2023/02/02
YOSHIKI(Dr/Pf)、HYDE(Vo)、SUGIZO(Gt/Vn)、そしてMIYAVI(Gt)という豪華すぎるメンバーによって新たに結成されたTHE LAST ROCKSTARSが、2023年1月26日から30日にかけてデビューライブを4公演開催した。本稿ではメンバーが「世界に向けて戦っていく」という決意を見せた1月27日の有明アリーナ公演の模様をお届けする。
会場が暗転すると、まるでSFのような宇宙的な世界観の映像とナレーションが流れ、それをバックにメンバーが一人ずつ登場する。まだ演奏も始まっていないのに、この壮大さに思わず息を呑んでしまう。そして、いよいよライブが始まり、一発目に披露されたのは、バンド名を冠したデビュー曲「THE LAST ROCKSTARS」。派手な炎、SUGIZOとMIYAVIが奏でるハードなギターが織りなすパワフルさ、HYDEの伸びやかな歌声、ドラマチックなYOSHIKIのピアノなど、様々な要素が詰め込まれた楽曲にオーディエンスもすぐにスイッチが入る。
久しぶりに耳にするオーディエンスの歓声(マスクの着用を前提に解禁)に対し「その声を楽しみにしてきました」と語りかけると、HYDEのソロライブで披露されてきた「6 or 9」に突入する。ダンサブルで疾走感のあるサウンドにどこかミステリアスさも兼ね備えたサウンドで観る側を魅了する。続けて、インダストリアルな音像とMIYAVIのアグレッシブなバッキング・ヴォーカルが特徴的な「Messiah」で会場のボルテージがさらに上がっていく。
アリーナ映えする壮大さの中に熱量を秘めた「Here’s The Love」を挟み、2007年にS.K.I.N.の楽曲として、2014年にX JAPANのライブでも演奏された「Beneath The Skin」が始まると、客席からは軽いどよめきが漏れる。一際ヘヴィなこの楽曲には問答無用で身体が動く。SUGIZOの神秘的なギターソロも絶品だ。
HYDEとYOSHIKIが捌けると、SUGIZOとMIYAVIの両ギタリストによる“ギターバトル”が始まった。電子ビートやオーディエンスのクラップを交えたこの対決は両者のプレースタイルの違いを堪能させてくれた数分間だった。そして、深海を想起させる不気味なSEが流れると、そこにSUGIZOがヴァイオリンで加わる形で「Folly」へ。幻想的でアンビエントなサウンドで会場はセクシーな雰囲気に染まる。
その後も、MIYAVIによるアコースティックギター・ソロから流れるように披露された「Hallelujah」で客席を揺らすと、YOSHIKIによるドラマチックなドラムソロとピアノソロが展開された。ピアノソロではX JAPANの名曲「紅」のフレーズも盛り込まれ、観客がその歌詞を合唱するという感動的な場面もあった。再び4人が集結すると、アグレッシブなロックソングであるX JAPANの「BORN TO BE FREE」で再び会場の熱量が上昇。そこから、THE LAST ROCKSTARSならではのアレンジが施されたL’Arc~en~Cielの「HONEY」が投下されると、客席からはどよめきが聞こえた。
MCのコーナーではメンバーが何度も「奇跡」という言葉を使ってこのバンドとステージについて話していた。ロックに改めて返ってきたYOSHIKI、少年のような目で他のメンバーを見つめるMIYAVIなど、バンドをやることに対するワクワク感がにじみ出ているようだった。また、YOSHIKIが語った、“敵を作るのはつまらない”という意味での「我々は敵なし」という言葉も非常に印象的だった。
終盤戦に入ると、ダンサブルな「Up And Down」、MIYAVIの「Bang!」と身体を揺らしたくなるようなノリの良い楽曲を畳み掛け、さらにはYOSHIKI feat. HYDE名義で2018年にリリースされた「Red Swan」で壮大でエモーショナルな世界観を展開。最後はアップテンポなデジロック曲「PSYCHO LOVE」で締めくくられた。
アンコールでメンバーが再登場すると、一緒に歌うことができるように事前にSNSで一部音源・歌詞が公開されていたバラード「Shine」が披露される。このバンド自体は結成して間もないが、改めて歌詞の意味を説明した上で実現したシンガロングは、近年のライブシーンで失われていたものの復活を感じさせてくれた。その感動的な雰囲気を「ぶち壊す」というメンバーの宣言からスタートしたのは、HYDEが作曲とプロデュースを担当した中島美嘉の名曲「GLAMOROUS SKY」。原曲よりも激しめなアレンジになっていたこともあり、この日一番の盛り上がりと熱量を生み出したパフォーマンスだった。
裏方スタッフへの感謝を伝えたあと、YOSHIKIは「みんながロックスターだからな!」とメッセージを送った。そして、改めてこのバンドの始まりの楽曲「THE LAST ROCKSTARS」がもう一度演奏される。ラストということでメンバーも徹底的にオーディエンスを煽っていたこともあり、一度目よりもさらに熱い一体感で会場は一つに。力を出し切ったようなこの熱いフィナーレでこの日のステージは終了。バンドとオーディエンスで集合写真を撮影し、YOSHIKIの代名詞でもあるドラムセットの破壊が行われると、メンバーは名残惜しそうにステージを後にした。
この日はパフォーマンスやMCを通してメンバーのこのプロジェクトに対する想いが強く伝わってきた。特にYOSHIKIが何度も言葉を詰まらせる場面があり、バンドとしてステージに立てることへの嬉しさと感動がその様子から感じられた。この4人がどのように世界に向けて戦っていくのか、注目したいと思う。
Text:Haruki Saito
◎公演情報
【THE LAST ROCKSTARS Live Debut 2023 Tokyo – New York – Los Angeles】
2023年1月27日(金)東京・有明アリーナ
<セットリスト>
1. THE LAST ROCKSTARS
2. 6 or 9
3. Messiah
4. Here’s The Love
5. Beneath The Skin
-SUGIZO×MIYAVI Guitar Battle-
-SUGIZO Violin Solo-
6. Folly
-MIYAVI Acoustic Guitar Solo-
7. Hallelujah
-YOSHIKI Drum Solo-
-YOSHIKI Piano Solo-
8. BORN TO BE FREE
9. HONEY
10. Up And Down
11. Bang!
12. Red Swan
13. PSYCHO LOVE
アンコール
14. Shine
15. GLAMOROUS SKY
16. THE LAST ROCKSTARS
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