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2023/03/10

ビルボードジャパン×ビルボードライブ企画 観覧者から募集したジュリア・フォーダムのライブレポートを公開

 2022年10月より、ビルボードジャパンとビルボードライブによるライブレポート特別企画がスタートした。

 ビルボードライブで行われる公演を対象に、観覧者からライブレポートを募集してビルボードジャパンに掲載する企画となっている。その第3回目となる、ジュリア・フォーダムのライブレポートが公開された。

 ジュリア・フォーダムは2月10日、11日にビルボードライブ東京、2月13日にビルボードライブ横浜、2月15日にビルボードライブ大阪で【Julia Fordham - Happy Ever After - Celebrating 35 years of her number 1 hit and debut album ~】を開催。今回、Club BBL会員を対象にライブレポートを募集した。

 なお今後、本企画は一定の参加条件を満たしたClub BBL会員を対象として実施することが決定している。次回対象アーティストや企画の詳細は、随時発表する予定だ。


<ライブレポート1>

 今回の公演は【Julia Fordham - Happy Ever After - Celebrating 35 years of her number 1 hit and debut album ~】と銘打たれているとおり、デビューアルバムのリリース35周年を祝う特別なステージだ。ビルボードライブ東京公演初日のライブレポートをお届けする。

 会場の照明が消え、バンドメンバーに続いてジュリアが登場。会場はあたたかい拍手で迎える。相変わらず年齢を感じさせない上品で美しい顔立ちに、肩まで伸ばしたプラチナブロンド、そして白地のラメが入った短めのジャケットとスパンコールが散りばめられたロングスカートを合わせ、胸元まで覆うシルバーの金属アクセサリーという品良くシックな装いだ。照明が白い服に映り、ラメとスパンコールがキラキラと反射する。2ndステージでは紫のジャケットに赤紫のロングスカートに着替え、ファッションセンスの良さが伺える。多くのステージをビルボードライブで見てきたが、ジュリアほど衣装が素敵で印象に残る人は他にいないと断言できる。

 最前列の観客の一人がスケッチブックを使用したウェルカムボードを掲げているのを見つけると嬉しそうに声をかけ、とてもリラックスした雰囲気でライブがスタート。オープニングはリズミカルな「My Lover's Keeper」で、2曲目からはバラード中心の構成となっていた。しっとりと穏やかで心地よい空気が会場全体を包む。デビュー当時と全く声質が変わらず、お馴染みの黒いアコースティックギターを弾く姿がとても格好良い。さらに他のバンドメンバーは使用しているセットリストが、ジュリアの周辺には見当たらない。完璧な歌唱と共にプロ意識の高さが伺えた。

 本公演で演奏されたのはセルフタイトルからまず6曲、続いて『Porcelain』から2曲、『Swept』から1曲、そして自主制作盤『Cutting Room Floor』から一番のお気に入りという表題曲だ。2月3日に配信リリースされたばかりの新曲「Minor Victories」も披露された。ロックダウン中に書いたというこの曲は、ジュリアのシンガーソングライターとしての真骨頂とも言える完成度の高さを誇っている。そして、最新アルバム『Woman to Woman (The Live Concert)』から「Stay」と順に演奏。アンコールはもちろん「Happy Ever After」だ。秀逸なメロディーラインと軽やかで伸びのあるジュリアの歌声が調和してうっとりと聴き入ってしまう。2ndステージ最後の挨拶に観客がスタンンディングオベーションで応え、ジュリアも満面の笑顔でステージを後にした。

 会場の空間を支配するような、デビュー当時と変わらぬハスキーかつ透き通るような美しい声は流石だ。ジュリアの温かい人柄を伺わせるアットホームな雰囲気と共に、バンドとの息もぴったり。次回の公演が何時になるか分からないが、必ず足を運びたい内容だった。彼女を招聘してくれたビルボードの関係者各所に感謝したい。

2023年2月10日 ビルボードライブ東京

Text by 関東在住の西日本人


<ライブレポート2>

 2018年以降、3年ぶりの来日となるジュリア・フォーダム。ステージ後ろの窓から見える外の景色がまだ明るい中、1stアルバムからアップテンポの曲「My Lover's Keeper」に乗せて、日本に戻ってきたことが嬉しくて仕方がないという表情でジュリアが登場した。一見クールに見えたが、フレンドリーな笑顔を見せながら観客の声援に応えながらステージに歩いて行く。

 1stアルバムから何曲かしっとりと歌った後、「ここまでが1stアルバムです」と2ndアルバム『Porcelain』の表題曲をじっくり聴かせる。東京公演ではギターのチューニングのアクシデントが発生。ジュリアが「何かリクエストはない?」と観客に呼びかけると、「Happy Ever After!」の声が。それに対して「それは後からやるから!」といったやりとりを見せる。筆者はそこに一番好きな3rdアルバムのタイトル曲「Falling Forward」をリクエスト。その声に応え、アカペラで一番のフルコーラスを歌唱した。

 直ったギターを持って「Girlfriend」、ピアノをバックに美しい「(Love Moves In) Mysterious Ways」等、1stアルバムから年代順に楽曲を演奏していくというまさにジュリア・フォーダムヒストリーといえる構成が続く。

 ライブ後半は、コロナ禍でスタジオに入って作ったというジャジーな「Cutting Room Floor」、そして最新シングル「Minor Victories」を披露。前曲とは全く違った感じの比較的アップテンポな曲調で、デビューから35年を経た今でも新曲を作り続けている創作意欲にあふれた姿勢に胸を打たれた。

 本編最後は、英国で行われている【Woman to Woman】ツアーでもハイライトになっている「Stay」。5thアルバム『East West』に収録されているバージョンよりも数段ダイナミックな演奏で、ステージとの距離が近いビルボードライブがスタジアムのように感じた。

 ステージ後ろのカーテンが開き、開演前には明るかった東京の夜景が広がる。アンコールはもちろん、このライブのテーマにもなっている名曲「Happy Ever After」だ。何百回、何千回聞いたイントロが流れると鳥肌が立つ。35年たっても色褪せないばかりか、今の時代だからこそ必要なメッセージも感じさせられる素晴らしい演奏だった。

 大阪公演の2ndステージでは「Happy Ever After」が終わると、日本最終公演ということで感慨深げにバンドメンバーと挨拶をしている中、突然ジュリアが「もう1曲やらない?」と話している。バンドメンバーが若干慌てる中、「キーは?」「みんなわかる?」と確認しながら最後に演奏されたのが、東京公演でアカペラで歌った「Falling Forward」だ。初めは戸惑っていたメンバーだが、長年のバンドだけあって即興とは思えない素晴らしい演奏を披露。ファン想いの人柄がにじみ出た、本当に暖かく素晴らしいライブだった。

2023年2月11日 ビルボードライブ東京/2023年2月15日 ビルボードライブ大阪

Text by Takushi & Junya

Photo by Masanori Naruse


◎公演情報
【Julia Fordham - Happy Ever After - Celebrating 35 years of her number 1 hit and debut album ~】
2023年2月10日(金)、2月11日(土)
東京・2月11日(土)

2023年2月13日(月)
神奈川・ビルボードライブ横浜

2023年2月15日(水)
大阪・ビルボードライブ大阪

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