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2023/02/15

ラナ・デル・レイ、ビリー・アイリッシュとの対談で若いアーティストとして批判された過去を語る

 ニュー・アルバム『ディド・ユー・ノウ・ザット・ゼアズ・ア・トンネル・アンダー・オーシャン・ブルバード』を2023年3月24日にリリース予定のラナ・デル・レイが、米インタビュー・マガジンでビリー・アイリッシュと対談した。ラナがインディー・ポップ界でスターダムに駆け上った頃からビリーがメインストリームで名声を得るまで10年離れているが、二人には多くの共通点があり、その全てが楽しいことばかりではなかった。二つの異なる時代のポップ・カルチャーで若いアーティストとして厳しい批判の的となったことについて二人は語り合っている。

 米ビルボードによる2023年の【ウィメン・イン・ミュージック】の<ヴィジョナリー賞>受賞者で、今やコンテンポラリー・ポップ音楽の最も偉大な革新者の一人とみなされるラナだが、2010年代初頭にキャリアが軌道に乗った時、彼女の人格と歌詞を反フェミニストとみなす評論家たちから批判された。2月14日に公開された記事でビリーにインタビューされた彼女は、自身のイメージを取り巻く否定的な意見の結果直面した現実的な体験について振り返っている。

 ラナは、「突然、いつものように道を歩いていたら、人々が私に肘をぶつけてきたんです。“え、まさか本当にこんなことが起こるなんて"という気持ちでした。誰かが私に気づいて突き飛ばしたんです。あるいはサンフランシスコでは、ビストロで食事をしていたら、女性がフェミニズムに関する本を私の顔めがけて投げてきたこともありました」と語っている。

 さらに彼女は、「(有名人は)誰でもそれなりに考察記事を書かれるものですが、私が女性的服従の象徴であるとか、家庭的なんたらの肯定派であるとか、60ページにも及ぶ記事がいくつかあったのは確かですね。すごく大変でした、だって当時私は物事を理解しようとしている段階でしたから」と続け、「私にとっては厳しい試練でしたね。今はずいぶん時代が変わりました」と述べている。

 時代が変わったのは確かかもしれないが、ビリーもこの現象には心当たりがあるようだ。ラナにインタビューする前日の夜にTikTokを見ていた際、ビリーは自身の人格を否定するショート・ムービーを偶然目にしてしまったことを明かした。寝る直前にTikTokを眺めていたところ、「スワイプして次の動画に移ると、そこには何百万もの“いいね”がついていて、私がいかにひどい人間であるかという内容だったんですよ。そして多くのコメントが、“みんなが彼女を見抜いてることが嬉しい”って感じなんです。“参ったな”って思いましたよ」と彼女は語っている。

 ビリーはまた、「(大衆は)何事も絶対に許さないですよね」とも述べ、「文字どおり、一度たりともミスを犯すことができない。贖罪のために何をしようが関係ないんです。彼らは、“それがあなたであり、あなたは死に値する”と判断するんです」語っている。

 このインタビューで二人は、曲作り、ラナの16曲入りニュー・アルバム、そして最も影響を受けた音楽について詳しく話している。最初の携帯電話の壁紙がラナの写真だったほどの大ファンであることを本人に伝えたビリーは、彼女が最も影響を受けたアーティストの一人だったと主張した。「あなたは本当にみんなのために道を切り開いてくれました。あなたが最初に始めたときから、人々はあなたのような見た目やサウンドになろうとしているんです。あなたは音楽業界の音楽の聴き方、見方を変え、人々の歌い方を変えたんです」と、ビリーはラナを称賛している。

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