2024/05/13
テイラー・スウィフトの『ザ・トーチャード・ポエッツ・デパートメント』が3週目の首位を獲得した、今週の米ビルボード・アルバム・チャート。
1位に初登場した2024年5月4日付から、先週(5月11日付)、そして今週(5月18日付)で3週目の首位をマークした『ザ・トーチャード・ポエッツ・デパートメント』。デビュー週から3週連続で首位を獲得したのは、2023年8月12日~9月2日付まで4週を記録したトラヴィス・スコットの『ユートピア』以来で、自身の記録では2020年8月8日~9月12日付まで6週間をマークした『フォークロア』以来となる。
『フォークロア』 (2020年)
『エヴァーモア』 (2020年)
『フィアレス(テイラーズ・バージョン)』(2021年)
『レッド(テイラーズ・ヴァージョン)』(2021年)
『ミッドナイツ』(2022年)
『スピーク・ナウ(テイラーズ・ヴァージョン)』(2023年)
『1989(テイラーズ・ヴァージョン)』(2023年)
『ザ・トーチャード・ポエッツ・デパートメント』(2024年)
なお、『フォークロア』から『ザ・トーチャード・ポエッツ・デパートメント』までには上記の6作が首位を獲得しているが、初登場からの連続首位獲得記録は3週を上回らなかった。
『ザ・トーチャード・ポエッツ・デパートメント』は、今週の集計期間(2024年5月3日~5月9日)にストリーミングが229,500(30%減少)、セールスが51,000(53%減少)、トラックによるユニットは1,500(43%減少)をそれぞれ記録して、累計282,000ユニット(36%減少)を獲得した。アルバムの週間再生回数は、2億9,833万回を記録している。
登場3週目の週間ユニットとしては、自身の『ミッドナイツ』が登場3週目の2022年11月19日付で299,000を記録して以来の最高値を更新した。
テイラー・スウィフトは、今週でBillboard 200での首位獲得総週を72週に更新して、ソロ・アーティストとしては故エルヴィス・プレスリーのもつ67週をさらに引き離し、史上最長記録を塗り替えた。首位獲得総数としては、ジェイ・Zのもつ14作に並び、ザ・ビートルズ(19作)に続く史上2番目、ソロ・アーティストとしては同率のトップに立った。
続いて今週2位には、デュア・リパのニュー・アルバム『ラジカル・オプティミズム』が初登場して、2020年に最高3位を記録した前作『フューチャー・ノスタルジア』に続く2作目のTOP10入りを果たし、自己最高位を更新した。
『ラジカル・オプティミズム』の初動ユニットは83,000で、その内訳はセールスが51,500(今週のトップ・セールス)、ストリーミングが30,500(3,970万回)、トラックによるユニットは1,000だった。週間セールスとしては自己最高記録を更新している。
高セールスを記録した本作は、それぞれ11曲が収録された全20種類のフィジカルがリリースされていて、アナログ盤はカラー・バリエーションの異なる11種類(うち1種類はサイン入り)、カセットテープが2種類、CDはレンチキュラー仕様のスタンダード・バージョンと、公式サイト限定で販売されたサイン入りのスタンダード・バージョン、ZINE-CD、TシャツとCDを封入した4つのデラックス・ボックス・セット(うち2種はサイン入りのアートカード付き)がある。
デジタル・ダウンロードは、11曲を収録したスタンダード・バージョンと、2曲のボーナス・トラックを追加したデラックス・アルバムが公式サイト限定でリリースされた。
『ラジカル・オプティミズム』からは3曲のリード・シングルがリリースされていて、1stシングルの「フーディーニ」が2023年11月のソング・チャート“Hot 100”で11位、2ndシングルの「トレーニング・シーズン」が2024年3月に27位、3rdシングルの「イリュージョン」は4月27日付で43位にそれぞれランクインした。
デュア・リパは、現地時間20204年2月4日に開催された【第66回グラミー賞】、3月2日に開催された【ブリット・アワード2024】でそれぞれパフォーマーとしてオープニングを飾り、【ブリット・アワード】では「トレーニング・シーズン」、【グラミー賞】では同曲に加え映画『バービー』のサウンドトラックから「ダンス・ザ・ナイト」、「フーディーニ」のメドレーを披露した。
アルバムのリリース翌日5月4日には、米NBCのバラエティ番組『サタデー・ナイト・ライブ』で司会と音楽ゲストを務め、「イリュージョン」とアルバム収録曲の「ハッピー・フォー・ユー」を披露。その他、現地時間4月17日に発表された米タイム誌の「世界で最も影響力のある100人」に選出され、同誌の4月29日号や米ローリング・ストーン誌(2月号)、エル(5月号)の表紙を飾るなど、様々なメディアに露出してプロモーションを強化した。
先週2位にランクインしていたモーガン・ウォレンの『ワン・シング・アット・ア・タイム』(70,000ユニット / 3%増加)は3位に、フューチャー&メトロ・ブーミンの『ウィー・ドント・トラスト・ユー』(61,000ユニット / 1%減少)も3位から4位にワンランクダウンして、今週5位にはSEVENTEENのベスト・アルバム『17 IS RIGHT HERE』が初登場した。
SEVENTEENのTOP10入りは、『Face the Sun』(2022年 / 7位)、『SECTOR 17』(2022年 / 4位)、『FML』(2023年 / 2位)、『SEVENTEENTH HEAVEN』(20203年 / 2位)に続く5作目で、『Face the Sun』から5作連続でTOP10にランクインしている。
『17 IS RIGHT HERE』は、初週セールスが49,000、ストリーミングが4,000(550万回)をそれぞれ記録して、累計53,000ユニットを獲得した。本作は、ポスターやフォトカードがランダムに封入された複数のCDがリリースされていて、バーンズ・アンド・ノーブルとターゲットではスペシャル・エディションが独占販売され、サイン入りもあった。
続いて今週6位には、カニエ・ウェスト(イェー)とタイ・ダラー・サインの『ヴァルチャーズ1』が先週の52位からジャンプアップして、10位にランクインした3月30日付以来、約2か月ぶりにTOP10入りを果たしている。
『ヴァルチャーズ1』は、2024年2月10日にリリースされた当初ダウンロードとストリーミングのみ解禁されていて、公式サイトでは発売日を明確にせずフィジカルの予約のみ受付していたが、今週アナログ盤が発送されたことでセールスが急増し、前週から37,841%増加の31,000枚を売り上げて、累計45,000ユニット(173%増加)を獲得した。アナログ盤の週間セールスとしては、両者にとってこれまでの最高売上枚数を更新している。
以下、モーガン・ウォレンの『デンジャラス:ザ・ダブル・アルバム』(42,000ユニット / 4%増加)が6位から7位、ビヨンセの『カウボーイ・カーター』(41,000ユニット / 21%減少)は4位から8位、ノア・カーンの『スティック・シーズン』(40,000ユニット / 2%減少)は5位から9位、シザの『SOS』(39,000ユニット / 1%減少)は9位から10位にそれぞれ順位を下げた。
Text: 本家 一成
※関連リンク先の米ビルボード・チャートは5月17日以降掲載予定となります。
◎【Billboard 200】トップ10
1位『ザ・トーチャード・ポエッツ・デパートメント』テイラー・スウィフト
2位『ラジカル・オプティミズム』デュア・リパ
3位『ワン・シング・アット・ア・タイム』モーガン・ウォレン
4位『ウィー・ドント・トラスト・ユー』フューチャー&メトロ・ブーミン
5位『17 IS RIGHT HERE』SEVENTEEN
6位『ヴァルチャーズ1』カニエ・ウェスト&タイ・ダラー・サイン
7位『デンジャラス:ザ・ダブル・アルバム』モーガン・ウォレン
8位『カウボーイ・カーター』ビヨンセ
9位『スティック・シーズン』ノア・カーン
10位『SOS』シザ
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