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2024/10/16

THE ALFEE「歩みを止めないでよかった!」お祭りモードで駆け抜けたデビュー50年目の夏! 計4万人が集った【50年目の夏祭り】完全ライブレポート公開

 1973年の結成以降、日本で最も数多くのライブを開催してきた(グループ最多公演記録保持)THE ALFEE。デビュー50周年を迎えた2024年、8月17日と18日【U-NEXT Presents THE ALFEE 2024 Wind of Time 50年目の夏祭り Supported by 第一興商】をKアリーナ横浜にて開催した。

<お祭りモードで駆け抜けたデビュー50年目の夏>

 THE ALFEE、デビュー50年目の夏は凄まじかった。全国各地で祝祭モードのライブを繰り広げた【THE ALFEE 50th Anniversary 風の時代・春 From The Beginning】を七夕に完遂すると(※春ツアーライブレポ⇒https://www.billboard-japan.com/d_news/detail/140537)、そのタイミングで「50周年はお祭りですから。お祭りと言えば夏祭り、夏祭りと言えば盆踊り(高見沢俊彦)」という想いからあの名曲を音頭アレンジした「メリーアン音頭」デジタル配信にてリリース。畳み掛けるように、アニメ『シンカリオン チェンジ ザ ワールド』エンディング主題歌&明石家さんま主演ドラマ『心はロンリー 気持ちは『・・・』FINAL』主題歌を収めたニューシングル『KO. DA. MA. / ロマンスが舞い降りて来た夜』も7月24日に発売した。

※THE ALFEEデビュー50周年記念『KO. DA. MA./ロマンスが舞い降りて来た夜』『五十年祭』インタビュー
https://www.billboard-japan.com/special/detail/4484

 さらに、8月序盤に行われた秋田の竿燈まつりでは「THE ALFEEの竿燈」が上がり、青森のねぶた祭では(高見沢俊彦が織田信長、坂崎幸之助が豊臣秀吉、桜井賢が徳川家康といった有名戦国武将に象られた「THE ALFEEねぶた」も運行。8月14日には、初のトリビュートアルバム『五十年祭』をリリースし、打首獄門同好会、宮野真守、西川貴教、Chilli Beans.、怒髪天、坂本冬美、東京03、氣志團、スチャダラパー feat. LUVRAW、SEX MACHINEGUNS、TUBEといったャンルレスな顔ぶれによるカバーが大きな話題となった。25日には、有明アリーナにて【THE ALFEE 50th Anniversary Premium Members】セレモニー&スペシャルコンサートを開催し、総勢31人から成るTHE ALFEE Premium Orchestraを従え、1万人のファンと共に50周年を祝った。

<「50年目のTHE ALFEEを堪能して頂きたいと思います」>

 そんなお祭りモードで駆け抜けたデビュー50年目の夏。今回の記事では、2days計4万人を集めた【THE ALFEE 2024 Wind of Time 50年目の夏祭り】の2日目、Final公演のレポートをお届けしたい。会場を埋め尽くす超満員のオーディエンスのもとへ荘厳なオーケストレーションと共にセンターステージ中央から現れた3人は、80's然としたシンセサウンドも取り入れられた「白夜 -byaku-ya-」から3人のスイッチボーカルにサビの開放的な3声ハーモニーが美しい「FLOWER REVOLUTION」と、50年目の夏祭りの幕開けに相応しい、歓喜に満ちたライブパフォーマンスをお届け。客席からも嬉々とした大歓声が贈られる。

 「50周年目の夏祭り2daysファイナルでございます! 今夜もKアリーナ横浜、3人ともやる気満々。桜井のサングラスも大興奮で、今夜も取れちゃいましたー!」といった坂崎のフリで、まさかのサングラスを外す桜井! と思ったら、その下にもサングラスをかけていたー!「初めての方も、ベテランの方も、関係者の皆さん方も、思う存分50年目のTHE ALFEEを堪能して頂きたいと思います。最後までよろしくねー!」そんな序盤からしっかり笑いを取っていくMC後も「シンデレラは眠れない」「STARSHIP -光を求めて-」「ロマンスが舞い降りて来た夜」とキャッチーでドラマティックな新旧ポップチューンを畳み掛け、会場中を笑顔に染め上げていくTHE ALFEE。なんて清々しい音楽空間なんだろう。

 客席を眺めながら「本当に凄いよね。物凄い迫力で、秩父の山を思い出す」と桜井が言い始めると、坂崎&高見沢からのムチャぶりで「秩父音頭」をラップバージョンで歌わされる流れとなったり、かつて高見沢に「ALFEEの為だ」とそそのかされて桜井が角刈りにしたらレコード会社に怒られたエピソードを披露したり、その流れから恒例の毛髪トークで爆笑を誘ったりと、50年目のスーパースターバンドらしからぬトークで楽しませてくれる3人。そんなリラックスしたムードの中で「レコード会社を辞めてライブハウス中心に活動していた頃の曲をやってみようかなと。あの頃、10人ぐらいの前でやってたよね。研ナオコさんやかまやつひろしさんのバックバンドをやっていたときにALFEEのコーナーをもらってね。そこでも歌ったりしていました」と、初期の力作「夕なぎ」をアコギにハーモニカと抒情的なフォークサウンドに乗せて熱唱する貴重な一幕も。

<半世紀に及ぶ音楽への挑戦を絶え間なく続けてきたからこそ>

 その後は「恋人達のペイヴメント」「星空のディスタンス」とヒット曲を連発。THE ALFEEの存在を日本中に知らしめ、50周年を迎えるほどのモンスターバンドに成長させた名曲たちをこの日も全身全霊で届けていく。さらに「ここまで「夕なぎ」以外は全部シングル曲をやってきました。シングル楽曲ってその時代時代を思い出すよね。50年経って素直に感じることはね、歩みを止めないでよかった! ということですね。再結成でもなく、真の50周年ですからね! そこは誇りを持っていいかなと思っています。同じバンドでね、ずっと新曲を毎年出し続けているバンドは、世界でも例がないみたいです。学生時代に出逢ったバンドが50年経ったらこんな曲に辿り着きました」そう高見沢が語ると、ライブは最新シングル曲「KO. DA. MA.」から本編最後の畳み掛けへ。

 50年目でここまでハードでメロディアスなメタルナンバーをシングルリリースしていることも驚きだが、逆に言えば半世紀に及ぶ音楽への挑戦を絶え間なく続けてきたからこそ、今もTHE ALFEEは現役バリバリのチャレンジャーでいられるのだろう。それを改めて痛感させた組曲的プログレナンバー「幻夜祭」。1995年のアルバム『夢幻の果てに』リリース当時と変わらぬ熱量で、あの頃より明確に表現力も技術も増した演奏、全編3声コーラスで歌うタイトな楽曲ながら爆発的な力を感じさせる3人のボーカル、そして時代がどんなに変わっても確実に突き刺さるメッセージを響かせてみせた。THE ALFEEはやはり規格外すぎるバンドである。その後も噴射する無数の炎に包まれながらメロディックスピードメタルナンバー「ジェネレーション・ダイナマイト」を駆け抜けるように熱唱&熱演し、彼らの音楽人生とその生き様に重なるエモーショナルなアンセム「Heart of Justice」「Musician 2024」で我々を鼓舞し、涙と笑顔を誘ってみせたTHE ALFEE。「君のための 歌いつづけよう」というフレーズにこれほどの説得力を持たせられるバンドもいないだろう。

<巨大な空間で飛び交いながら歌えるエンターテイナー>

 と、感激させられたあとにコントを始めるバンドも絶対にいないよね、THE ALFEE以外。そんなわけでアンコールは(THE ALFEEの3人が扮するアイドルグループで、桜井賢の「ま」、高見沢俊彦の「た」、坂崎幸之助の「さき」を取った)またさきトリオのコーナーから始まる。「デビューしたのは、約50年前! あの頃、僕らも若かった。まっちょ(桜井賢)もリーゼントができるぐらい髪に張りがあったよなぁ。このアリーナはね、縁起がいいよ」「なんで?」「なんたってここはKアリーナ。毛ぇがありーな。ここで歌うと毛が生えるんだって」「本当?」と笑いを誘いつつ、さきっちょ(坂崎)が北島三郎の大名曲「まつり」を本人さながらのこぶしを効かせながら熱唱したかと思えば、まっちょがアクリルエンジェルでエアギターを弾き出し、それをぶん投げると端っこが欠けてしまい「いーよいーよ気にしないで。ちゃんと請求するから、500万」とたっちゃん(高見沢)に言われて落ち込むシーンも(笑)。

 その後、気分を変えて「メリーアン音頭」でみんなと踊り出したり、初期の名曲「危険なリンゴ」で盛り上がったりと、終始会場を湧かせてまたさきトリオのコーナーは終了。そして「LONG WAY TO FREEDOM」のイントロが流れてきたと思ったら、なんと宙を舞う高見沢の姿が! 昨年末、日本武道館で観たときも驚いたが、Kアリーナ横浜はその倍のデカさ。これほど巨大な空間で飛び交いながら歌えるエンターテイナーぶりには、脱帽である。また、続く「SWEAT & TEARS」では、事前のインタビューで「例えば「SWEAT & TEARS」で3人並んで激しく体を揺らしながら演奏したりする。あれね、やっちゃうんですよ。終わったあとのことを考えずに。結局、若い頃にやっていたことを同じようにやっちゃうんだよね!(桜井)」「体が勝手に動いちゃうんだよ!(高見沢)」と語っていた通り、70歳(桜井は来年1月で70歳)とは思えないアグレッシヴなステージングでオーディエンスを煽情。

<「俺達の時代を忘れないで 風に吹かれていたあの頃を」>

 さらに、2度目のアンコールを受けて登場すると「なつかしき恋よ夢よ友よ 未だゴールは見えず」とアコースティック編成で「明日なき暴走の果てに」を披露。高見沢はこの曲に対し「まさに今のTHE ALFEE」と称し、「50年、あっという間でした。たくさんイヤなこともあったけど、今がよければ悪いことも全部デリートできますから。僕らは野心もなく、中途半端なままでデビューしちゃったから最初は大変でしたけれども、みんなと出逢って。僕らの歌を選んでくれて、コンサートを選んでくれて、なんとか50周年。でも、まだまだこれからですね。当面はみんなと(公演数)3000本を目指しましょう! 僕らは活動を止めないし、引退もしない。だって、まだまだ伝えたい歌がたくさんありますから! 安心してついてきてください」と語った。

 そして「いつも、どんなときも、THE ALFEEの歌がそばにあったと言われるような、そんな存在のバンドで在り続けたいと思っています。僕らも出逢ってからずーっと一緒。みんなともずっとこのままいきましょう」と、そんな想いを込めた「いつも君がいた」を美しく優しくも力強い3声ハーモニーで届けていき、かつてオールナイトコンサートにて雨上がりに朝日が昇る中で歌われた伝説的な1曲「夜明けのLANDING BAHN」も情感たっぷりに披露していく。

 ここまでまたさきトリオのコーナーも含めると22曲。通常のコンサートであればこれで大団円を迎えるところだが、彼らは3度目のアンコールに応えて、特別に23曲目を披露してくれた。それは、10万人が集結した伝説の野外コンサート【THE ALFEE 1986.8.3 SWEAT&TEARS TOKYO BAY-AREA】をはじめ、これまで幾度となる夏の公演で歌い続けてきた「ROCKDOM -風に吹かれて-」。50年目の夏に相応しい名曲を最もエモーショナルな歌声と演奏で響かせ、最後は「俺達の時代を忘れないで 風に吹かれていたあの頃を」と2万人のファンと繰り返しシンガロングするという、感涙必至のラストシーンをみんなで創造してみせた。

 こうしてまたひとつ新たな伝説を刻んだTHE ALFEEだが、彼らの50周年はまだまだ終わらない。早くも10月3日からは日本中を駆け巡る秋ツアー【THE ALFEE 50th Anniversary 秋の祭典】を敢行。そして、12月23日と24日に日本武道館、29日に大阪城ホールで【THE ALFEE 50th Anniversary 冬の祭典】を開催することも決定しているので、ぜひ足を運んでみてほしい。

取材&テキスト:平賀哲雄
カメラマン:上飯坂一

◎ライブ【U-NEXT Presents THE ALFEE 2024 Wind of Time 50年目の夏祭り Supported by 第一興商】
2024年8月18日(日)Kアリーナ横浜 セットリスト:
01.白夜 -byaku-ya-
02.FLOWER REVOLUTION
03.シンデレラは眠れない
04.STARSHIP -光を求めて-
05.ロマンスが舞い降りて来た夜
06.夕なぎ
07.恋人達のペイヴメント
08.星空のディスタンス
09.KO. DA. MA.
10.幻夜祭
11.ジェネレーション・ダイナマイト
12.Heart of Justice
13.Musician 2024
アンコールI
14.2024夏コント【またさきトリオ】
15.メリーアン音頭
16.危険なリンゴ
17.LONG WAY TO FREEDOM
18.SWEAT & TEARS
アンコールII
19.明日なき暴走の果てに
20.いつも君がいた
21.夜明けのLANDING BAHN
アンコールIII
22.ROCKDOM -風に吹かれて-

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