2023/07/21
BiTE A SHOCKが、7月17日に“お披露目LiVE”となる【Why don't you BiTE??】を東京・東京国際フォーラム ホールCにて開催した。
BiSHが2023年6月29日に解散を迎えることにあたり、“第2のBiSH”を作ることを目的に行われたオーディション【BiSH THE NEXT】。そこで選ばれたMAHiTO、SAORi、RiNA、HARUTO、RYUUSEi、HANANOの、男女6名からなる新グループがBiTE A SHOCKだ。デビュー決定からわずか16日で行われた、彼らの初ライブの模様をレポートする。
SEが流れる会場で開演を待っていると、突然壇上にWACK代表の渡辺淳之介が登場。“BiTE A SHOCK 3か条”として、ファンの総称が“BiTER”、ファンクラブ名が「TAKE A BiTE CLUB」にそれぞれ決定したこと、そして写真撮影がOKということ含む、ライブ中の注意事項の3点が伝えられる。そして「記念すべき初のBiTE A SHOCKワンマン公演、来ていただき本当にありがとうございます。2週間という期間でしたが、本人たちも死ぬ気でやってきました」「みなさんと一緒に、この伝説の瞬間を、僕も一緒に楽しみたいと思います。みなさんで、ここを伝説の場所にしましょう。よろしくお願いします!」と語り、客席からは大きな拍手が起こった。
いよいよ会場が暗転すると、まずはオープニングムービーとして、BiSH「プロミスザスター」をバックに、オーディション【BiSH THE NEXT】のハイライトが流れる。そしてムービーが終わると6人がステージ上に登場し、デビュー曲「Patient!!」がスタートした。“楽器を持たないパンクバンド”であったBiSHを踏襲しつつ、この曲をプロデュースした(sic)boyらしさも感じるミクスチャーロック・サウンドが爽快だ。BiSHへのリスペクトを感じる振り付けも随所に散りばめられ、全力でのパフォーマンスをみせた。
そして横一列に並ぶと、一人ひとり自己紹介する6人。緊張を感じる話しぶりが、先ほどのパフォーマンスと一転して初々しさを感じさせる。そして“一緒に盛り上げてくれる先輩”として、元BiSHのセントチヒロ・チッチが進行役として登場すると、トークパートがスタート。チッチからデビュー決定からたった16日でのパフォーマンスについての感想を聞かれると、HANANOは「(デビューが決まって)数日間はまだ夢を見ているような心地だったんですけど、こうやってみなさんとお会いできたり、いろんな撮影を通して、自覚が芽生えてきたんじゃないかなと思います」とまっすぐ語り、オーディション最終審査「マッチアップ審査」での感想を聞かれると、MAHiTOが「めちゃくちゃ辛くて、くじけそうになったこともあったんですけど。人前で泣くとか5年ぶりだったので、友達から反響がありました。僕にもそういう心があったんだとホッとしました」と笑いを誘う。
ここで改めて、オーディション課題曲「in case...」ミッション時のハイライト映像にあわせ、“BiSHの魂を継ぐグループ”を選ぶうえでのBiSHの思いが明かされると、そのまま「in case...」のカバーステージがスタート。そのまま「MONSTERS」「GiANT KiLLERS」とBiSHカバーを続け、サウンド面を含めBiTE A SHOCK流のアレンジを効かせたパフォーマンスを披露した。観客もコール&レスポンスを返し、会場の一体感が高まっていく。
チッチが「一緒に踊りながら観てました!」と嬉しそうに語りながらステージ上に戻ってくると、オーディションでの課題曲「in case...」のパフォーマンスを思い思いに振り返る。そして、“オーディション総合プロデューサー”として、「帝国のマーチ(ダース・ベイダーのテーマ)」とともに渡辺淳之介がMC席に登場すると、オーディション中に6人から飛び出した“名言”を振り返るコーナーに。強化合宿で、仲宗根梨乃のダンスレッスンに飛び出した「DANCEは踊り」という発言をピックアップされたSAORiは、当時の心境を「思いつかなかったので、そのまま『踊り』と答えました」と答える。そこで渡辺が「ちなみに、『BiTE A SHOCKは?』って聞いたらなんて答える?」と質問すると、少し間をあけ「SAORiです!」ときっぱり答え、予想外の返答にチッチも「えっ!?」と驚きの声をあげる。
その後も、一緒に練習するオーディション参加メンバーの名前をひとりも覚えられず「名前まで覚える余裕が……」と口走っていたHARUTO(名前を呼ぶときはゼッケンを見ていたとのこと)、マッチアップ審査に向け、「落とし合いじゃなくて高め合いで」と熱く宣言していたRYUUSEiと、笑いからエモさまでバリエーション豊かな名言(迷言?)が飛び出した。そしてデビュー曲「Patient!!」のミュージックビデオ初解禁を挟み、VTRでは元BiSHメンバー6人+渡辺からのお祝いメッセージが流れる。感想を聞かれたRiNAは「今すごく、心がぎゅーっとしています。今この場所に立って初めてこの動画を観たんですけど、オーディションのままの私たちじゃダメだなっていう自覚と、ギアを100倍も、1,000倍も上げていかなきゃいかないなって、すごく思いましたし……BiSHさんにも、渡辺さんにも感謝です。ありがとうございます」と、感極まった様子でとつとつと語る。それを受け、チッチも「私たちBiSHにとっても、解散を控えていた時期にみんなと出会って、ひとつのことに向かってもがいていくっていうのが、すごくいい経験でした」と、6人に感謝を返す。
あたたかい雰囲気のなか、パートはふたたびBiSHのカバーステージに戻る。原曲そのままで「サヨナラサラバ」、HANANOが感極まって涙をみせた「オーケストラ」、RiNAの表現力が光った「リズム」を続けて披露した。そして、トークパートで盛り上がりすぎたせいで「時間がめちゃくちゃ押してる!」とチッチに急かされ、オーディションでも披露されていたオリジナル曲「THE NEXT」のパフォーマンスへなだれ込む。そして大急ぎで観客を含めた記念撮影を終え、お祝いメッセージの“続き”が流れることに。メッセージを寄せたのは、オーディションで最終のマッチアップ審査まで残っていた残り6人――雄哉、真彩、虹希、貴市、季咲、リコだった。彼らのあたたかい言葉に、メンバーは涙し、それを見守るチッチが思わずもらい泣きする姿も。
そして渡辺が、「BiTE A SHOCKのみんな、そしてBiTE A SHOCKじゃない6人、全員の気持ちをここのステージに持ってこれたんじゃないかなって、今日は思いました。これが本当のスタート。正直なところ、今日(東京国際フォーラム)ホールCは埋められなかった。だけど、この悔しい気持ちも含めて、次はもちろん満員にして、BiSHの目標だった東京ドームを超えて、本当の意味で、世界を獲りたいと思ってるんで。これからも、よろしくお願いします」とメッセージを送る。6人も「よろしくお願いします!」と大きな声で返事を返した。そして集まったファンに向け、代表してMAHiTOが「本当に、みなさんがいて僕たちが成り立つと思っていますので、これからも応援、よろしくお願いします。そして本日はお越しくださり、ありがとうございました!」と(噛みながら)挨拶。最後は観客も含めた全員で「BiTE A SHOCK!」のかけ声で締め、記念すべき初ライブを終えた。
ダンス&ボーカルグループ戦国時代ともいえる今、珍しい男女混成グループとして、個性的なグループが勢揃いのWACKのなかでも一際異彩を放つBiTE A SHOCK。まだまだ初々しい姿を見せていた6人だが、ここからどう“BiSHの魂を受け継ぐ”グループとして成長していくのだろうか。楽しみにしたい。
Text by Maiko Murata
Photo by cazrowAoki
◎公演情報
【Why don't you BiTE??】
2023年7月17日(月・祝) 東京・東京国際フォーラム ホールC
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