2025/01/30 18:00
阿部真央が、1月26日にデビュー15周年ツアーのファイナル公演を東京ガーデンシアターにて開催した。
会場のスクリーンにオープニング映像が流れたあと、拍手で迎えられながら登場した彼女がバンドメンバー<吉田佳史(Dr.)、三浦淳悟(Ba.)、西川進(Gt.)、和田建一郎(Gt.)、ミトカツユキ(Key.)、ぬましょう(Perc.)、秋谷弘大(Mnp)>と共に最初に披露したのは「HOPE」。自分や相手を信じる強い気持ちを綴った前向きな歌詞が、ライブの開幕にふさわしい1曲だ。そのまま明朗なナンバー「Believe in yourself」に繋げると、リスナーも拳を高く掲げながら身体を揺らし、会場を温めていく。
曲が終わると「みなさんこんばんは、阿部真央です! 今日は来てくれてありがとう! 15周年ありがとう! 緊張してまーす! たぶん歌詞も間違えまーす! それでもついてきてくれるかー!? 行ける方は挙手!」と緊張している旨を零しつつ、挨拶と会場を鼓舞する煽りを投げかけた。デビューアルバムの表題曲「ふりぃ」の次に歌った「pharmacy」では、ハンドマイクを片手に花道やセンターステージでパフォーマンス。曲中にはリスナーの顔を確認するように見たり手を振ったりするシーンもあり、ライブならではのコミュニケーションを図る様子も伺えた。
最初のMCでは改めて来場のお礼を述べた後、「胸がいっぱいで声が揺れる」と吐露。続けて「大一番では上手く歌いたいんですけど、そんなことよりもみんなに会えた嬉しさを噛み締めながら、楽しんで帰ってもらうことが大前提なんですけど、私も胸いっぱいの喜びを抱きしめて帰りたいと思います」とすでに感動している様を話した。本公演の2日前、阿部が35歳の誕生日を迎えたこともあり、会場から「誕生日おめでとう」の声が聞こえると、「今週は今日の東京ガーデンシアター公演や誕生日、デビュー記念日があったりして、本当にたくさんのおめでとうをいただいた1週間でした。それに対していつも私はありがとうと返すんですが、言葉以上のありがとうを今日は歌と演奏に込めて帰りたいと思います」と返答する心温まる場面も見られた。
MC明けには再びギターを持ち、ストリングス<門脇大輔(Vl 1)、田島華乃(Vl 2)、高橋輝(Vla)、村中俊之(Vc)>も含んだバンドセットで「君を想った唄」を届ける。次曲「じゃあ、何故」ではアコギの音色と歌声だけで頭サビを披露し、ダイレクトに伝わってくる切ない歌詞に胸がギュッとなったのが印象的だった。その後、「ΤΑ」「morning」でパワーのある歌声を会場内に響かせてリスナーを魅了すると、あっという間に前半戦が終了。
中盤戦はバラードがメインのセットリストを展開。まずは昨年リリースしたアルバム『NOW』の収録曲であり、他公演では披露せずに取っておいたという「Everyday」。「綺麗な姿で生きようとするみんなが救われる世界であってほしい、優しい人ほど年を重ねるにつれて誰かを信じることが怖くなるけど、私のことは信じてほしい」という願いが込められた曲で、清らかなピアノやストリングスのサウンドに合わせて歌われる愛のこもった歌詞が真っ直ぐに伝わってきた。また「いつの日も」ではステージの大黒幕が上がり、ドラマチックなオレンジの光に包まれながら歌唱。リスナーも着席スタイルでリラックスしながら阿部の歌声に聴き入っていた。
バンドメンバーの紹介を挟み、再びスタンディングでのライブ鑑賞を促すと「I've Got the Power」へ繋げる。阿部が所属レーベルからの独立後、プライベートレーベル“KAGAYAKI RECORDS”を設立し、新しい道に勇気を持って進んでいく決意を歌にした本曲。MC中のにこやかな雰囲気とは一変、「これからも私は歌い続ける」という強い決意が伺える頼もしい表情をしていた。続く「Somebody Else Now」では阿部真央のライブでは初の試みとして、リスナーにスマホのライトを照らしながら振ってもらう演出を提案。会場いっぱいにキラキラとしたライトが揺れる光景が圧巻だったのは言うまでもないだろう。サビではリスナーも一緒に歌うことで、さらに一体感が増していた。会場がひとつになってライブを作り上げた経験は、リスナーの心に残る大切な思い出となったことに違いない。その後は「K.I.S.S.I.N.G.」「どうしますか、あなたなら」とキャッチーな楽曲を連投し、後半に向けてリスナーの気分を高めていく。
「終盤戦盛り上がっていきたいんですけど、まだみんな元気残ってますか?」の言葉を皮切りに、ラストスパートへ突入。赤とオレンジの燃えるような照明が楽曲を彩った「進むために」、みんなで一斉にジャンプする姿やコールアンドレスポンスが微笑ましい「モットー。」、リスナーとのシンガロングを楽しんだ「ロンリー」を続けて披露。
最後のMCでは、「私の願いは、みんなの人生がそれぞれキラキラ輝くこと、みんなが迷うことなくなりたい自分になって、進みたい道に進むこと。だからいつも『ライブに来てくれてありがとう』、それに加えて、『まずは自分の人生を存分にやって、無理せずにいつでも来れるときにライブに来てください』と話しています。みんなが思うように生きてパワーを感じたくなったらいつでもライブに来てもらえるように、私はこれからも歩みを止めないようにこの活動を続けていく。それが私の目的であり、使命であり、目標であり、生き方であり、人生です。まずは自分ごと、そしてそのみんなの人生のそばに私の音楽をそっとお供させてもらえればと思います。この場所はいつでも守っておりますので。みんなが笑ってられることが1番の幸せですので。最後にこのパワーを受け取っていただいて、明日からのみんなの人生がさらにキラキラと輝きますように。そんな願いを込めて最後に歌います」と話した。きっとこの会場にいる誰もが、これからも阿部真央の音楽と共に人生を歩んで行こうと思ったのではないだろうか。そしてラストナンバーである「それぞれ歩き出そう」で本編を終えた。
盛大なアンコールが行われると、特攻服に衣装チェンジした阿部真央がステージに姿を現した。アンコールのセットリストは「I wanna see you」でスタート。阿部が曲に合わせて飛び跳ねたり花道付近から金テープが噴出する演出があったりと、本編以上に大きな盛り上がりを作り出していく。さらに「貴方の恋人になりたいのです」「ストーカーの唄~3丁目、貴方の家~」など彼女の音楽をたくさんの人に知ってもらうきっかけとなった曲も披露された。最後はライブ会場だけで歌われる「母の唄」を届け、15周年を締め括った。
この日のセットリストは全25曲。デビューから今までの彼女のターニングポイントとなった曲をふんだんに織り交ぜ、15周年を総括する曲たちを全身全霊で歌い上げた。いつだって自分の思いを大事にすると同時に、リスナーに寄り添う言葉とメロディを模索して届けてきた彼女。これからも私たちの人生の隣には阿部真央の音楽があることだろう。
Text by 伊藤美咲
Photo by 森好弘、Ryuji Kainuma
◎公演情報
【阿部真央らいぶ2025 -15th ANNIVERSARY- at 東京ガーデンシアター】
2025年1月26日(日)東京・東京ガーデンシアター
【Abe Mao Billboard Live Tour 2025】
神奈川・ビルボードライブ横浜
2025年6月7日(土)
1stステージ OPEN 14:30 / START 15:30
2ndステージ OPEN 17:30 / START 18:30
大阪・ビルボードライブ大阪
2025年6月14日(土)
1stステージ OPEN 14:30 / START 15:30
2ndステージ OPEN 17:30 / START 18:30
東京・ビルボードライブ東京
2025年6月21日(土)
1stステージ OPEN 14:30 / START 15:30
2ndステージ OPEN 17:30 / START 18:30
https://www.billboard-live.com/tokyo/show?event_id=ev-20461
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