2025/02/12 17:15
2020年代に新しいロカビリームーヴメントを起こすべく奔走中、渋谷公会堂(LINE CUBE SHIBUYA)でのワンマンライブを大成功させたことでも注目を集めたハイブリッド・ロカビリーバンド、The Biscats。2月8日(土)4年目4度目となる主催フェス【ROCKABILLY FESTIVAL 2025 supported by 城東フルーツ】(以下ロカフェス)を渋谷 duo MUSIC EXCHANGEにて開催した。
<The Biscats&TAIGA、ダイヤ・ピアノ・サンタ、Good Spirits──ロカフェス常連組の華麗なアクト>
日本のロカビリーカルチャーを集結させたこのイベント。会場には、GOOD ROCKIN'、SAVOY CLOTHING、SHIGEMI KAT CUT、原宿 Jack's、BLUE VELVET'Sといった店舗が例年通り出店しており、DJ RAW-HIDEが畳み掛ける新旧ロカビリーナンバーに開演前から大きな賑わいを見せていた。そこへ現れた主催者・The BiscatsとMCを務めるロカビリー芸人・TAIGA、オールディーズダンスチーム・Good Spiritsが「Sweet Jukebox」でコラボパフォーマンスをお届け。これから各出演者がジュークボックスのごとく多種多様なロカビリーやロックンロールを披露していく、ロカフェスの幕開けに相応しいナンバーで客席を煽情してみせる。
「【ROCKABILLY FESTIVAL 2025】始まるよー! この後も出演して下さるアーティストの皆さんとThe Biscatsのコラボがありますので、楽しんで頂けたらなと思います! 今日のロカフェスもがんばロカビリー!」そんな華々しいオープニングセレモニーを経てトップバッターとして登場したのは、ロカフェス4年連続出演となるブギウギピアニストのダイヤ・ピアノ・サンタ。軽快に踊るようにピアノを奏でながらオリジナル曲「パレード」や映画『パルプ・フィクション』劇中歌としてもお馴染みチャック・ベリー「You Never Can Tell」など様々なロカビリーカバーも披露し、Misaki(vo)、Kenji(g)、Suke(b)の誇張モノマネでThe Biscatsを迎え入れると、エルヴィス・プレスリーの「火の玉ロック」でコラボも展開。終始笑顔の絶えない陽気なステージングで会場を沸かし続けた。
同じく4年連続出演となるGood Spiritsは、ロカビリーシーンの大先輩・MAGIC「天使のジェラシー」にて華麗な足さばきでバップを披露したり、ザ・ビートルズ「I Saw Her Standing There」に映画『ヘアスプレー』から「You Can't Stop The Beat」でもポップなダンスパフォーマンスを繰り広げていく。ライブ後のMisaki&TAIGAとのトークコーナーでは「バップ中、靴の紐が両方解けちゃったから(脱げないように)足の指でグッとやって。そしたら足を攣っちゃって(笑)」と語っていたが、そんなハプニングがあったことも一切感じさせないアクトで会場中をダンスフロアと化してみせた。
<JOHNNY PANDORA、MAD3、RODEO──ロックの歴史を体現する若きスターとレジェンドたちの競演>
続いて登場したのは、世界中でロックンロールカルチャーの布教に貢献し続けている、ロカビリームーヴメントを起こすべく奔走しているThe Biscatsの同志とも言えるJOHNNY PANDORA。メンバー4人揃ってリーゼントにレザー姿で「Johnny Always Feels so Bad」「ヨコハマ・クルージン」などクールでゴキゲンな踊れるロックンロールを楽しげに歌い奏でていく。Johnnyが「ロカビリーの日、楽しんでますか! 俺らが浮かないイベント、久々ですね。毎年遊びには来ていたんですけど、まさか呼んでもらえるとは」と語ると、その流れでMisakiとCOOLS「シンデレラ」を生コラボ。ロックの夢を追いかける同世代の共演に心も体も躍る。その後もバイクのアクセルを吹かすポーズで会場をひとつにしたり、ツイストを踊り出したりと、全身全霊でロックンロールを体現し続けた。
そんなロックシーンの若きスターたちのアクトを受け、結成36年目のレジェンドバンド・MAD3が登場。序盤のインスト曲「CATS EYES」からすべてを飲み込んでいくリズム隊にガレージシーン最高峰とも言えるEDDIEのギターが轟き、その後もロカフェス仕様のロカビリー要素強めの楽曲群を歌い奏でながらオーディエンスを圧倒していく。エルヴィスの「VIVA LAS VEGAS」高速カバーでは客席からシンガロングも響き渡らせ、会場を一体化。ルースターズの「どうしようもない恋の唄」もロカビリーアレンジでお届けし、ロックの歴史を体現してみせる。なお、EDDIEは「The Biscats推し」を公言しており、Misakiとのトークコーナーでは、The Biscats「ハートのエース」MVでの共演や「純愛クレイジー」MVをプロデュースした際の話も披露してくれた。
そして、ロカフェスは、MAGICのメンバーとして活躍していた山口憲一と久米浩司が90年代に結成したバンド・RODEOの出番へ。Misakiの父でもある久米浩司は現在入院中(来週には退院予定)の為、今回は山口のギターボーカルにThe Biscatsの演奏でライブすることになったのだが、冒頭から「SLOW DOWN」「ROCKABILLY HEAVEN」「DRIVE ON THE ROAD」とロカビリーを愛し、ロカビリーに愛されたとしか思えない色気ある歌声と演奏でロカビリーラバーたちを笑顔にしていく。そして、Misakiをステージに招き入れると、彼女いわく「私の幼稚園の運動会も観に来てくれたり、ケンちゃんは第2のパパ」とも言える関係性のふたりで「天使のジェラシー」をデュエット。奇しくも日本のロカビリーの時空を超えたスペシャルコラボが実現した夜となった。
<恩返ししなきゃいけない人たちが年々どんどん増えていっているなって。それってすごく幸せなこと>
今回のロカフェスは各出演者とThe Biscatsがライブでもトークコーナーでも有機的に絡んでいく、これまで以上に濃厚なプログラムとなっていたのだが、それもあってトリを務めたThe Biscatsのアクトは序盤から完全に仕上がっており、1曲目「ブルーベリー・ナイト原宿~ノッてけ!Sunday」からフルスロットル。その歌声も演奏もこの上なくエモーショナルかつグルーヴィーに響き渡り、オーディエンスもはしゃぎ回りながら叫び続け、2曲目「Goody Goody Girl」でKenjiのギターが鳴らなくなる機材トラブルがあったものの、それすらも埋め尽くすほどの熱狂が渦巻いていた。
「渋谷公会堂からノンストップで全国ツアーを駆け抜け、今日は自分たちだけじゃなくて素敵な出演者の皆さん、出店して下さっている皆さんもいて、このイベントに関わって下さった全ての皆さんに心から感謝します。そして、supported by 城東フルーツということで、ありがとうございます! 私たちは恩返ししなきゃいけない人たちが年々どんどん増えていっているなって。それってすごく幸せなことだなと思うんですけど、本当にまわりの皆さんに感謝してこれからもいろんな形で恩返しができたらなと思っています(Misaki)」
そんな感謝の言葉を告げると、今夜最後のコラボレーション相手としてMAD3のEDDIEを招聘。MVで共演した「ハートのエース」を披露したのだが、EDDIEのエッジィかつ自由自在に駆け回るようなギターが加わったことで、Misakiの歌声含めバンド全体が完全攻撃モードとなって、実にスリリングで爆発的な演奏を堪能することができた。メンバー一同も「あー、楽しかった!」と大歓喜。その熱量をさらにスパークさせるべく「まだまだ盛り上がっていけますか! ロカフェス2025、まだまだいっちゃいましょう!」と最後にキラーチューン「take away」「Hot and Cool」を畳み掛けていく。
そして、ロカフェス史上最大の楽しすぎる一体感を生み出したThe Biscatsは、MCのTAIGAと共に本日の出演者&出店者の面々をステージに招き入れ、最後は「これからもがんばロカビリー!」とみんなで叫んで【ROCKABILLY FESTIVAL 2025 supported by 城東フルーツ】を締め括った。なお、2026年2月8日にもロカフェスを開催することが決定。ここからの1年、The Biscatsの「新しいロカビリームーヴメントを起こす」為の音楽活動の動向も含め、ぜひ注目してほしい。「本当に皆さんのおかげで最高のイベントになりました! また来年お会いしましょう!」
取材&テキスト:平賀哲雄
カメラマン:山田久美子
◎イベント情報
【The Biscats 6th ANNIVERSARY PARTY】
4月5日(土)渋谷シダックスカルチャーホール
1部「Rare Track LIVE」and more
OPEN 13:30 / STRAT 14:00
2部「Best Track LIVE」and more
OPEN 18:00 / START 18:30
チケット:6000円(tax in)
【Ol’CATS with MAORI / The Biscats Live2025】
5月10日(土)宮古島GOOD LUCK!
OPEN 18:00 / START 18:30
チケット:4000円(tax in)
5月11日(日)那覇Cyber-Box
OPEN 17:30 / START 18:00
チケット:4000円(tax in)
◎The Biscats オフィシャルYouTube
https://youtube.com/c/TheBiscatsChannel
◎The Biscats オフィシャルTiKTok
https://www.tiktok.com/@biscats_official
◎The Biscats オフィシャルHP
https://thebiscats.com/
◎The Biscats オフィシャルX
https://twitter.com/BiscatsStaff
◎The Biscats オフィシャInstagram
https://www.instagram.com/biscats_staff/
関連記事
The Biscats「10年前、5人しかいなかったのに今日何倍ですか?」渋谷公会堂で夢を叶えたその先へ──ロカビリーの更なる可能性を提示したツアーファイナル
The Biscats「夢を叶えることができて嬉しい」念願の渋谷公会堂ワンマンライブ大成功! 30年越しの久米浩司(MAGIC)との親子ロカビリー共演も
The Biscats「遂に決まりました!」全国ツアー千秋楽でロカビリーの聖地・渋谷公会堂(LINE CUBE SHIBUYA)ワンマン開催発表! 新曲&ベスト盤&MV集発売も
<インタビュー>The Biscats 名曲だらけのカバーアルバムや目標の渋公について語る──Sukeの生い立ちも
The Biscats『ジレンマ』Kenji生い立ちインタビュー「大好きなロカビリーを世に広める……その夢を叶えていく場所とようやく出逢えた──」最新News
関連商品
アクセスランキング
1
【ビルボード 2025年 年間Top Lyricists】大森元貴が史上初となる3年連続1位 前年に続き5指標を制する(コメントあり)
2
【ビルボード 2025年 年間Artist 100】Mrs. GREEN APPLEが史上初の2連覇を達成(コメントあり)
3
【ビルボード 2025年 年間Top Albums Sales】Snow Manがミリオンを2作叩き出し、1位&2位を独占(コメントあり)
4
<年間チャート首位記念インタビュー>Mrs. GREEN APPLEと振り返る、感謝と愛に溢れた濃厚な2025年 「ライラック」から始まった“思い出の宝庫”
5
【ビルボード 2025年 年間Top Singles Sales】初週120万枚突破の快挙、INI『THE WINTER MAGIC』が自身初の年間首位(コメントあり)
インタビュー・タイムマシン







注目の画像