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2024/11/01

<ライブレポート>FYURA初のワンマンライブ 個性をぶつけ合いながらも、ハーモニーでひとつに

 6人組の女性ボーカルグループFYURA(エフユラ)が10月22日代官山UNITで初のワンマンライブ【FYURA 1st LIVE~The Way 2024】を開催した。

 FYURAは全員が高い歌唱力を誇り、この夏も各所イベントや動画などで話題の6人組。FYURA PROJCTから6人体制のFYURAに生まれ変わってから初めてのライブということもあり、会場は開演前から彼女たちの生の歌声とパフォーマンスに期待するファンの熱気で溢れていた。

 ステージの上にはスポットライトに照らされた椅子が六脚。高さも色も形もバラバラ。メンバーたちが擬人化され、その場にいるかのような雰囲気が漂っていた。すると、会場の明かりが突然消え、深紅の明かりと共に椅子に腰かけたメンバーたちが浮かび上がる。リーダーNiinaの「FYURA1st LIVE The Wayへ、ようこそ!」という第一声と共に、FYURAの定番曲「NAKED」で1stライブの幕が開いた。6人の個性的でパワフルな歌声に客席からのクラップが沸き上がり、冒頭からステージと客席が一体感に包まれた。

 続く「HANDS UP」は一転、k2の優しい歌声響く。メンバーのハーモニーから始まり様々なジャンルが目まぐるしく入り混じる。まるでミュージカルを見ているかのようにゴスペル、ヒップホップ、ロック、ファンクへと次々と曲調が転換し、FYURAの音楽性の幅の広さを感じさせる。

 「サヨナラBaby Boo」は、大人になりきれない女の子の強がりな気持ちと切なさをモータウンのサウンドに乗せた一曲。Doo-wopのハーモニーを今の世代の子たちが歌うと懐かしいというより、むしろ新鮮さを感じてしまう。さらにラテンの心地よいリズムと共に大人の顔がのぞく「LADY」、そしてLUNAの落ち着いた声から始まる大人の雰囲気漂うR&Bの「TODOKANAI」へと続く。

 キュートな曲から大人っぽく女性らしい歌まで、幅広く表現できるのは、最年少14歳のyuzuと最年長21歳のNiinaがいるからこそ出せる魅力だろう。

 そして、弾けるようなダンスチューンの新曲「B.Y.G」。彼女たちが飛び跳ねながら歌声を合わせると、ガールズパーティーに参加したようなしたようなハッピーな気分に、思わず心も体も踊ってしまう。

 その後、会場は暗転。キャンプファイヤーの焚火を囲うようにメンバーたちが椅子を持ってステージの中心に集まってくる。k2がアコースティックギターをチューニングし始めた。「私たちにとってすごく大切な曲で、“あなたのことを想っているよ、考えているよ”というメッセージが込められた曲。私の弾き語りスペシャルです」とk2が語り、「Thinking About You」のアコースティックver.が始まる。柔らかなアコースティックギターと彼女たちの穏やかで優しいハーモニー、そしてオーディエンスの声も会場に響き、温かな空気が流れる。

 続く「Beautiful」では、彼女たちの透明感のある美しいハーモニーが会場全体を包む。「泣いてる心に水をあげよう」というフレーズに心が洗われるような穏やかな気持ちになった。

 バラードに続いては「MAGIC DICE~FYURA MEGA MIX」。Yukiが「私たちは6つの個性を持ったひとつの魔法のサイコロ」とナレーションするように、まさにDICEが転がっていくように激しいリズムに乗った自己紹介が始まる。そして、それぞれがセレクトしたというカバーソロへ。

 Yukiはバラード曲「Tears of Gold/Fauzia」。溢れ出てくる情感たっぷりな歌声に魅了される。yuzuは毎日のように聴いているという「Kill Bill feat.Doja Cat/SZA」を瑞々しい歌声と、小気味いいRAPで披露。Vivyyは本人のリスペクトアーティスト椎名林檎の「本能」を甘く切ない艶のある声で歌い上げ、LUNAは大人の雰囲気を纏ったR&Bの「Cartier/Muni Long」を。k2が「Jealous/Labrinth」を感情豊かな抜群の表現力を見せ、ラストはリーダーのNiinaがちゃんみなの「PAIN IS BEAUTY」を切なく感情をこめたパフォーマンスで締める。ソロパートで改めてFYURA6人6様、それぞれの持つ個性を感じさせてくれた。

 いよいよライブも終盤。ソウル風にアレンジされた「My Joy~soul ver.~」。FYURA新体制になって初の楽曲「+1」。そしてYouTubeでも人気の「BE FREE」へと一気に駆け抜けていく。そしてイベントでの定番であるロックナンバー「どうすんの?」「真夜中のパレード」。力強いビートとエネルギー満ち溢れるパフォーマンスでステージの熱気は最高潮へ達した。

 ここでリーダーのNiinaが観客に語り掛ける。「次の曲はライブのタイトルにもなっている『The Way』です。この曲ができあがったとき、私は手紙を受け取ったような気持ちになりました。苦しむたびにこの曲にすごく救われて、いつもこの曲は自分の傍にありました。この曲は私たちからみなさんへの手紙でもあります」そして歌った「The Way」。
 
 “答えはひとつじゃなくてもいいよ 誰かに決められなければそれでいいよ”という歌詞に、彼女たちの今までの一筋縄ではいかなかったであろう想い・葛藤が感じられ、新しい未来に向かっていく力強い姿勢に心打たれ、涙ぐむ人も多く見られた。

 セットリストの最後の曲「NAKED ~do or die~」はオープニングナンバーの「NAKED」をモチーフにした新曲である。NiinaとVivyyが作詞・作曲にも参加した。「私たちのNAKED My Heart。ありのままの心を感じてください」とVivyy。若者の自由奔放であるが故の強さと弱さ、そしてアンバランスさを表した曲だ。彼女たちのむき出しのありのままの姿を見せられ、心の奥底を見せられたようなディープな世界に引き込まれていった。

 鳴りやまない「アンコール」の声に押され、予定になかったアンコールで「Beautiful」の一節を美しい生歌で応え、大きな歓声と拍手と共にFYURAの1stライブは幕を閉じた。

 個性をぶつけ合いながらも、ハーモニーでひとつになるFYURAの今後のさらなる進化が楽しみになるライブだった。

Text:浅野裕子
Photo:小池和正・curly_mads


◎公演情報
【FYURA 1st LIVE~The Way~】
2024年10月22日(火) OPEN18:30/START19:00

◎YouTube情報
【FYURA 1st LIVE~The Way 2024】の様子を11月1日より公式YouTubeチャンネルで随時UP予定https://www.youtube.com/@fyura?app=desktop

◎出演情報
【billboard classics × SNOOPY 『 Magical Christmas Night 2024』】にクワイアとして出演!
公演公式サイト:https://www.billboard-cc.com/snoopy2024

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