2013/05/22
5月21日 日本武道館にて【モーニング娘。コンサートツアー2013春 ミチシゲ☆イレブンSOUL ~田中れいな卒業記念日~ in日本武道館】が開催。田中れいなが同グループでの10年間にわたる活動を“自分らしく”締め括った。
<2作連続で1位獲得 新生モーニング娘。の勢いを体現>
前リーダーの新垣里沙など、歴代メンバー含む超満員の観客が見守る中、本編は田中による新生ロックバンド LoVendoЯのアクトからスタート。卒業後も変わらず歌い続けていくことを改めて提示する、気合いの入った声で会場を温めていく。そして間髪入れずスクリーンには“ミチシゲ☆イレブン”が登場。11色の道重さゆみが11人のメンバーへとすり替わる視覚的演出で歓声を集めると、2作連続で1位獲得など、今のモーニング娘。を激しく勢いづけている、EDM色の強いナンバーばかりを連発。ただ同じダンスを舞うのではなく、11人でひとつの“生きる抽象絵画”を創造するかのようなパフォーマンスは、アイドルもまた紛う事なくアーティストであることを証明する。
<田中れいな 譜久村聖と飯窪春菜をサブリーダーに任命>
また、最初のMCでは、田中が「れいな抜けるやんか。で、さゆ、ひとりで引っ張っていくの、大変かなって思って。サブリーダーなんて作ったらどうかなって思って」と言い出し、9期 譜久村聖、10期 飯窪春菜をサブリーダーに任命。譜久村は泣きながら「9期、10期、11期が支えていかなきゃいけないというのは分かってたんですけど、それを上手くできないっていうか……でも自分が出来ることを精一杯やろうと思います」と宣言し、飯窪は動揺しながら「今、本当に困惑してるんですけど、なるべくリーダーの邪魔をしないように支えていけたらなって思います」と語った。
<田中と道重、2人を見つめる亀井にとって大切な6期曲>
このサプライズ後、田中と道重、そして客席から2人を見つめる元メンバー亀井絵里にとって大切な6期曲「大きい瞳」が披露されれば、武道館を凄まじいオイオイコールが包み込む。また、恒例の6期MCコーナーでは、田中と道重がお互いに本音を吐き出せる仲であったことについて語り合い、2人が固い握手からハグし合うと、涙を流す人の姿も。ライブ中盤には、そんな6期メンバーがメキメキと頭角を現した時代 プラチナ期のナンバーを畳み掛けたりと、同公演は彼女たちのファンにとって興奮せずにはいられない場面がいくつもあった。
<モーニング娘。における田中れいなの集大成>
プロデューサーのつんく♂曰く、モーニング娘。における田中れいなの集大成と言えるソロナンバー「Rockの定義」では、彼女のことを敬愛している後輩 鞘師里保、佐藤優樹をバックダンサーに従える形で熱唱。その後も、愛するメンバーたちとのラストステージ、1曲1曲を全身全霊でお届けし、オーディエンスをこの上なく鼓舞させていく。そうして本編が終了すると、田中のイメージカラーである水色のサイリウムが一斉に光を放ち、延々と「れいな!」コールが一切熱量を落とすことなく響き渡る。
<卒業セレモニーでも涙見せず。メンバーに優しい声を>
その愛に応えるようにひとりステージへ戻ってきた田中は、「私、田中れいなは、2013年5月21日にモーニング娘。、そしてハロー!プロジェクトを卒業します。今まで応援してくださった皆様、本当にありがとうございました。手紙書いてきたんです。ジャン!」と、10年間の活動の中で見送ってきたメンバーたちと同じように手紙を読み始める。そこには「敵ばっかりだ!」と思っていた初期から、ファンの為に歌おうと変化していったストーリー。そして自分を今日まで支えてきてくれた人たちへの感謝などが記されていたのだが、彼女は最後まで明るくポジティブにそれを読み上げた。
その後、各メンバーから花束と卒業メッセージを受け取る場面でも、泣きじゃくる後輩たちを穏やかな表情で見つめ、逆にひとりひとりの好きなところを挙げてみたり、アドバイスや激励のメッセージを返していく。また、田中に加入当時から懐いていた佐藤が「泣かないって決めたから」と頑張りながらも、別れ際のハグで堪えきれず声を出して泣き出してしまった際には、まるでお母さんのように「頑張ったね」と、優しく声をかけた。
<「涙ッチ」ではなく「シャボン玉」>
自ら「自分のことしか考えてない」的な発言をすることも多かった田中だが、その素顔はメンバーひとりひとりの長所を見つけるのが得意で、頼られたら愛おしく思ってしまう。誰よりも人情深い女の子だった。そして、田中れいなは涙を見せない、どんな状況でも自分らしく生きていく人間でもある。故にフィナーレは、近年の卒業公演では恒例となっていた「涙ッチ」ではなく“泣いて済むなら 泣きやがれ!”自身のCDデビュー曲で、いきなりメインパートを任せられた「シャボン玉」であった(しかも尊敬する先輩 石川梨華のセリフパートを担当)。
そんなどこをどう切り取っても、田中れいなの生き様そのものと言えたこの日の公演。最後まで涙を落とさず「おつかれいなー!」と、武道館のステージを下りる彼女の姿には、アイドル史において類を見ない格好良さ。まるでロックスターのような風格すらあったことも此処に記しておく。田中れいなの今後に期待を込めて―――。
取材&テキスト:平賀哲雄
◎田中れいなからみんなへの感謝の手紙
「ファンの皆さんへ。
改めて手紙を書くとなると、何書けばいいかわからんけど書きます。
れいなは13才で、右も左も後ろも前も何にもわからんまま大好きだったモーニング娘。に入って。当時、世間的には「ヤンキー入ってきた」とか「問題児が入ってきた」とか、どうたらこうたら言われよったけど、「本当はそうじゃないのになぁ」と思いながらも強がってツンケンして、周りと壁作りまくって「れいなの周りは敵ばっかりだ!」と思い込んでました。
でもおとめ組のコンサートぐらいから「自分を応援してくれる人が増えてきたな」って目に見えて分かってきて、れいなはそのとき「こんなれいなでも応援してくれる人がいるんだ。じゃあ、れいなはこの人たちの為だけに頑張ろう!」って決心しました。れいなにやる気と自信を与えてくれた皆さんのこと、今でも忘れません。
れいな、思うんです。アイドルってファンの方に夢と希望を与える仕事なのに、でもれいなは夢と希望と、心配も与えるアイドルだなって自分でも思います。何回も何回もブログの更新止めたり、コメント欄にちょっと納得いかんことが書いてあったら、それに反撃したりして。ファンのみんなにもそうやけど、事務所の人にも迷惑かけたなぁって感じています。でも今ではそれも良い思い出かなって、ポジティブに捉えることにします(笑)。
でもやっぱり、この場を借りて謝らせてください。いっぱい問題起こしてすみませんでした! でもこれから先もまた何かしでかすかもしれません。いや、しでかすでしょう。それでも、れいなについてきてくれますか?
れいなは10年以上モーニング娘。にいて、いろんな経験をして、ぶっちゃけツライこともいっぱいあったし、ムカツクこともいっぱいあったし、納得いかんこともあったけど、まぁそれは自分が子供だった面も大きいし。でも一番はやっぱりそれ以上に楽しいことがたくさんあったらから、ここまで頑張ってこれたんだと思います。
モーニング娘。は今日で卒業するけど、正直、れいなの卒業した後、心配なメンバーも多いんです。だから皆さん、この先もモーニング娘。を支えてくださいね。お願いします。れいなは卒業後も大好きな歌をバンド LoVendoЯでやっていけるので、本当に幸せです。モーニング娘。で学んだことを活かし、そして新しい環境で今までと違うことを習得し、さらに大好きな歌をうたっていきたいと思います。皆さん、これからもれいなを見守っててください。
今まで本当にありがとうございました。
そしてこれからもよろしくお願いします!
以上、モーニング娘。6期メンバー 田中れいなでした!
◎ライブ【モーニング娘。コンサートツアー2013春 ミチシゲ☆イレブンSOUL ~田中れいな卒業記念日~ in日本武道館】
05月21日(火)日本武道館 SET LIST:
01.この世に真実の愛が一つだけあるなら/LoVendoЯ
02.たどりついたらいつも雨ふり/LoVendoЯ
03.君さえ居れば何も要らない
04.Help me!!
05.ワクテカ Take a chance
06.ブレインストーミング
07.大きい瞳
08.笑って!YOU/9期&10期&11期
09.What's Up? 愛はどうなのよ~
10.笑顔YESヌード
11.女が目立って なぜイケナイ
12.なんちゃって恋愛
13.気まぐれプリンセス
14.哀愁ロマンティック/道重さゆみ、譜久村聖
15.Rockの定義/田中れいな(ダンス:鞘師里保&佐藤優樹)
16.トキメクトキメケ/道重さゆみ、譜久村聖、生田衣梨奈、飯窪春菜、石田亜佑美
17.Ambitious! 野心的でいいじゃん
18.泣いちゃうかも
19.恋愛ハンター
20.Only you
21.みかん
22.彼と一緒にお店がしたい!
23.One・Two・Three
24.ドッカ~ン カプリッチオ
En1.キラキラ冬のシャイニーG/田中れいな
En2.Happy大作戦
En3.シャボン玉
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