2024/06/11
音楽業界向けのビジネスカンファレンス【Music Ally Japan ビジネスサミット 2024】が5月31日にWITH HARAJUKU HALLで開催された。
チケットは完売となり、会場には音楽業界関係者を中心に約300人が集まった。そして9つのカンファレンスにおいて、アーティストの海外戦略について必要な考え方や、様々なテクノロジーの活用術について紹介された。
まず1つ目のセッションのテーマは『グローバルインパクトをもたらす人材とは?~世界第2位音楽市場の日本が取るべきグローバル戦略とアーティストビジネスの未来を問う』。宍倉 麻里子氏(株式会社ワーナーミュージック・ジャパン / Head of Talent & Development)と、籔井 健一氏(グリッジ株式会社 / 代表取締役)をゲストに迎え、自社の人材育成や採用基準、組織全体を底上げするための方法などが語られた。
続く2つ目のセッションは『日本人アーティストが世界のオーディエンスを魅了するためのデータ活用術』。チャズ・ジェンキンス氏(Chartmetric / チーフコマーシャルオフィサー)が、海外需要についての分析方法や、オーディエンスの特性を活かした施策についてプレゼンテーションを行った。
そして午前中最後のセッションは『音楽×ゲームx海外戦略: 日本の音楽業界はなぜ今、グローバル・ゲーム市場と繋がるべきか?』。坂本 和則氏(株式会社Phoenixx / 代表取締役)、大塚 角満氏(元ファミ通フェロー、ゲームエッセイスト)が、モデレーターの河村剛志氏(Music Ally Japan)とともに登壇し、国内のインディペンデントゲームと音楽の相乗効果の可能性について語り合った。
休憩をはさみ、午後の1つ目のテーマは『生成AIと音楽業界: AIを活用した音楽マーケティング術と、AIとの協業が日本の音楽業界にもたらす未来』。本セッションは事前収録された動画によって、インタビュアー山崎 卓也氏(弁護士/Music Ally Japan)とともに、マーレン・ヒュエルブロック氏(Music Ally / Head of Marketing & Audience)、ソフィー・グースンス氏(Reed Smith LLP / パートナー)が登場した。
続くセッションは『日本の音楽業界が学ぶべき、世界基準のUGCビジネスの今と未来』。アレン・スワーツ氏(株式会社オーフィアム・ジャパン / 代表取締役)、中島 和義氏(エイベックス・ミュージック・クリエイティヴ株式会社 デジタルソリューショングループ / ゼネラルマネージャー)、小笠原 剛氏(グーグル合同会社 / YouTube ミュージック レーベル・リレーションズ マネージャー)が、モデレーターのジェイ・コウガミ氏とともに登壇し、YouTube UGCコンテンツの収益拡大における運用について議論を交わした。
短い休憩をはさんだ後は、『グローバル・アクセスを支援する、現代版アーティト・チーム作り』。ジェイ・コウガミ氏が、イリチャード・ゴッテラー氏(The Orchard / 共同創設者兼Chief Creative Officer)、増田 雅子氏(Sony Music Entertainment / The Orchard Japan Room チーフマネージャー 兼 The Orchard Japan / Vice President)を迎え、各国ローカルへのアプローチ方法についてセッションした。
そして『世界成長率No.1の中国を知る: 世界の音楽業界が中国に注目する理由とは?』では、ティンコ・ゲオルギエフ氏(Kanjian Music / インターナショナルビジネス担当副社長)が登場。インタビュアーを務めた野本 晶氏(マーリンジャパン株式会社 / ゼネラルマネージャー)とともに、中国の音楽業界の収益モデルや音楽著作権料の徴収と分配方法について語られた。
『日本人アーティストの海外展開で活用すべき世界のトレンド』ではヘレナ・コシンスキー氏(Luminate / グローバル担当副社長)が登壇。同社が保有する、世界200以上の国と地域の音楽データを使いながら、現在グローバルで起こっている音楽のトレンドについて、紹介された。なお、Luminateは先日、阪神コンテンツリンクとのパートナーシップを発表。今後、音楽データ分析ツール「LUMINATE」を日本でも販売していくことで、日本人アーティストのグローバル展開を一層支援していくと、意気込みを見せた。
最後のセッションは『新時代の世界展開を始める第一歩: 日本人アーティストのグローバル・ブレークスルー戦略』。ダスコ・ジュスティック氏(Sony Music Entertainment / SVP, International Strategic Market Development, Latin-Iberia)、井口昌弥氏 (ユニバーサル ミュージック合同会社 / BE-U / VMG マネージングディレクター)、そしてモデレーターのジェイ・コウガミ氏によって、日本人アーティストの海外マーケティングプランについて熱い議論が交わされた。
そして、イベントの最後は松田 実月氏(Music Ally Japan / エグゼクティブ・プロデューサー)が登壇。来年への意気込みや、日本の音楽マーケットの展望によって締めくくられた。国内外から、13人のゲストが登場した本カンファレンス。今後、一層加速していくであろう各国のアーティストのグローバル展開に向けて、様々なヒントやアイディアに満ちた一日となっただろう。
◎開催情報
【Music Ally Japan ビジネスサミット 2024】
2024年5月31日(金)
WITH HARAJUKU HALL
関連記事
最新News
アクセスランキング
1
<映画レビュー>BE:FIRSTのなにがそれほど多くの人の心を掴むのか?『BE:the ONE -MEANT TO BE-』が描く“Masterplan”の始まり
2
JUNG KOOKのドキュメンタリー『I AM STILL』新ビジュアル&未公開場面カットが解禁
3
<インタビュー>沖縄アクターズスクールから13歳のアーティストNeilがデビュー 牧野アンナが語るアクターズ再始動の軌跡
4
syudou、挑戦の一年を締めくくるライブで見せた覚悟「僕はsyudouを背負い、前に進んでいきたい」
5
<ライブレポート>tonun、スモーキーな歌声と卓越したギタープレイに目を見張る弾き語りワンマンツアー最終日
インタビュー・タイムマシン
注目の画像