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2023/03/31 18:00

<わたしたちと音楽 Vol.14>春ねむりが語る、マジョリティとして責任を感じながら発信すること

 【ビルボード・ウィメン・イン・ミュージック】(WIM)の日本版実施に伴い、独自の観点から“音楽業界における女性”にフォーカスしたインタビュー連載『わたしたちと音楽』のVol.14に、春ねむりが登場した。

 アーティスト“春ねむり”について、自身が「14歳くらいの時に“こういう人が存在してほしかった”と思っていた人物像」だと説明した彼女は、「その人が放棄していたら嫌な責任は何か……それを逆説的に考えて春ねむりの役割を見出し、自分自身がその仕事を全うするようにしています」と話している。

 フェミニストであることを公言し、“シス女性”と認識している彼女は、マジョリティとして責任を感じながらメッセージを発信する時に、「自分の発言によって、当事者の声が聞こえなくならないようにすること」に気をつけているそうだ。さらには「自分が感じている怒りが、本当に私が発信すべきことなのかは毎回考えるようにしています」と述べると、「怒りの構造は似ていると思うんですけれど、当事者ではない場合は、当然全てを理解することはできない。だからこそ、当事者の声を聞くのが大切だと思っています」と付け加えた。

 一方で、物事を変えていくには、「(マイノリティに)連帯しなくてはいけないタイミングは絶対にあるけれど、主語を大きくすることにもつながってしまう」と述べると、「だからこそ、一人ひとりの言葉を聞いていかないといけない。そうやってみんなの声を聞いていくとき、自分自身の声が大きくなると均衡が崩れてしまうじゃないですか。でも私はミュージシャンとして人より目立つ活動をしているのだから、その恐れも引き受けないといけないと思っています。自分自身がそれを引き受けることで、主語が大きくなっていくのを避けられるのではないかと考えているんです」と語った。

 インタビュー全文と春ねむりがセレクトしたプレイリストは特集ページにて公開中だ。また、【ビルボード・ジャパン・ウィメン・イン・ミュージック】の特設サイトでは、これまでのインタビューやプレイリストなどをまとめて見ることが可能だ。

 2007年からアメリカで開催されている【ビルボード・ウィメン・イン・ミュージック】は、音楽業界に貢献した女性を表彰するアワードで、2022年版は3月に実施された。日本では、インタビューやライブ、トークイベントといった複数のコンテンツから成るプロジェクトとして2022年秋にローンチした。

Photo:Miu Kurashima

◎リリース情報
「ANGRY ANGRY」
春ねむり、ジャガー・ジョーンズ
2023/4/14 DIGITAL RELEASE

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