2023/02/16
Hey! Say! JUMPの中島裕翔が6年ぶりに主演する映画『#マンホール』が、全国で公開中だ。
不動産会社に勤める川村俊介(中島)は営業成績トップ、そして社長令嬢と結婚も決まっている、将来を約束された“デキる”男だ。仕事仲間からも頼りにされている川村は、結婚式前夜にマンホールに落ちてしまい、文字通り、幸せの絶頂からどん底へと転落する。果たして川村はマンホールから抜け出すことができるのか。
暗いマンホールで一人、SNSを駆使しながら逃げ道を探す川村の前には、次々と試練が待ち構える。中島は「『マンホールでワンシチュエーション?』って驚いたのと同時に、日本でこういう作品を作れるなんて面白そうとも思いました。ハイスペックな男がどん底に落ちて、どう内面が変わって行くのか。こういう状況に陥った時の人間の本性とのギャップや塩梅が大事だと思いました。実際にセットに入ったら、嫌な気持ちになる場所が出来上がっていて、照明から舞台スタッフまで、みんなでどうしたら嫌な雰囲気を出せるかを相談しながら作っていきました。僕もマンホールに翻弄されることができました」と、そのリアルなセットが演技の手助けになったという。
撮影は2022年4月に約3週間で実施された。Hey! Say! JUMPとして、その年の5月にシングル『a r e a/恋をするんだ/春玄鳥』、8月にアルバム『FILMUSIC!』をリリースしており、メディア露出、個人の活動と並行するなど、当時は多忙な時期だったことだろう。実際、撮影中はどんな活動と時期が被っていたのだろうか。
「撮影期間中にドラマ『純愛ディソナンス』(2022年7月~9月放送)のピアノを覚えないといけなくなったんです。とても美しい曲なんですけど……『こんな作品を撮っているときに弾けるか!」って思いましたね(笑)。でも覚えなきゃいけないというジレンマもあって、電子ピアノを買って(映画の撮影の)佳境を迎えているときにピアノの練習もやってました。この映画に入る前もギリギリまで別の作品の撮影をしていたので、いきなりこっちに入り込むことができるか不安はあったんですけど、マンホールのセットを見たら、スッと役に入り込めて。実際、何かに没頭することが気持ちを切り替えるいい機会になったと思います。ただ『今この曲か……』みたいな気持ちは正直ありました(笑)。」
誰もが体験したくないシチュエーションをたった一人で解決していく過程は、手に汗握る展開で、焦燥感に駆られた川村の心境は、中島自身にも影響しそうなくらいだが、中島はあえて気持ちを切り替えなかったという。
「(プライベートと仕事の)気持ちを切り替えても問題なく進められるときもありますが、撮影が佳境を迎えている間は、この気持ちのままでいたいと思い、あえて切り替えなかったんです。なので、精神的にも肉体的にも辛い日々を過ごしていましたが、その分、マンホールという狭い空間の可能性を最大限に引き出せたのではないかと思います。」
誰も見たことのない表情を本作で披露した中島に「我ながらいい演技をしていると思ったシーン」を尋ねてみると、中島は恐縮しながら「ないです!」と即答。しかし、「ただ自分でも見たことのない表情をしているって思ったのは覚えています。いつもは自分の芝居が気になって全体の物語が見られないんですけど、今回はどこか他人事のように見ることができました。自分が出ている作品にもかかわらず、『え!?』ってなる不思議な感覚でした」と、演じた本人も発見があったようだ。
最後に中島に「史上最悪のピンチだった瞬間」を聞いてみると、「かなり昔にコンサートのリハーサルで起きたんですけど……半円のレールをトロッコで通るときに、車両と車両を繋ぐ連結部分がないものだったので、うまく回りきれずに客席エリアに落ちてしまって。幸いリハーサル中で、見事着地したのでよかったんですけど、落ちている瞬間がかなりスローモーションに感じて『ああ、終わった……』って思いました。あれはピンチでしたね!」と笑顔で当時を振り返った。大量のコーヒーと洗剤を混ぜたものに鰹節や青のりを加えた泡にまみれ、鼻をつく臭いや寒さに耐えながら挑んだ渾身作は、現在、全国公開中だ。
Text by Mariko Ikitake
◎公開情報
『#マンホール』
全国公開中
監督:熊切和嘉
出演:中島裕翔、奈緒、永山絢斗ほか
制作プロダクション:ツインズジャパン
製作幹事・配給:ギャガ
(C) 2023 Gaga Corporation/J Storm Inc.
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