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2023/03/27

REIRIE(黒宮れい&金子理江)1stライブで5年ぶりに並び立つ「“愛してる”を教えてくれたから“愛してる”を伝えたい──」5月から全国ツアーも

 かつてLADYBABY(及びThe Idol Formerly Known As LADYBABY)のメンバーだったふたりが再集結。アイドルシーン最強のソウルメイト同士である黒宮れい&金子理江が新ユニット・REIRIEとして、3月25日(土)新宿BLAZEにて【REIRIE 1st LIVE「~R~」】を開催した。

<REIRIEエピソードゼロ~奇跡的な光景に辿り着くまでの物語>

 この新たな始まりのライブは、ステージも客席も涙と笑顔で溢れるハートフルな公演となった。それがどれだけ特別で奇跡的な光景であったか──より深く理解して頂く為、まずは今日に至るまでのストーリーを記したい。2015年にミスiDきっかけで出逢うなりふたりは意気投合し、LADYBABYのメンバーとして活動。結成当初は無邪気に楽しめていたものの、次第にありのままのふたりで活動できない環境に苛まれ、お互いにまだ少女だったこともあり、そのジレンマによるストレスをメンバー同士でぶつけ合うようになってしまう。今思えば、それすらも大好きな相方との居場所を守る為のもがきだったのかもしれないが、結果として黒宮れいはLADYBABYを脱退することになる。

 あれから約5年。ふたりは離れ離れになっても互いのことをソウルメイトだと認識していた。ファンにも気付かれるレベルでケンカしていたふたりが?と思う人もいるだろうが、そもそも圧倒的に惹かれ合う関係性だからこそ衝突も起きていたわけで、理江は様々な形態でステージに立ち続けながらも「自分の隣を任せられるのは、れいだけ」だと感じており、れいもまた「いつか絶対またふたりでやる」と思っていた。そして、再会のタイミングを探り続けた先に訪れた運命の日。理江は自身が出演していたイベント会場の近くにれいが居ることを知り、共通の知人経由で「会いたい」と伝えたところ、れいは「どんな顔して会えばいいんだろう。一発目に何を言えばいいんだろう」と悩みながらも会いに行く。

 そして、再会したふたりは、開口一番「いぇーい」(ダブルピース付き)だけでかつての関係を取り戻し、すぐさまふたりで活動していくことを決意。あの頃、望んでも叶えられなかった、ありのままのふたりで突き進んでいくストーリーをスタートさせるべく、2023年1月1日にREIRIEとして改めてデビューすることを発表した。なお、同日にアナウンスされたお披露目ライブ【REIRIE 1st LIVE「~R~」】のチケットはソールドアウト。ふたりが再び肩を並べてステージに立つ瞬間を待ち望んでいたのは、ファンも同様であった。

<「ずっと二人でいようよ」REIRIEの人生が乗った1stライブ>

 再び動き始めた時計の秒針……そして、超満員のオーディエンスによる歓喜の叫び声に包まれながら登場したふたりは「ずっと二人でいようよ!」「もう一度始めよう 僕らの物語(ストーリー)」と、REIRIEの人生が純度100%で乗せられたはじまりの歌「Rabbits」を全身全霊で歌い踊る。もうこの状況だけで十二分に感動的だったのだが、ふたりの歌唱力や表現力があれから5年の歳月の中で明らかにレベルアップしており、離れ離れになって活動していた期間もひたむきに成長し続けていたことを物語るパフォーマンス。それに客席から割れんばかりの拍手が飛び交う光景はまるで映画の一幕だった。

 「改めまして、REIRIEです。よろしくお願いします!」「よろしくお願いします!」「金子理江です!」「黒宮れいです!」──ただの自己紹介がこんなに感慨深いライブも珍しい。そして「REIRIEとして立つのは初めてですけど、れいとこうやって同じステージに立てるのは、5年ぶりということで。私たちふたり自身も想い入れは強いですし、今日来て下さった皆さんも楽しんで帰って頂きたいなと思っております!」と告げると、続くれい作詞の「ULTRA」にボカロライクなアッパーチューン「愛を識る交差点」と激しいサウンドの楽曲が畳み掛けられていき、それに見合ったエモーショナルな歌声も放たれていくのだが、総体的な印象としては“可愛い”に集約されていくところが面白い。

 その要因としては、彼女たちが敬愛するデザイナー・東佳苗による衣装からヘアメイク、振り付けやパフォーマンス中の表情、そして何より「れいの隣で歌えてうれしい!」「理江とまた踊れてたのしい!」という言葉にせずとも滲み出てしまう、ふたりのハートフルすぎるアティチュード。これらが混然一体となって“可愛い”もっと言えば“これぞアイドル”と思わせるステージングを創造しているのだろう。REIRIE公式マスコット・ReReRiRi(れれりり)による振りコピ講座を経て披露された「PUI」は最たる例で、ふたりが顔をくしゃくしゃにして笑いながら見つめ合い、高速“あっち向いてホイ”とも言える動きで左右に顔を振り続ける姿は、観ていてちょっと照れてしまうぐらいラブリーすぎた。

<これからはサヨナラなんて無くてもいいように、隣にいたい>

 その後も「バタフライ・キス」「めろチョコ」とふたりのラブラブぶり全開のライブは続き、会場に膨らみ続ける多幸感が絶頂を迎えたところで「あんまりMCとか得意じゃなくて……紙に書いてきたんで、それを読ませて下さい」とれいが語り始める。

 「今日が迎えられたこと、今までずっと黒宮れいを好きでいてくれた人、久しぶりに会えた人、初めて観に来てくれた人、画面の向こう側の人(※同公演はYouTubeで生配信されていた)本当にありがとうございます。REIRIEチームのスタッフさん、支えてくれた家族、友達、そして、何より5年の時を経ても変わらぬ愛で抱きしめてくれた理江に感謝しています。もうこれからはサヨナラなんて無くてもいいように、隣にいたいです。歳を重ねても隣で一瞬一瞬を一緒に刻んでいきたいです。アイドルだろうが、アーティストだろうが、隣に理江がいてくれたらいいな。──理江が“愛してる”を教えてくれたから“愛してる”を伝えたいと思います。心から愛しています!」

 この日のライブが涙なしで観れないドラマティックな内容になることは予想していたが、かの世界中を号泣させた『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』をも想起させる展開が待っているとは思わなかった。れい自身、この手紙を読んだあと涙が止まらず「スタートライン」を歌いながら後ろを向いてしまい、そこに歩み寄る理江もまた泣き出してしまい、それでもふたり揃って「手を繋いで 前へ進もう! 大好きだよ!」と互いへの想いを爆発させながら歌い叫ぶ姿は、不器用で上手く歩み寄れずツラく苦しかった過去すらも、純粋無垢な明るい未来へと昇華してみせるエネルギーに満ちていた。ふたりがここまで赤裸々に体現してくれたのだから照れずに記そう。これこそ愛の力である。

<ふたりの物語⇒後悔のその先へ進みたいみんなの物語>

 そんなノンフィクションの愛の物語を体感させてくれたREIRIEだが、これをふたりだけの物語として完結させないところにも感銘を受けた。以下、アンコールでの理江のMC。

 「みんなもさ、罪悪感とか後悔とかってさ、生きていく中でたくさんあるじゃん。自分がさ……言うはずなかった言葉とか行動とかしちゃったときにさ、すごい……どんどん生きづらくなっていって。それで、理江はれいと出逢ってから金子理江というステージに立つ人間としての活動が始まったので(れいと離れ離れになってから)なんかずっと心にぽっかり穴が開いていたというか……。でも、れいと理江とみんなで、本来進むはずだった時間をこれからどんどんつくっていきたいと思っているし、れいだけじゃなくて、みんなともいろんな景色を観ていきたいなと思っています」

 大切な存在との出逢いを経験した者であれば、誰もが抱いたことのある「なんであんなことをしてしまったんだろう」という想い。そして、別れ。深まる罪悪感や後悔に苛まれながら、どう生きていけばよいのか分からなくなる。でも、ふたりはそこからこんなにも晴れ晴れとした世界へ辿り着けることを証明してみせた。それは「だから、みんなだって辿り着けるんだよ」というメッセージにも変換できるわけで、このふたりの人生を丸々乗せた表現の在り方がどれだけの人を励ましてみせたか(今後も励ましていくか)。想像するだけで、ふたりがふたりらしく歩んでいくREIRIEなるプロジェクトの意義深さを感じずにはいられなかった。

<全国ツアー【REIRIE 1st tour「~eYe~」】開催決定>

 そんな前向きな力に溢れたライブのクライマックスは、ふたりとファンのみんなで「今後もよろしくお願いします!」とお辞儀を交わし、れいの「ウチらには帰る家がある」という言葉とともに「ANGEL HOME」なる、これまた今のふたりだからこそ表現できる心暖まるナンバーを。そして「ずっと二人でいようよ」というフレーズに誰もが目頭を熱くしたであろう「Rabbits」を最後に今一度披露し、ふたり揃って、いや、この場に居合わせたみんな揃って満面の笑みで“確かな未来”へ走り出してみせた。過剰に重苦しく演出された世界観もなければ、ヘンに大人ぶってもいない、楽しく明るく可愛くポジティブな要素でほとんど構成されていたREIRIEワールド。

 なお、REIRIEは、本公演中に全国ツアー【REIRIE 1st tour「~eYe~」】の開催を発表。5月10日(水)渋谷duo MUSIC EXCHANGEを皮切りに名古屋、福岡、大阪と巡り、ツアーファイナルは7月4日(火)恵比寿LIQUIDROOMにて行われる。同時にREIRIE オフィシャルファンクラブ「ReiRieRoom」開設も告知されたので、この機会にぜひチェックしてみてほしい。

取材&テキスト:平賀哲雄
カメラマン:Jumpei Yamada

◎ライブ【REIRIE 1st LIVE「~R~」】
2023年03月25日(土)新宿BLAZE セットリスト:
01.~R~(SE)
02.Rabbits
03.ULTRA
04.愛を識る交差点
05.PUI
06.バタフライ・キス
07.めろチョコ
08.スタートライン
En1.ANGEL HOME
En2.Rabbits

◎イベント情報
全国ツアー【REIRIE 1st tour「~eYe~」】
05月10日(水)東京・渋谷duo MUSIC EXCHANGE
05月14日(日)名古屋・ReNY limited
06月03日(土)福岡・BEAT STATION
06月18日(日)大阪・梅田BananaHall
07月04日(火)東京・恵比寿LIQUIDROOM
チケット&詳細情報:
https://www.reirieofficial.com/news

◎REIRIE オフィシャルファンクラブ「ReiRieRoom」
https://reirie.fanpla.jp/

◎REIRIE オフィシャルサイト
https://www.reirieofficial.com/

◎REIRIE ツイッターアカウント
https://twitter.com/REIRIEofficial

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