2023/07/04
モーガン・ウォレンの「ラスト・ナイト」が通算13週目の首位を獲得した、今週の米ビルボード・ソング・チャート。
2023年2月18日付で3位に初登場してから、翌3月18日付で首位に到達し、4月15~22日付の2週、5月6日~今週(7月8日付)まで10週連続をマークして、通算13週目の首位を獲得した「ラスト・ナイト」。“Hot 100”史上首位獲得週が13週を上回ったのは、「ラスト・ナイト」が14曲目の快挙となる。
「ラスト・ナイト」は、今週の集計期間(2023年6月23日~6月29日)にエアプレイが7,290万回(1%増加)、ストリーミングが2,960万回(1%減少)、セールスは8,000(5%増加)をそれぞれ記録して、エアプレイ・チャートで4位から3位に上昇。ストリーミング・ソング・チャートでは通算15週目の首位を獲得した。デジタル・ソング・セールス・チャートでは2位から3位に順位を下げているが、売上は前週から増加している。
カントリー・ソング・チャートでは今週21週目の首位を獲得して、同チャート史上6番目に長い首位獲得週を更新。また、今年のソング・オブ・ザ・サマー・チャートでは今週5週目の首位を獲得して、現時点では2023年度のトップを独占している。
「ラスト・ナイト」が収録された最新作『ワン・シング・アット・ア・タイム』も、今週のアルバム・チャート“Billboard 200”で通算15週目の首位を獲得していて、両チャートでそれぞれ11週同時にトップに立った。
収録曲がソング・チャート“Hot 100”で首位を獲得しながら、同じ週にアルバム・チャート“Billboard 200”でも11週以上首位を獲得したのは、1992~93年にホイットニー・ヒューストンの「オールウェイズ・ラヴ・ユー」(Hot 100)と、サウンドトラック『ボディガード』(Billboard 200)が同時に12週を記録して以来、約30年ぶりで、男性ソロ・アーティストとしてはマイケル・ジャクソンの『スリラー』を上回り、歴代トップに立った。
13週
Billboard 200
サウンドトラック『サタデー・ナイト・フィーバー』(13週)
Hot 100
ビージーズ「ステイン・アライヴ」(4週)
ビージーズ「恋のナイト・フィーヴァー」(8週)
イヴォンヌ・エリマン「アイ・キャント・ハヴ・ユー」(1週)
12週
Billboard 200
サウンドトラック『ボディガード』(12週)
Hot 100
ホイットニー・ヒューストン「オールウェイズ・ラヴ・ユー」(12週)
11週
Billboard 200
モーガン・ウォレン『ワン・シング・アット・ア・タイム』(11週)
Hot 100
「ラスト・ナイト」(11週)
10週
Billboard 200
マイケル・ジャクソン『スリラー』(10週)
Hot 100
「ビリー・ジーン」(7週)
「今夜はビート・イット」(3週)
先週2位に上昇したルーク・コムズの「ファスト・カー」は、今週も同位をキープ。カントリー・ソング(定義はカントリー・ソング・チャートにランクインした曲とする)が1位と2位にランクインしたのは、エディ・ラビットの「恋のレイニー・ナイト」が1位、ドリー・パートンの「9 to 5」が2位にランクインした1981年3月7日付以来、約42年ぶりのチャート・アクションで、2週連続でその記録を保持した。
3位も、先週に続きレマ&セレーナ・ゴメスの「カーム・ダウン」が同位にランクイン。前週から3%増加の9,010万回を記録して、エアプレイ・チャートでは2週目の首位を獲得した。約1年前から集計が始まったアフロビーツ・ソング・チャートでは、今週首位獲得週を史上最長の44週目に更新している。
先週4位にダウンしたマイリー・サイラスの「フラワーズ」は、今週も同位をキープ。5位もリル・ダークの「オール・マイ・ライフ feat. J.コール」が先週に続き同位にランクインして、R&B/ヒップホップ・ソング・チャートとラップ・ソング・チャートでは、それぞれ6週目の首位を獲得した。
続いて今週7位には、女性ラッパーのニッキー・ミナージュとアイス・スパイスによる「バービー・ワールド(with アクア)」が初登場。ニッキー・ミナージュは通算23曲目のトップ10入りを果たし、女性アーティストではテイラー・スウィフト(40曲)、マドンナ(38曲)、リアーナ(32曲)、マライア・キャリー(28曲)、ジャネット・ジャクソン(27曲)に続く6番目、女性ラッパーとしては最多記録を更新した。
アイス・スパイスは、今年だけで「ボーイズ・ア・ライアー Pt. 2 with ピンクパンサレス」(3位),「プリンセス・ダイアナ with ニッキー・ミナージュ」(4位)、テイラー・スウィフトの「カルマ feat.アイス・スパイス」(2位)に続く4曲目のトップ10入りを果たし、ニッキーとは2度目のランクインを達成している。
「バービー・ワールド」は7月21日公開予定の映画『バービー』のサウンドトラック『バービー・ザ・アルバム』から6月23日にリリースされたリード・シングルで、デンマークのポップ・グループ=アクアの「愛しのバービー・ガール」(1997年)をアレンジした3者のコラボレーションとなっている。
「バービー・ワールド」は、初週ストリーミングが1,620万回、エアプレイが470万回、セールスは37,000をそれぞれ記録して、デジタル・ソング・セールス・チャートでは1位に初登場した。セールス・チャートでの首位獲得は、ニッキー・ミナージュが16曲目、アイス・スパイスは「プリンセス・ダイアナ」に続く2曲目のタイトルとなる。
アクアは、前述の「愛しのバービー・ガール」が1997年9月に7位を獲得して以来、25年9か月3週間ぶり、2度目のトップ10入りで、今年の1月7日付でナット・キング・コールの「ザ・クリスマス・ソング」が打ち立てた59年6か月1週間以来の最長記録を達成した。なお、昨シーズンにはザ・ロネッツが「ビー・マイ・ベイビー」から「そり滑り」で58年2か月という記録を残している。
「ザ・クリスマス・ソング」や「そり滑り」といったホリデー・ソングを除くと、アクアが今週達成した25年9か月3週間は以下に続く6番目に長い記録で、グループとしてはサンタナに次ぐ2番目の記録となる。
オジー・オズボーン:30年3か月間
「クローズ・マイ・アイズ・フォーエヴァー with リタ・フォード」(1989年)~ポスト・マローン「テイク・ホワット・ユー・ウォント feat.オジー・オズボーン,トラヴィス・スコット」(2019年)
ドビー・グレイ:30年2か月1週間
「明日なきさすらい」(1973年) ~アンクル・クラッカー「ドリフト・アウェイ feat.ドビー・グレイ」(2003年)
ポール・マッカートニー:29年2週間
「スパイズ・ライク・アス」(1986年)~「フォー・ファイヴ・セカンズ with リアーナ&カニエ・ウェスト」(2015年)
サンタナ:28年7か月2週間
「ブラック・マジック・ウーマン」(1971年)~「スムース feat. ロブ・トーマス」(1999年)
ビリー・レイ・サイラス:26年8か月
「エイキー・ブレイキー・ハート」(1992年)~リル・ナズ・X「オールド・タウン・ロード feat.ビリー・レイ・サイラス」(2019年)
アクア:25年9か月3週間
「愛しのバービー・ガール」(1997年)~ニッキー・ミナージュ&アイス・スパイス「バービー・ワールド(with アクア)」(2023年)
トップ10以下、テイラー・スウィフトの「カルマ feat.アイス・スパイス」が先週の7位から8位、シザの「キル・ビル」は8位から9位、メトロ・ブーミンの「Creepin' with ザ・ウィークエンド&21サヴェージ」も9位から10位にそれぞれワンランクダウンした。
Text: 本家 一成
※関連リンク先の米ビルボード・チャートは7月7日以降掲載予定となります。
◎【Hot 100】トップ10
1位「ラスト・ナイト」モーガン・ウォレン
2位「ファスト・カー」ルーク・コムズ
3位「カーム・ダウン」レマ&セレーナ・ゴメス
4位「フラワーズ」マイリー・サイラス
5位「オール・マイ・ライフ」リル・ダーク feat. J.コール
6位「フェイバリット・ソング」トゥーシー
7位「バービー・ワールド(with アクア)」ニッキー・ミナージュ&アイス・スパイス
8位「カルマ feat.アイス・スパイス」テイラー・スウィフト
9位「キル・ビル」シザ
10位「Creepin'」メトロ・ブーミン with ザ・ウィークエンド&21サヴェージ
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