2013/07/10
91年のデビュー以来ジャズ/クラブ・ジャズシーンの第一線で活躍し、7月10日に約2年ぶりの新作『BRASILIFIED』をリリースしたMonady満ちるが、6月25日ビルボードライブ東京で来日公演を行った。
新作アルバムのテーマとなった「ブラジル」をコンセプトに、緑のドレスに身を包んだMonday満ちるがステージに降り立つと、それまで和やかだった会場の空気がピンと張りつめた。一瞬の沈黙を、Monday満ちるの甲高いスキャットが切り裂く。オリジナルの中でも人気の高い「Sands Of Time」で公演の幕が開けた。衰えることのない張りのある歌声と心地よいブロークンビーツが、オーディエンスの心をわしづかみにする。バックバンドには鈴木 禎久(Guitar)、土井 孝幸(Bass)、天倉 正敬(Drums)と2年前のビルボードライブ東京と同じメンバーが揃い、息の合ったプレイでMonday満ちるに負けない存在感を放っている。
新作アルバムからはマルコス・ヴァーリの名曲「パラベンス」のカヴァーで、歌詞を「セレブレイト」と言い換えた「Celebrate」やオリジナル曲「Beautiful People」、旧作からは「Brasilianos」、「Adventures」を織り交ぜ、会場のテンションを絶妙にコントロールしていく。ライブ中盤ではアレックス・シピアギンを招き、パット・メセニーが彼のために書き下ろした新曲にMonday満ちるが歌とフルートを加えたスペシャル・コラボ曲「Dream Seen Later」を披露。アレックスのフリューゲルホンによるプレイは徐々に熱を帯び、Monday満ちるの歌とフルートが複雑に交わっていく。ステージで繰り広げられる高尚なバラードは会場をよりムーディーな大人の世界へ誘った。
その端麗な容姿とクールな歌声とは裏腹に、MCでは軽快なトークでバンドメンバーにムチャぶりをしたり、公演直前に歯医者に行って顔が腫れている話をしたりと、終始オーディエンスを笑わせてくれるのだが、何を隠そう会場で一番大きな声で笑っているのはMonady満ちる本人である。このユーモアと親しみやすい雰囲気こそが、デビューから20年以上たった今でも多くのファンが会場に足を運び、約70分のステージを飽きることなく楽しめる理由なのだ。
最後は『BRASILIFIED』収録曲で、Monday満ちるも大好きだというキティ・ウィンターのカヴァー曲「New Morning」でオーディエンスとともにクラップを打ち鳴らし、アンコールでは「Will You Love Me Tomorrow」まで披露。新旧の楽曲を織り交ぜ、Monday満ちるの魅力が存分に発揮されたステージは、どんよりとした梅雨空を晴らす爽快な後味を残しながら、7月10日にリリースされる新作アルバムへの期待値をより高めるものであった。
[6/25(Tue) Billboard Live TOKYO 1st Stage Set List]
1. Sands Of Time
2. Celebrate
3. Beautiful People
4. Brasilianos
5. Dream Seen Later
6. Soulception
7. Adventures
8. New Morning
<Encore>
1. Will You Love Me Tomorrow
◎リリース情報
『BRASILIFIED』
2013/07/10 RELEASE
HBRJ-1010 2.600円(tax in)
http://www.billboard-japan.com/goods/detail/399662
◎オフィシャルサイト
【Monday満ちる】
http://www.mondaymichirujapan.com/
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