シャブージーの「ア・バー・ソング（ティプシー）」が通算15週目の首位を獲得した、今週の米ビルボード・ソング・チャート。

　7月13日付で1位に到達した後、7月27日付から今週（10月26日付）まで14週連続、通算15週目の首位を獲得した「ア・バー・ソング（ティプシー）」。2024年のチャートで複数週首位を獲得したタイトルは以下の通りで、2位以下とはさらに差をつけて最長記録を更新した。

シャブージー「ア・バー・ソング（ティプシー）」（15週）
ポスト・マローン「アイ・ハッド・サム・ヘルプ feat. モーガン・ウォレン」（6週）
ジャック・ハーロウ「ラヴィン・オン・ミー」（5週）
フューチャー、メトロ・ブーミン＆ケンドリック・ラマー「ライク・ザット」（3週）
ケンドリック・ラマー「ノット・ライク・アス」（2週）
テイラー・スウィフト「フォートナイト feat. ポスト・マローン」（2週）
ビヨンセ「テキサス・ホールデム」（2週）

　同時にカントリー・ソング・チャートでも今週19週目の首位を獲得して、今年の最長記録を更新している。

　今週の集計期間（2024年10月11日～10月17日）には、エアプレイが7,400万回（2％減少）、ストリーミングが2,490万回（6％減少）、セールスは6,000（8％減少）を記録して、エアプレイ・チャートでは12週目の首位を獲得。ストリーミング・ソング・チャートでは9週目、デジタル・ソング・セールス・チャートでは先週の2位から1位に上昇して、通算14週目の首位を獲得した。

　2005年1月22日付から集計が始まったデジタル・ソング・セールス・チャートで、1位を獲得した曲の週間売上枚数が6,000を下回ったのは、今週が初のチャート・アクションとなる。アメリカのデジタル・セールスは11年連続で減少傾向にあり、2023年は前2022年の1億5,190万曲から1億3,390万曲に11.9％減少した。

　ストリーミング、セールス、エアプレイの主要3チャートで同時（同週）に1位を獲得したのは以下に続く史上12曲目で、3週以上を達成したのはルイス・フォンシ＆ダディー・ヤンキーの「デスパシート feat.ジャスティン・ビーバー」（5週）以来、約7年ぶりの快挙となる。

シャブージー「ア・バー・ソング（ティプシー）」2024年8月17日、8月24日、10月26日（3週）
アデル「イージー・オン・ミー」2021年12月4日（1週）
ルイス・フォンシ＆ダディー・ヤンキー「デスパシート feat. ジャスティン・ビーバー」2017年7月22日、29日8月5日、12日、19日（5週）
エド・シーラン「シェイプ・オブ・ユー」2017年3月25日、4月1日、8日、15日（4週）
ザ・チェインスモーカーズ「クローサー feat. ホールジー」2016年10月15日、22日、29日、11月5日、12日、19日（6週）
アデル「ハロー」2015年11月28日、12月5日、19日（3週）
ザ・ウィークエンド「ザ・ヒルズ」2015年10月17日、31日（2週）
マーク・ロンソン「アップタウン・ファンク feat. ブルーノ・マーズ」2015年2月7日、14日、21日、3月7日、14日、21日、28日、4月4日、11日（9週）
テイラー・スウィフト「ブランク・スペース」2014年12月27日（1週）
メーガン・トレイナー「オール・アバウト・ザット・ベース」2014年10月11日、18日（2週）
イギー・アゼリア「ファンシー feat. チャーリーxcx」2014年6月28日（1週）
ファレル・ウィリアムス「ハッピー」2014年5月3日（1週）

また、「ア・バー・ソング（ティプシー）」はHot 100とエアプレイ・チャートで同時（同週）に12週間以上首位を獲得した、以下に続く史上4曲目のタイトルにも輝いた。

シャブージー「ア・バー・ソング（ティプシー）」（2024年 / 12週間）
マライア・キャリー「ウィ・ビロング・トゥゲザー」（2005年/ 14週間）
アッシャー「YEAH！ feat. リル・ジョン＆リュダクリス」（2004年 / 12週間）
マライア・キャリー＆ボーイズIIメン「ワン・スウィート・デイ」（1995～1996年 / 12週間）

　ソング・チャート“Hot 100”で首位獲得週が15週を上回ったのは、2023年3月から8月にかけて通算16週を記録したモーガン・ウォレンの「ラスト・ナイト」以来で、2020年代では「アズ・イット・ワズ」と同率の2番目に記録を更新し、最長記録まで1週に迫った。なお「恋人たちのクリスマス」は初めて1位を獲得した2019年からの記録を含めると、通算14週間首位を獲得している。

16週　モーガン・ウォレン「ラスト・ナイト」（2023年）
15週　ハリー・スタイルズ「アズ・イット・ワズ」（2022年）
15週　シャブージー「ア・バー・ソング（ティプシー）」（2024年）
12週　マライア・キャリー「恋人たちのクリスマス」（2020～2023年）
11週　ロディ・リッチ「ザ・ボックス」（2020年）
10週　アデル「イージー・オン・ミー」（2021年）
10週　BTS「Butter」（2021年）

　ソング・チャート“Hot 100”の集計が始まった1958年以降、66年の歴史の中で首位獲得週が15週間を超えたのは「ア・バー・ソング（ティプシー）」が史上6曲目で、首位を獲得した全1,174曲中の厳選された一曲となった。なお、その6曲全てがルミネイトによる集計が始まった1991年以降に首位を獲得していて、それ以前より長く首位を獲得しやすくなったことが分かる。

　ビリー・アイリッシュの「バーズ・オブ・ア・フェザー」は今週も2位をキープして、ロック＆オルタナティブ・ソング・チャートとオルタナティブ・ソング・チャートではそれぞれ11週目の首位を獲得した。

　サブリナ・カーペンターの「エスプレッソ」は先週の4位から3位に上昇。「テイスト」は7位から8位、「プリーズ・プリーズ・プリーズ」も9位から10位にワンランクダウンしたが、今週も最新アルバム『ショート・アンド・スウィート』から3曲をTOP10にランクインさせている。TOP10に3曲をランクインさせたのは今週が8週目で、3曲以上を8週間以上ランクインさせたアーティストとしては、50セント（2005年 / 11週間）、ザ・ビートルズ（1964年 / 10週間）、ジャスティン・ビーバー（2015～2016年 / 10週間）、ドレイク（2018年 / 9週間）、T-ペイン（2007～2008年 / 9週間）に続く6組目の記録を達成している。

　レディー・ガガ＆ブルーノ・マーズの「ダイ・ウィズ・ア・スマイル」は先週の5位から4位に上昇して、ポスト・マローンの「アイ・ハッド・サム・ヘルプ feat. モーガン・ウォレン」は3位から5位に下降。テディ・スウィムズの「ルーズ・コントロール」は先週の8位から6位に上昇して、TOP10のランクイン総週を史上5番目の40週目に更新した。

57週　ザ・ウィークエンド「ブラインディング・ライツ」（2020～2021年）
44週　ザ・キッド・ラロイ「ステイ with ジャスティン・ビーバー」（2021～2022年）
41週　モーガン・ウォレン「ラスト・ナイト」（2023～2024年）
41週　デュア・リパ「レヴィテイティング」（2021年）
40週　テディ・スウィムズ「ルーズ・コントロール」（2024年）
39週　ポスト・マローン「サークルズ」（2019～2020年）
38週　ハリー・スタイルズ「アズ・イット・ワズ」（2022～2023年）
37週　グラス・アニマルズ「ヒート・ウェイヴス」（2021～2022年）

　以下、チャペル・ローンの「グッド・ラック、ベイブ！」は6位から7位に順位を下げて、先週TOP10復帰したベンソン・ブーンの「ビューティフル・シングス」は10位から9位に上昇した。

Text: 本家 一成

※関連リンク先の米ビルボード・チャートは10月25日以降掲載予定となります。

◎【Hot 100】トップ10
1位「ア・バー・ソング（ティプシー）」シャブージー
2位「バーズ・オブ・ア・フェザー」ビリー・アイリッシュ
3位「エスプレッソ」サブリナ・カーペンター
4位「ダイ・ウィズ・ア・スマイル」レディー・ガガ＆ブルーノ・マーズ
5位「アイ・ハッド・サム・ヘルプ」ポスト・マローン feat. モーガン・ウォレン
6位「ルーズ・コントロール」テディ・スウィムズ
7位「グッド・ラック、ベイブ！」チャペル・ローン
8位「テイスト」サブリナ・カーペンター
9位「ビューティフル・シングス」ベンソン・ブーン
10位「プリーズ・プリーズ・プリーズ」サブリナ・カーペンター