2023/06/05 18:00
LAPONEエンタテインメントに所属するJO1、INI、DXTEENの3組による【LAPOSTA 2023】が、5月30日および31日に東京・有明アリーナにて開催された。
LAPONEエンタテインメントが事務所合同コンサートを行うのは、今回が初。平日にも関わらず有明アリーナは各日1万人の観客でいっぱいに埋まり、さらに全国80の映画館でのライブビューイングおよび、海外からも視聴可能なライブストリーミング配信も行われた。それぞれのファンーーJO1ファンの“JAM”、INIファンの“MINI”、そしてDXTEENファンの“NICO”をまとめて呼ぶ“JAMINICO”との言葉も生まれ、グループの枠を超えて、燃え上がるように楽しんだ一夜だった。2日間行われた同公演のうち、本稿では2日目、31日公演の模様を独自レポートする。
開演前の会場には、各グループの楽曲が鳴り響く。ペンライトやうちわを握りしめ、今か今かと開演を待ちわびる観客の高揚感がひしひしと伝わってくるようだ。SEが消えて一気に会場が暗くなると、前方モニターにINI、DXTEEN、JO1のムービーが映し出され、期待感はどんどん膨らむ一方。そしてムービーが終わると、1stアルバム『Awakening』の1曲目「SPECTRA」のイントロとともにINIが登場した。絵本で描かれる王子様を思わせるような純白にゴールドがあしらわれた衣装と、彼ららしい重いビートのヒップホップサウンド、それに合うワイルドなダンスのギャップに、INIの振り幅を感じられる。曲中では「もっと声出していこうぜー!」と声出しを煽り、観客の熱量をどんどん上げていく。
続いて登場したのは、つい3週間前の5月10日にデビューしたばかりのDXTEEN。淡いブルーとホワイトを基調にした、彼らのフレッシュなコンセプトにぴったりの衣装が眩しい。デビューシングルから、タイトル曲「Brand New Day」の涼しげなサウンドで、一気にそよ風が吹き込むような爽やかな雰囲気を運んできた。
ふたたび会場が暗転すると、ステージ上を歩くJO1のシルエットが映し出された。真っ黒でタイト、ハードなイメージの衣装が、彼らの貫禄と大人の色気を引き立てている。そして繰り出されたのは、そのムードにぴったりな「SuperCali」。ステージからは、観客の高まる熱気に合わせるように炎まで上がり、燃え上がるようなオープニングを演出した。
3組それぞれの魅力を凝縮したようなステージに胸を震わせていると、ここからはメドレー形式でそれぞれのグループの色を楽しむ時間に。会場がまた暗転し、青白い光がステージを明るくしていくと、DXTEENが登場。「Sail Away」「Come Over」を続けて披露した。先の「Brand New Day」では少し緊張ぎみに見えていたメンバーも、リラックスしてきたのか度々はじけるような笑顔を見せ、彼ら自身が心からこのパフォーマンスを楽しんでいることが伝わってくる。
そしてINIは、バックステージ通路に登場し「BAD BOYZ」からスタート。11人が通路に一列に広がる姿は圧巻だ。そこから一気に雰囲気を変えて、ハンドマイクを手に取り、やさしいメロディの「We Are」「AMAZE ME」と続ける。メンバーも会場全体に散らばり、トロッコに乗ったり、ファンからの合図に答えたりとコミュニケーションを楽しんだ。そして、尾崎匠海の力強い歌い出しから、藤牧京介と髙塚大夢の繊細なハーモニーと、圧倒的な歌唱力で引き込んだ「HERO」は、楽曲提供をおこなったWANIMAらしいバンドサウンドにホーンの明るい音色が乗る、思わずタオルを振り回したくなるような一曲。曲終わりには11人が円陣を組むように集まり、縦ノリで歌うさまにこちらも乗らずにはいられない。そこから、さらにロックテイストの最新曲「FANFARE」と続けると、会場には太い掛け声のコール&レスポンスが巻き起こる。11人のフォーメーションが目まぐるしく変わるダンスにも目を奪われた。
JO1は、先の「SuperCali」でみせたセクシーなコンセプトそのままで登場。最新シングル『TROPICAL NIGHT』のリード曲「Tiger」は、トラのしなやかさと猛々しさをどちらも表現するようなダンスが妖しい。ここから、「OH-EH-OH」では河野純喜の「盛り上がっていけますか!? 声出してください!」との煽りを受け全力で盛り上がると、「Get Inside Me」では落ち着いた雰囲気へ……と様々なテイストの楽曲で振り幅を見せていく。そして木全翔也が「JAMINICOの皆さんー! 今日はいい夜にしましょう。Dreaming, Dreaming, Night!」と愛嬌たっぷりに呼びかけ、「Dreaming Night」へ。「Tiger」では獲物を狙う猛獣を思わせるような鋭い眼差しを見せていたとは思えないほど、愛嬌を振りまくメンバー、声援を送るファンに優しい微笑みを返すメンバーと、やわらかい魅力を放っていた。そして暗転を挟むと、バックステージで「Rose」のパフォーマンスに。ステージに立ち込める淡いローズ色のスモークの中で、狂おしいほど静かに燃え上がる恋心を歌う姿が悩ましい。曲終わりには、詞の切ない世界観を表現するようにバラの花びらが舞い散る演出も。
ここからは3組でそれぞれの楽曲をカバーしあうシャッフルステージに。まずはDXTEENが、『PROJECT 101 JAPAN』コンセプトバトルからの楽曲「やんちゃBOY やんちゃGIRL」を可愛く、そしてINI「CALL 119」をワイルドに披露。特に「CALL 119」はこれまでのDXTEENが見せてこなかったハードな雰囲気で、ポテンシャルの高さを見せつけた。INIは全員がジャケットを脱いだ軽やかな姿で、JO1「Shine A Light」をパフォーマンスする。最後、JO1がカバーしたのはINI「BOMBARDA」。JO1とINIは同じ11人編成ではあるものの、低音の迫力と高音の爽やかさが特徴のINI、中~高音の甘くも芯のある声が強いJO1と、メンバーの声質の違いで曲もそれぞれ新鮮な聴こえ方をしたのが面白かった。
JO1に呼び込まれ3グループ全員がステージ上に揃うと、與那城奨が「盛り上がってますか!」と声をかけ、ステージ上の28人と観客とのコール&レスポンス。(特にJO1メンバーを中心に)メンバーも太い声で盛り上げ、ようやく声出し解禁でライブが開催できる喜びを噛み締めているようだ。そして與那城が「DXTEENのみなさん、デビューおめでとうございます!」と祝福。続いて、方々から「フレッシュだ!」「爽やか~!」と先輩たち22人からのやさしい言葉が飛び交い、その和やかなムードに観ているこちらも笑顔になる。
3グループそれぞれがお決まりの自己紹介を決めたあとも、わちゃわちゃとしたトークタイムは続く。佐藤景瑚が突然「DXTEENはLAPONE入ってどうなの? 正解だった?」と質問すると、大久保波留が「LAPONEに入って、いつか合同ライブをやってみたいなって思っていたので、こんなに早く夢が叶ってめっちゃうれしいです!」と笑顔で喜びを語る。続いてINIにも佐藤から「INIはこういうライブ、どうなんですか?」と(投げやりぎみに)投げかけられると、田島将吾が「LAPONEの名前が広まるといいですよね。JO1、INI、DXTEENってそれぞれは知っていても、この3チームがLAPONE所属って、意外と知らない人も多いんじゃないかって思ってて。今回のイベントを通して、LAPONEの名前が知れ渡るいい機会になればいいなと思います」とコメント。「【LAPOSTA】ツアーもやりたいね!」との夢も飛び出し、観客も期待の歓声を上げた。
先のシャッフルステージでカバーしたINIのダンスについて「キツい」(JO1川尻蓮)「頭吹き飛ぶかと思いました」(DXTEEN平本健)とそのハードさを称えたり、DXTEENに“コラボしたい先輩”を聞いたりするMCタイムが明けると、グループの枠を超えたユニットによるカバーステージのコーナーに。最初を飾ったのは、JO1河野とINI髙塚によるMrs. GREEN APPLE「青と夏」のカバー。各グループでハイトーンを担当することも多い、歌唱力に定評のあるふたりにぴったりの楽曲だ。一気に真夏の明るいムードを運び込むと、今度はJO1白岩瑠姫、INI後藤威尊&佐野雄大の、愛嬌あふれる笑顔がチャーミングな3人で8LOOM「Melody」をパフォーマンス。曲終わりには3人で肩を寄せ合ってスマイルを披露し、観客を沸かせた。
JO1金城碧海とINI尾崎、JO1與那城とINI藤牧は、バラード曲をしっとり聴かせる。金城&尾崎のAwesome City Club「勿忘」は、囁くような切ない歌声の金城と、優しく包み込むような尾崎の歌声が見事にマッチング。與那城&藤牧はバックステージに置かれた椅子に腰掛け、宇多田ヒカル「First Love」を美しいハーモニーで切なく歌い上げた。
JO1大平祥生&川西拓実、INI田島でのJO1「Born To Be Wild」は、冒頭の田島のフリースタイルラップでの煽りから雰囲気を一転し、頭を振って縦ノリで盛り上がるやんちゃな雰囲気に。メドレー唯一のオリジナル・インスト曲「Remains」では、JO1川尻、INI木村柾哉が圧倒的なダンススキルで魅せる。続く、JO1佐藤、INI許豊凡&松田迅のSEVENTEEN「24H」は黒いスーツでシックかつセクシーに決め、JO1木全&鶴房汐恩、INI池﨑理人はトロッコに乗り込み、ORANGE RANGE「イケナイ太陽」を水鉄砲片手に歌唱。普段はラップパートを担当することが多い3人の歌声に、会場も盛り上がって楽しんだ。
少し間を開けると、センターステージの奥から、サングラスを掛けストリートファッションに身を包んだJO1豆原一成、INI西洸人がターンテーブルとともに登場。「LAPOSTA 2023 Exclusive DJ Mix」と題してJO1&INI楽曲のリミックスを生DJプレイも交えて披露し、驚き混じりの歓声が上がる。途中からはDXTEENの6人も登場し、ダンスで場の空気をさらに盛り上げていった。
DXTEENが、キュートな振り付けの「Unlimit」でワイルドな雰囲気を甘く変えると、暗転し、ステージ上に登場したのはINI。そして怪しげな雰囲気のイントロから始まったのは、『PRODUCE 101 JAPAN SEASON2』コンセプトバトルで披露されていた「Goosebumps」だ。INIとしてはこの【LAPOSTA 2023】が初披露、音源化もまだの同曲がサプライズ披露されたことに、会場からは驚きと喜びの悲鳴が聞こえた。そのまま「Dramatic」でハードな雰囲気を続けると、「New Day」では椅子を使ったフォーメーションダンスを披露。器用なパフォーマンスに、観客もすっかり引き込まれる。
JO1は、白を基調に赤いテープが印象的な、動きが映える衣装で登場。『PRODUCE 101 JAPAN』デビュー評価ステージ、そしてJO1の1stシングルからの思い出の一曲「YOUNG」からスタートし、続く「YOLO-konde」では一気に会場の熱量も上がり、メンバーも全員頭を振って曲に乗ってみせると、どんどん一体感が上がっていく。そして、エキゾチックなトランペットの音色が耳に残る「Trigger」では11人が完璧に揃ったフォーメーションダンスを披露し、大興奮でステージを締めくくった。
そしてINI、DXTEENもステージに戻ってくると、『PRODUCE 101 JAPAN SEASON2』テーマ曲「Let Me Fly ~その未来へ~」、そして『PRODUCE 101 JAPAN』テーマ曲の「ツカメ ~It’s Coming~」を続けて披露。同番組から彼らの成長を見届けてきた“国民プロデューサー”たちにとって、この場で、このメンバーたちで歌われる2曲は、きっと感慨もひとしおだったのではないかと思う。與那城が木村をお姫様抱っこするなど、メンバーたちもグループの枠を超えての絡みを見せながら会場中を駆け回り、ファンとの交流を楽しむ。メンバーも観客もみんなが笑顔で、28人と“JAMINICO“がひとつになった瞬間だった。
アンコールでは、グループごとに色が異なる揃いのスタジャンを着た28人が登場。「DXTEEN、これウェーブって言うねん覚えときや!」と張り切る河野の仕切りで(これには「嫌な先輩!(笑)」と周りからもツッコミが入っていた)、会場全体で見事なウェーブが巻き起こる。そこからの写真撮影でも28人の和やかなわちゃわちゃが続きつつ、最後の一曲としてJO1「無限大」とINI「Rocketeer」のマッシュアップ曲「無限大 × Rocketeer」がスタート。最後の最後まで観客と楽しみつくした。
曲が終わると、各グループから一言ずつ挨拶の時間に。DXTEENのリーダー、谷口太一は「僕たちはデビューしたばっかりだけど、こんなに大勢のみなさんの前でパフォーマンスさせていただけて光栄だし、何より、素敵な先輩たちとパフォーマンスできたのが嬉しいです!」と告げ、それにすかさず大久保も「JAMINICO、大好きになりました!」と笑顔で語る。INIのリーダー木村は、「正直、【LAPOSTA】を最初にやるって聞いた時は不安な気持ちが大きかったんですけど、本番を迎えていざ始まってみると、会場に来てくださったみなさんや配信で観てくださってるみなさんが本当にあったかくて。楽しいライブになってよかったです。僕たちも全力で準備してきたので、それに応えていただいて本当に嬉しかったです、ありがとうございました!」と素直な気持ちを明かす。JO1からは白岩が、「よくよく思い返したら、ファンの方が(目の前に)いないステージ(でパフォーマンスすること)が僕ら長く続いてたじゃないですか。それが今こうやってたくさんの人がいて、画面の向こうにもいて、そしてファミリー28人全員でこうやってステージに立ててるっていうのが、本当に幸せなことだなって思いますし、みなさんの人生に少しでも関われたことがすごく嬉しいなって思いました。僕めっちゃ幸せでした! みなさん大好きです!」とファンへの愛を宣言した。
最後は、28人全員で手をつなぎ、大きな声でお辞儀。銀テープがきらきらと舞うなか、ステージを去っていく。そして最後に残った與那城が、「これからも、LAPONEをよろしくお願いします。今日はありがとうございました!」と最年長らしいコメントとともに、カメラに向けて投げキッス。約2時間半の濃密なステージが幕を下ろした。
先の木村のコメントにもあった通り、今回が初の事務所合同ライブということで、ファンのみならずステージ上の28人も、どんなライブになるのだろうとドキドキしていたことと思う。しかし、彼らの圧巻のパフォーマンス、そして、同じ事務所ならではの大家族のようなあたたかい絆を見せてくれたおかげで、それぞれのグループ目当てに集まったファンたちも、きっと3組それぞれの魅力に一層引き込まれたことだろう。さらに終演後には、サプライズでJO1初のアジアツアー開催も明らかに。“グローバルボーイズグループ”の名を掲げ、世界を目指し切磋琢磨する3組――JO1、INI、DXTEENの躍進は、まだまだ止まらない。
Text by Maiko Murata
Photo by 田中聖太郎、河村美貴(田中聖太郎写真事務所)
(C) LAPONE Entertainment
◎公演情報
【LAPOSTA 2023】
2023年5月30日(火)、31日(水) 東京・有明アリーナ
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