2025/04/10 20:00
パルプが、約24年ぶりとなるニュー・アルバム『More』をリリースすることを発表し、同作の1曲目を飾る「Spike Island」のミュージック・ビデオが公開された。
本曲は、シンセサイザー、ヴァイオリン、スライドギターの組み合わせに、プロデューサーのジェームス・フォード(アークティック・モンキーズ、フォンテインズ D.C.)がさらなる磨きをかけた、中毒性の高いアンセムとなっている。歌詞は、曲を共作したジェイソン・バックル(リラックスド・マッスル)の体験が元になっている。バックルは、ザ・ストーン・ローゼズの悪名高きスパイク・アイランドでのライブに行ったことがあり、そのライブ会場では、DJが一日中「Spike Island, come alive!(スパイク・アイランドよ、蘇れ!) 」と叫び続け、皆の神経を逆なでしていたという。この話がジャーヴィス・コッカーの心に焼き付き、本人はライブに行かなかったにもかかわらず、スパイク・アイランドを題材にした新曲を書くインスピレーションとなった。
アルバム『More』は、CD、LP、デジタル/ストリーミング配信で2025年6月6日に世界同時リリースされる。国内盤CDにはボーナス・トラックが追加収録される。LPは、ブラック・ヴァイナルとダークグリーン・ヴァイナルの通常盤LP2種類に加え、ブルー・ホワイト・マーブル・ヴァイナルの限定盤LP、そしてCD/LPの両フォーマットともに新たなバンドロゴとジャケットアートワークが採用された完全生産限定となるTシャツセットも発売される。
「Spike Island」のMVとアルバム『More』についてのジャーヴィスのコメントも到着した。
◎「Spike Island」MVについてのジャーヴィスからのメッセージ
「AIに興味を持っている人がいて、何かアイデアはないかと聞かれたんだ。最初に思いついたのは、“Different Class”のためにランキンとドナルドが撮ってくれた写真を動かしてみるということだった。そもそもあの写真は、1995年当時、現実の風景に俺たちを“人工的に”はめ込むことで、音楽制作に忙殺されて写真を撮る暇がなかった俺たちの代わりに、アルバムカバーを仕上げる手段だったんだ。自然な発想だったよ。
当初は、あの写真がどうやって撮られたのかを紹介する、いわば”メイキング映像”的なものを作ろうと思っていた。でも、最初の1枚をAIアプリに読み込んだ時点で、それは無理だと悟ったんだ。それで”流れに任せてみよう”と思って、コンピューターに導かれるままに進めることにした。
このビデオに出てくる動く映像はすべて、俺が静止画を読み込んで、たとえば”白黒の人物は静止したまま、背景のバスが走り去る”みたいなプロンプト(指示文)を入力して生成されたものだ。そして、俺の切り抜きに向かって、バスが妙な動きで滑ってくる、というあのシーンが生まれた。
このビデオ制作を始めた週末は、なんだか奇妙な感覚だった。家の外に出ても、AIが生み出したあの映像のせいで、周囲の環境が変形して見えるような気がして仕方なかった。あの体験は俺に強い影響を与えた。まだ元に戻れているかどうか、自分でもよくわからない…。
ジュリアン・ハウスには、素晴らしいポストプロダクションをしてくれたことに感謝してる。そしてランキンとドナルド・ミルンには、彼らの作品をこういう形で使わせてくれたことに感謝したい。ビデオの最後に出てくるテキストにも書いたけれど、彼らが1995年にパルプのためにしてくれたことは、“H.I.(Human Intelligence、人間の知性)の最高峰”だと思っている。
最後にひと言。H.I.よ、永遠に!」
愛を込めて、ジャーヴィス
◎『More』についてのジャーヴィスからのメッセージ
「これは、2001年の“We Love Life”以来となるパルプのアルバム。そう、24年ぶりの新作だ。
その経緯とは?実は2023年にツアーを再開したとき、サウンドチェックの合間に“The Hymn of the North”という新曲を練習していた。そして、Sheffield Arenaでの2日目の公演の最後に、それを披露した。それが新しい扉を開くきっかけになった。その後、2024年前半にかけて、アルバムに収録される楽曲が次々と生まれた。中には、前世紀から温めていたアイデアを復活させた曲もある。1曲は、リチャード・ホーリーが作曲した。もう1曲は、ジェイソン・バックルが作曲した。イーノ家(ブライアン・イーノ他)がバックコーラスを担当している曲もある。リチャード・ジョーンズがストリングス・アレンジを手がけ、それをエリジアン・コレクティヴが演奏した。
レコーディングは、2024年11月18日からロンドンのウォルサムストウで3週間で行われた。パルプ史上、最短期間で完成したアルバムだ。この作品が生まれるべくして生まれたということなのだろう。
以上が事実だ。このアルバムを楽しんでいただけたら嬉しく思う。この作品は、イングランド北部出身の4人の人間が作り上げ、イギリス各地の5人の仲間たちの協力を得て完成した。
AIは一切使用していない。
このアルバムを、スティーヴ・マッキーに捧げる。
これが俺たちにできる最高の作品だ。」
聴いてくれてありがとう、ジャーヴィス
◎リリース情報
アルバム『More』
2025/6/6 RELEASE
Photo: Tom Jackson
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