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2024/06/25

<インタビュー>サー・ディア(鹿先森)が語る、来たる10周年「次の10年はもっとワイルドなものになる」

<キャンパスに戻り、人生の可能性を見出す>

 ビルボード・チャイナとのカバー・ストーリーのインタビューの前夜、サー・ディア(鹿先森)は河南省で即席キャンパス・コンサートを3公演開くことにした。サー・ディアのリード・ボーカル、ベイ・ベイは、キャンパス・コンサートでのつかの間のひと時を、いつもスリリングなものだと語る。この2年間で、サー・ディアは20校ものキャンパスを回った。

 サー・ディアによると、どんな些細な出来事も人生の軌跡を変える可能性を秘めている。大学時代に音楽サークルに参加してライブを企画した経験が運命の歯車を動かし、やがてバンド結成への種まきとなった。最新のキャンパス・ツアーでも、サー・ディアはかつてと同じように音楽への情熱を共有する多くの若者たちと出会った。 サー・ディアは、今回の公演がこうした学生たちの心に理想の種をまくことになると信じている。

 劇場やライブハウスでの公演と同様に、サー・ディアのキャンパス・コンサートは本格的なツアー・プロダクションを採用している。多くの学生にとって初のコンサートになるだけでなく、サー・ディアのライブとの出会いにもなる。「学生の人生を左右しかねないだけに、キャンパスで演奏するプレッシャーは本当に計り知れないものです。そのため、自分たちの中に責任感が芽生えているのを感じます。」

 ベイ・ベイは、 サー・ディアのキャンパス・ツアーが学生たちに“もうひとつの可能性”を提示できることを願っている。「大学受験が山のようにそびえ立ち、大学院での勉強は困難を極める……だがその峰の向こう側にはどのような景色が待っているのだろうか?音楽を皆の悩みを解決する方法にしてみよう。今抱えている不安も、一晩演奏すれば少しずつ解消されるかもしれない。少なくとも音楽の領域において、私たちは生徒たちに人生の大きな可能性を示したいと願っています。」

<自己革新、恐怖に正面から立ち向かう>

 パンデミックによる激動の2年間、サー・ディアのみならず全人類が試練に耐えなければならなかった。ベイ・ベイからすれば、この苦難の時期は、内面的にも外面的にも展開する“修行”の一部であった。

 今年の初め、ベーシストのリー・スーはウェイボーに心のこもったメッセージを投稿した。「肉体も魂も回復を必要とするこの時期において、私たちは皆、手を取り合って進まなければなりません。」リー・スーの人生にとって最も重要なのは、サー・ディアが持つ“チーム・スピリット”だ。「これらの友情の絆は、非常に困難な時期を乗り越える上で、私を助け、前進させ、前向きになる原動力を与えてくれました。」

 サー・ディアのリズム・ギタリスト、ヤン・ソンリンは典型的な“理系”だ。芸術的かつエモーショナルな感性が創造の主軸となるこのバンドの中で、ヤンは自身の理性がメンバーの童心を守るための道具だと率直に認めている。「チームにおける自分の役割は、安定のあるリズムを確保することだと理解しています。」

 デジタル時代において、バンドは単に曲を演奏するだけでなく、ソーシャルメディア上での機会を積極的に探らなければならない。サー・ディアのリード・ギタリストとして、ドン・ビンはバンドにとって数え切れないほどの“初めて”に貢献してきた。ドン・ビンの本業は建築デザインだ。「公演前は興奮に満ち溢れ、仕事場に戻ると心が落ち着きます。自分の人生の長さをコントロールすることはできないですが、その幅をつかむことはできます。」

 キーボーディストのビン・ビンは、サー・ディアの新曲で、キャリアのハイライトと語る母親との女性ボーカルによるハーモニーを録音した。「バンドの作品に感情を吹き込むために、最も身近な家族とコラボレーションできたこと、音楽的な文脈におけるこの感情的なつながりは、生涯忘れられない経験となりました。」

 ドラマーのPPが今年産休に入った後、何名かのドラマーがゲスト・ミュージシャンとしてサー・ディアに加わってきた。また、サー・ディアとテンセント・ミュージック・エンタテインメント・グループとの綿密な協力関係は、バンド・メンバーに新たな創作意欲を吹き込んだ。こうした新たなパートナーシップは、サー・ディアの未来に新しい未知の可能性をもたらしている。

<変化を受け入れ、さらに“ワイルド”な10周年へ>

 時の流れは絶えず変化しており、サー・ディアの進化はその落ち着きのない歩みを反映している。変化を受け入れるということは、ベイ・ベイが自分自身とバンドに授けた教訓だ。「ある決断をするときには、それに伴う他の側面も受け入れることが重要です。変化するための勇気を持てば、問題はありません。」

 2015年8月31日に結成されたサー・ディアは、来年活動10周年を迎える。この10年間には、無数の勝利と苦難があった。サー・ディアのメンバーたちは10年間の旅路をどのように祝うのだろうか?ドン・ビンは、間違いなく記念公演が行われると述べる。「この回顧コンサートでは、私たちの進化といくつかの考えを提示し、10周年にふさわしい内容になることを願っています。」

 リー・スーは、10周年という節目にサー・ディアが初めて結成された2015年のことを思い出さずにはいられない。当時、メンバー全員でビン・ビンの家に集まり、デビュー曲のタイトル、クリエイティブ面における全体的な方向性、レコーディングの計画、リハーサルのスケジュールについて話し合った。リー・スーの記憶によると、過去10年間にこのようなセッションは数え切れないほど行われてきたが、どれも全員が熱心に参加し、欠席することはなかった。

 ベイ・ベイは、年内の予定について、これまでのサー・ディアの作品に比べ“少しワイルド”なコレクションを発表するつもりだと語った。「私たちは、まだ実現していない多くの芸術的な野心を抱いていますし、もっと速く、もっと高く舞い上がりたいと思っています。【第31回大学生映画祭】に参加したことで、音楽のビジュアル要素の重要性を認識しました。皆さんとの10年間が無駄ではなかったことを大変光栄に思いますし、サー・ディアの次の10年が、さらにワイルドなものになることを願っています。」

Text: Jifan Wang / Photo: Sanke Ren
Stylist: Slap Youkou / Makeup & Hairstyle: Toby (The E.N.T), Huihui (The E.N.T), Danni (The E.N.T)
International Copyright: Hyde, Singing, DengDeng

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