2013/08/22 16:20
今年デビュー10周年を迎えたシンガーソングライター 川嶋あい。音楽の道へ進むキッカケを与えてくれた最愛の母の命日である8月20日、毎年恒例の渋谷公会堂ワンマン公演【One song ~Ai Kawashima 10th Anniversary~】を開催した。
<3.11の震災のあと、私のスタッフは全員被災地へ行きました>
この日は「今年で10周年記念となるコンサートをこの場で出来ること、心より嬉しく思っています。皆さんと一緒に過ごせること、本当に嬉しく思っています。今日も心を込めて歌いたいと思います」と、3年ぶりにリリースされた最新オリジナルアルバム『One song』収録曲を中心に、天使の歌声と呼ばれるクリアボイスで新旧ナンバーを届けていく。
中盤では「3.11の震災のあと、私のスタッフは全員被災地へ行きました。自分はスタッフから放ったらかしにされた。だけど、そんなスタッフを私は誇りに思います」と語りつつ、被災地である南三陸の戸倉中学校生徒と卒業ソングを歌ったエピソードを振り返ると、「12個の季節~4度目の春~」や昔から大事にしている「天使たちのメロディー」をピアノで弾き語る場面も。
<あのときに私は人生の選択を間違ってしまいました>
また、アンコールでは「父と母が座っている席にいっぱいの人が来てくれている、父と母に手を合わせてくれている、それが嬉しくて。……母が歌で育ててくれたから、私の大好きな人をみんなが祈ってくれる。それが、今私が一番大好きな景色です。母の命日から始まった8月20日のコンサート、ここから見える景色もとっても最高です。本当はこの景色の中に一度でも、一回でもいいから、母が居てほしかったけど……」と、赤裸々に心情を語り出す。
「取り返しのつかない、大きな後悔があります。初めて給料が入ったときに、母に電話をして。そしたら物凄く泣いていて、報告をちょっとした後に「ありがとう」って母が言ってくれました。私も同じ言葉を返そうと思ったけど、照れ臭くて何にも言えませんでした。翌日、母はこの世を去りました。あのときに私は人生の選択を間違ってしまいました。11年経った今もただ後悔しています。皆さんのご両親がお元気でいたなら、絶対に大切にして下さい。私のように選択を間違えないで下さい」
そんな魂からのメッセージを放った後、母が夢で逢いに来てくれたことを報告して、最後に「「…ありがとう…」」を熱唱。多くの涙を誘っている。
取材&テキスト:平賀哲雄
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