アルバム『POSTCARDS』のもっとも魅力的な点は、おそらくユダヤの伝統音楽とさまざまな東欧のフォーク・ミュージックを混ぜ合わせるバンドの能力だろう。16曲入りのアルバムで、BEYOND THE PALEの共同創立者でありマンドリン奏者のERIC STEINはクラリネット奏者のMARTIN VAN DE VENとセルビア人ミュージシャンのALEKASANDAR GAJIC(バイオリン)、MILOS POPOVIC(アコーディオン)、BODGAN DJUKIC(パーカッション)とチームを組んでいる。セルビアのベルグラードが爆撃されているときに書かれたGAJICの「BACK TO THE BEGINNING」はプログレッシブでバルカンっぽい。「MEDITATION」はセルビアのブラス・バンドならではの暗くてほろ苦い味わいがあるが、歌はユダヤのニグン(言葉のないメロディ)のアレンジになっている。STEINのオリジナル「SPLIT DECISION」は東欧と同じくらいDAVID GRISMANに負うところが大きいかもしれない。そして「MAGURA」はマンドリンとフィドルのブレンドの上にループしたベースラインをフィーチャーして、テキサス・スウィングやポルカ、ユダヤの伝統音楽に似たサウンドになっている。
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